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新年度を迎え、各職場には新入社員などが配属されている時期かと思います。職場でのOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)において、知識やスキルをどう伝えるか?
これは教える側にとって永遠の課題です。せっかく教えるなら、相手のやる気を高め、自分自身の成長にもつながるような効果的な方法を身につけたいものです。
ティーチングの最大のポイントは、「相手の個性に合わせること」と「分かりやすく伝えること」の2点に集約されます。
今回は、その具体的なテクニックを紐解いていきましょう。お時間があったらお付き合いください。
1. 相手の「利き手」を知る:学習スタイルの4類型
人にはそれぞれ「得意な学び方」があります。これを学習スタイルと呼び、相手のスタイルに合わせた指導をすることで、教育の効率は飛躍的に高まります。
まずは、目の前のメンバーがどのタイプに当てはまるか観察してみましょう。

自信派タイプ(左上): 理論的に自分で考えながら学ぶのが得意。
感覚派タイプ(左下): まずは「やってみたい!」と自分のペースで動くことを好む。
思慮派タイプ(右上): 頭でしっかり理解してからでないと動けない。
他者に依存しやすい面もある。
経験派タイプ(右下): 人と一緒に経験を共有しながら学んでいく。
相手がどのタイプかを見極め、その特性に合わせた言葉がけやステップを用意することが、ティーチングの第一歩です。
2.「事実」を整理する:5W1H法の活用
説明が上手くいかない時、多くの場合、情報の「抜け・漏れ」が発生しています。そこで活用したいのが、お馴染みの5W1H法です。
5W1Hの要素
Who (だれが)
When(いつ)
Where(どこで)
What(なにを)
Why (なぜ)
How(どのように)

これらは「事実の論理性」を担保するためのフレームワークです。伝えたい情報をこの項目に当てはめることで、無駄なく正確に事実を伝えることができます。
ただし、最近のビジネス現場では「事実」以上に、「なぜそれが必要なのか」という「意味の論理性」が重視されるようになっています。
そこで登場するのが、次の「PREP法」です。
3.「納得」を引き出す:PREP法による論理展開
相手に負担をかけず、スムーズに内容を理解してもらうための強力な武器がPREP法です 。
これはロジカルシンキングに基づいた説明技法で、以下の4つのステップで構成されます 。
PREP法4つのステップ
| 要素 | 内容 | 説明のステップ
| Point | 要点 | 最初に結論、言いたいことを述べる。
| Reason | 理由 | なぜそうなのか、基準や根拠を説明する。
| Example | 具体例 | 事例や実例を挙げ、イメージを具体化させる。
| Point | 要約 | 最後にもう一度、ポイントを繰り返して締める。
例えば、新人に「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」の重要性を説く場合も、この順番で話すだけで説得力が格段に増します。
結論から話すことで、聞き手は「今から何の話を聞くのか」という心の準備ができ、理解のスピードが上がるのです。

4. ティーチングとコーチングの使い分け
ここまでティーチング(教える技術)を見てきましたが、相手の主体性を引き出し、やる気をさらに高めたい時にはコーチングの出番です。
ティーチング: 知識やスキルを「授ける」。
コーチング : 相手の中にある答えを「引き出す」。
相手から質問が出た時は、すぐに答えを教えるだけでなく、「傾聴」「質問」「承認」といったコーチングスキルを織り交ぜることで、メンバーの自走を促すことができます 。
5. まとめ:共に成長するOJTへ
効果的なティーチングのポイントを振り返りましょう。
相手の学習スタイル(個性)に合わせた教え方をする
5W1HやPREP法を使い、論理的で分かりやすい伝え方をする
「教える」という行為は、実は教える側にとって最大の学びの場でもあります。
相手に合わせた最適な伝え方を模索する中で、あなた自身のコミュニケーション能力も磨かれていくはずです。
ぜひ明日からのOJTで、PREP法を一つ、意識して取り入れてみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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終わり
