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人の表情やしぐさは、言葉よりも多くのことを伝えていると言われます。
前回は表情から読み取る心理を書きました。
今週は「しぐさ」から読み取れる相手の本音に迫ってみます。手や足の「しぐさ」が語る心理を覗いてみましょう。
コミュニケーション力向上に役立ちます。
2019年5月13日作成 2020年6月9日更新
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1.しぐさが伝えること
コミュニケーションは、言葉だけでなく、表情や手足のしぐさなどの非言語コミュニケーションが伝える心理もあります。
写真参照:写真AC,パタクソのフリー素材を利用させていただいています(以下同)
コミュニケーションは、
・論理的に発信する
・論理的に受信する
・感情を発信する
・感情を受信する
の4つの力を用いて行っています。
こうした力をバランス良く身につけておきたいものです。
この内、「感情を受信する」で重要なポイントが表情やしぐさから読み取る心理です。
ある実験では、人は顔の表情や態度から55%のことを理解しているという結果が出ています。
前回2回に渡り、その表情について説明させていただきました。
記事はこちら
言葉や顔の表情は、その影響を知る人ほどコントロールしようとします。
より分かりやすく伝えるために少々オーバーな表情をしてみたり、心を読まれないように目を動かさないよう務めたりします。
しかし、そうしたときに手や足の動作にも心理が出ていることは気づいていないことが多いようです。意外と手足のしぐさに本音が現れたままになっています。
人は、言葉を身につける前から手や足を使って感じたことや考えていることを伝えたり、行動につなげていました。その潜在的な機能は現代でも働いています。
手や足が無言で伝えていることを理解し「感情の受信」に役立てていきましょう。
2.手のしぐさの心理
まずは、「手」のしぐさの特徴的な動きを見ていきましょう。
手のしぐさでわかること-その1
腕組み
腕組みの分かりやすい反応は「拒否・拒絶」ですね。
これは、自己防衛の反応とも言われています。攻撃から身を守り、逃げる体勢を整える前触れです。この動作が相手に出てきたら自分の発言や行動を振り返り修正したほうがいいでしょう。
また、かなり腕組みが上の方で行われている場合は「批判」という「上から目線」になっている可能性があります。
その他、一人の時は考え込んでいる「集中」の時のしぐさでもあります。
指組み
手の指は、気持ちが表れやすい部位です。
たとえば、指組みして、親指だけが上がった場合は、自信の表れです。一方、親指を隠したら、自信が揺らいでいるときの動作です。
さらにすべての指が立つ尖塔(せんとう)のポーズだと、大きな自信を表しています。
出典:「FBI捜査官が教えるしぐさの心理学」p.200より引用
この他、強く握っているときは、怒りや拒否の反応の可能性があります。
髪をさわる
自己親密行動の代表です。なぐさめてほしいがしてもらえないことの代償行為です。
特に女性の場合は、緊張しているときに髪をさわる傾向があります。相手にどう思われているか気になる心理が、髪を触るに現れます。
また、やさしい言葉を求めている可能性があります。
腕組みや指組みは、利き脳の判定などにも使われます。
詳しくは、こちらを参照ください。
手のしぐさでわかること-その2
頭をかく
男性がする行為では、反省のポーズが分かりやすいでしょう。
心理学では、頭をかく仕草には、不安や葛藤、心の葛藤、不満などが現れるとされています。
ほおづえ
不満や不安を持っていて、癒やされたいとか、慰めてほしいと感じている可能性があります。
この動作が相手に出たら話しに集中していない証拠です。たいくつしているサインかもしれません。
あなたばかり話していないかチェックしてみましょう。自分の話をやめて、相手に話す機会を与えてあげるとよいでしょう。
鼻をこする
やましいことがあったり、ウソをついてごまかしているときに、その緊張から出ている可能性がある動作です。
男性が目の前の女性に好意を持っていて照れ隠しの場合もあります。
内気な人で言葉に出すのが苦手なので手のしぐさに出ているかもしれません。心理的に安定していないのでその後の話し方では相手の本心を突くような発言は慎んだほうがいいかもしれません。
目をこするなど、顔の一部を触るのは同様なサインと見ていいでしょう。
手のしぐさでわかること-その3
手のひらを上にする
リラックスしている証拠。親密な感情を表現しています。
「手の内を見せる」の言葉にあるように開放的で、フレンドリーな印象も与えます。
話し好きな人に多く、友達を作るのも早いようです。ただし、隠し事が出来ないので気に入らないことがあると怒りやすいタイプでもあります。
ボディータッチ
身体的な距離の近さが心の距離を表しています。女性はタッチが多い傾向にあります。
非言語コミュニケーションの中ではかなり強力な気持ちを伝える手段の1つです。
仲が良いほどボディータッチが多くなります。
一方、親密で無い相手からのボディータッチは、不快感を覚えるものです。
また、ウソをついている人は、相手からのボディータッチを過剰に避けようとします。その行動から自分に対して信頼関係を損なう限度や態度を見えない所でしている可能性が在ります。
その他の手のしぐさ
頭のてっぺんをさわる
子供のころに頭をなでられて安心した記憶がそうさせます。
手をしきりに動かす
落ち着きのない行動に見えますが、頭の中がフル回転しているときに現れます。
人には、無くて七癖といわれるように、かならずその人固有のしぐさの癖があります。コミュニケーションを通してそうした反応を理解していくと良いでしょう。
3.足のしぐさの心理
「足」は、手以上に人の気持ちが表れてしまう無防備な箇所と言えます。
「足」は、人が原始の時代から危険への反応を条件反射的に行うことが刻み込まれています。この処理は認知処理を伴わないので正直なのが特徴となります。
また、現代のように衣服をまとってもテーブルの下に隠れるなど本人も意識が及ばない状況が出やすい部位となります。
足の動きが観察出来れば、「どのように相手と話を進めていけばいいのか?」を見極める重要な材料になります。
足のしぐさでわかること-その1
足を組む
女性の場合、足を組むのは相手(特に男性)の注意を引こうとする行為に現れです。足を美しく見せる所作の可能性があります。
目の前の女性が足を組んでいたら脈が在る可能性が高いようです。
しきりに足を組み替えている時は、イライラしていたり現状に満足をしていないと思われるしぐさです。欲求不満の表れともいえます。
男性が足を組んでいる場合、完璧主義的に相手によく見られたいという欲求がある可能性があります。
また、組んだ上の足が相手に向いていたら相手に好印象を持っています。反対に向いていない時は防衛で壁を作る代償行為となっている可能性があります。
ただ、足を組むのも腕組みや指組と同じで普段の癖で利き足を乗せている可能性があります。
その場合、右足を上に組んでいる場合は内向性、左足が上の場合は外向性の可能性があります。
内向性の人には、直球で話しをすると嫌われますし、外向性の人に遠回しな言い方は時間のムダです。
足のしぐさでわかること-その2
つま先がひらく
上昇志向の強いタイプの人に多いそうです。仕事にも恋愛にも積極的でポジティブな行動派に多いという傾向があります。
好みがはっきりしているので、このしぐさが出ていたら相手の反応はそのまま受け止めていいでしょう。
ヒザが開く
リラックスしていて警戒心がなく、細かいことは気にしない状態です。
男性は足を広げて座る場合が多いでしょう。
基本的には心を開いているというしぐさですが、手の動作と合わせて見ていくとより深く観察できます。手をヒザに乗せていたら、自己親密行動の1つです。自分を落ち着かせようとしているか、緊張を押さえているのかもしれません。威圧感を出しているのかもしれません。
女性の場合は、心がオープンなサインですが、貞操観念が低い可能性もあります。異性関係もおおらかな場合が多いでしょう。
足のしぐさでわかること-その3
足首をクロス
夢想家でロマンチストな一面あり、夢見がちな側面がある。精神的に子供っぽい。
そろえて斜め
プライドが高く、自分に自信がある。容姿やセンスを褒めると喜ぶ。
その他
足をまっすぐに閉じている
警戒しているか、心を許していない状況。
相手に取り込まれないよう警戒している。
この仕草が出ていたら何気ない会話をしてリラックスさせてあげると良いでしょう。
靴を足にひっかてブラブラしている
心理学では靴は「性」の象徴。ブラブラさせているのは異性にだらしない証拠。
貧乏揺すり
緊張や不安の表れ。世界が自分の思い通りいかないことを欲求不満に思っている自己中心的な面があります。
このサインが出たら苛立ち、拒否の現れです。立ち入って欲しくない話しをしている可能性があるので、話題を切り替えるなど相手の気持ちを落ちつかせて上げましょう。
4.まとめ
いかがだったでしょうか?
しぐさにはその行動を行う理由があります。
その理由を理解することで、人の心の動きを読み「感情を受信」する助けとなります。
その行動と理由を知り、円滑なコミュニケーションに役立ててみましょう。
参照文献
FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学
- 作者: ジョーナヴァロ,マーヴィンカーリンズ,西田美緒子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
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- 購入: 1人 クリック: 4回
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終わり