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ピンク筋や白筋・赤筋の違いを知ってトレーニングに活かす

ピンク筋や白筋・赤筋の違いを知ってトレーニングに活かす

 

ご訪問ありがとうございます。筋肉好きのまねき猫です。

今話題のピンク筋と、白筋や赤筋の特徴を整理してみました。

筋線維の違いによって有効なトレーニングも異なります。
それぞれの特徴を理解し、効果的な筋肉増強や脂肪燃焼を図っていきましょう。 

お時間があったらお付き合いください。

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お忙しい方は一部だけでもご覧ください。

目次

 

 

 

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www.my-manekineko.net

 

 

 

 1.白筋、ピンク筋、赤筋の違い

 

まずは、それぞれの筋肉の違いを見ていきましょう。

白筋・ピンク筋・赤筋の違い

白筋

別名 速筋(TypeⅡb)とも言います。


名前の通り、筋の収縮速度が速いので瞬発力のある筋肉です。しかも、筋線維が太いので大きな力も出せます。反面、解糖系代謝を主に行うため、持久力がありません。

「解糖系って何」といった「?」は後の項でご説明します。


筋肉の色が白いのは、ミオグロビンという赤い色をした酸素を運ぶタンパク質が少ないからです。お魚でいうとヒラメのような白身の魚です。

瞬発力の必要なウエイトリフティングや100m短距離走の選手などの筋肉は白筋が多くなります。

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赤筋


別名 遅筋(TypeⅠ)とも言います。


こちらは、有酸素系代謝が出来るので持久力が高いのですが、筋の収縮が遅く、筋線維も細いので力はあまり出せません。


赤い色をしているのはミオグロビンを多く含むためです。また、ATPを生み出すミトコンドリアも多く含んでいます。

持久力の必要なマラソン選手やトライアスロンなどの選手は赤筋が多くなります。

お魚でいうと、回遊するマグロの赤みの筋肉ですね。

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ピンク筋

別名 中間筋(TypeⅡa,x)と言います。


実は、ピンク筋は白筋が筋トレなどをすることで、ミオグロビンやミトコンドリアを持つように変異した筋線維のことです。
そのため、白い色に赤が混じり、ピンク色に見える筋線維です。


ミオグロビンやミトコンドリアが増えて持久力もそこそこ高まり、瞬発力や大きな力もそこそこ出せるというオールマイティーな筋肉といえます。


ちなみに、赤筋からピンク筋になったり、ピンク筋が赤筋になることはありません。
あくまで、白筋とピンク筋の間での移行になります。

お魚でいうと天然のブリの切り身が分かりやすいでしょう。養殖物は、白身がかっていますが、天然物はピンク色をしています。


運動選手で言うと、ボクシング選手や中距離走の選手に多い筋肉と言えます。

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それぞれの筋線維の移行の様子などをまとめたのがこの図になります。

 

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2.より深く筋肉の構造を知る

 

 筋の違いをより深く理解する上で、筋肉の構造についての知識を深めておきましょう。
白筋、ピンク筋、赤筋は、いずれも筋繊維の種類(Type)を言うのでしたね。


図は代表的な白筋と赤筋で説明しています。
ピンク筋は白筋がトレーニングで移行したものでしたね。

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写真の筋肉は腕の筋肉(上腕二頭筋)いわゆる、力こぶと言われている部分です。


その筋肉(上腕二頭筋)は、骨格筋の集合体です。
骨格筋は、さらに筋周膜で覆われた筋束が集まったものです。
そして筋束も、白筋(やピンク筋)、赤筋という筋線維が集まって出来たものです。


参考までに、それぞれの筋線維の多い筋肉をいくつかご紹介します。

白筋の多い部分


上腕三頭筋(腕の振り袖部分)
 白筋67.5% 赤筋32.5%
・大腿直筋(ふともも前側の筋肉)
 白筋61.9% 赤筋38.1%
・大胸筋(胸の筋肉)
 白筋57.3% 赤筋42.3%

大きな力を出す筋肉に白筋が多くなっていますね。

赤筋の多い部分


・ヒラメ筋(ふくらはぎの奥の筋肉)
 白筋12.3% 赤筋87.7%
大腿二頭筋(ふともも前側の筋肉)
 白筋33.1% 赤筋66.9%
三角筋(肩の付け根の筋肉)
 白筋42.9% 赤筋57.1%

ヒラメというと白筋の代表選手なのに、赤い筋線維が多いのは面白いですね。
筋肉の形から命名されたようです。ヒラメの様に平たい筋肉です。
この筋肉は、立った姿勢を維持するために主に利用されるため持久力の高い赤筋が多くなっています。

各筋肉の場所は、以下の筋肉の図を参照ください。

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プロが教える 筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典

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筋収縮のしくみ


もう一つ筋線維を、筋肉の収縮の仕組みから理解しておきましょう。


筋肉の収縮は、脳からの指令が神経から筋肉に伝わって行われているのはご承知の通りです。(収縮すると意識する、しない、に関わらずですね)


収縮は、信号が筋小胞体を通して伝わり、細胞内のカルシウムイオンが出て行くときに行われます。つまり、カルシウムのイオンの放出が収縮のスイッチになっています。


そして、そのスイッチが入ると、筋原線維のアクチンフィラメントとミオシンフィラメントが、ATPのエネルギーを利用してスライドすることで収縮します。


筋肉が緩む時は、逆にカルシウムイオンが取り込まれ、再度ATPをエネルギーにして元の位置に戻ります。

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 ここで出てきたATPなどについては、次でご説明します。

 

3.筋肉のエネルギー源

 

 ATPとは、アデノシン三リン酸の略で、人間の活動に不可欠なエネルギーの元となるものです。筋肉だけでなく脳などの活動にも利用されています。


ATPは、主に細胞内にあるミトコンドリア内で作られています。

筋肉のエネルギー源


ブドウ糖一分子が、酸素(O2)6つと反応して、水(H2O)と二酸化炭素(CO2)に分解されるときに、32個のATPを生成し筋肉などのエネルギーとして利用されます。


このミトコンドリアは、赤筋に多く含まれています。
この為、赤筋は酸素を利用し長時間の運動ができます。
こうした酸素を利用してATPを生み出すことを有酸素系と言います。

 

白筋は、活動開始時は、体内のATPを利用して瞬発的な力を発揮します。しかし、すぐにATPが無くなってしまうので、体内の備蓄エネルギーであるクレアチンリン酸を使ってATPを生成します。この活動は無酸素で出来ます。
とはいえ、細胞内のATPやクレアチンリン酸は限られているので時間にして約10秒ほどで切れてしまいます。


そうすると、細胞内では、ぶどう糖からできるピルビン酸を分解してATPを生成します。これを解糖系と言い、時間にして約30秒くらいの活動が可能になります。
この活動も無酸素で可能です。

普通、息を止めていられるのが30秒程度な理由もこんな点からわかりますね。
なお、脾臓は酸素の供給源でもあります。この臓器が大きい人はもっと長く息が止められます。

 

さらに運動が続くと、先ほど書いたようにブドウ糖を酸素で燃焼させる有酸素系からATPが生成していくことになります。
この有酸素系は酸素とブドウ糖さえあれば運動を継続することができます。

ただ、この有酸素系で生み出せるATPは量が限られているので高負荷の運動をすると、あっという間にエネルギー切れになってしまいます。

よくマラソン選手が途中棄権するのは、ATP生成と負荷の微妙なバランスを崩すことが1つの原因といえます。

 

こうした運動継続時間によって、どの供給エネルギーを利用しているかとそのエネルギー供給量をまとめたのが下の図になります。

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利用する筋肉との関係も想像がしやすいのではないでしょうか?


参考:科学的トレーニング情報No.10より

科学的トレーニング推進事業の内容にあるスポーツ医

 

 

4.筋肉ごとの効果的なトレーニング方法

 

ここまで見てきた筋肉の構造やエネルギー供給の仕組みから効果的なトレーニングを考えることができます。 

 

赤筋の鍛え方

 

持久力を必要とするマラソン選手などは、この筋肉を鍛える必要があるのですね。
レーニングすることで、ミトコンドリアやミオグロビンを多く含む筋に変えていくことを目指します。
(ちなみに、赤筋は太くならないようです。マラソン選手を見ていると納得です)

 

そのため有酸素系の運動が中心となります。
低負荷で長い時間の運動のことですね。

私たちのような普通の人なら、
ウォーキングやバイクを漕ぐ、あるいはゆっくりとした水泳をするなどです。
マシントレーニングでも、負荷40~50%程度で20~30回以上の反復の筋トレが良いとされています。

ちなみに長時間の運動を支えるため、栄養補給は糖類が中心になります。

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ピンク筋の鍛え方


ピンク筋は、白筋がトレーニングで変異したものでしたね。
白筋と赤筋の両方の特性を持つことから分かるように、やや負荷の高い運動を数分サイクルでトレーニングすることが有効です。

たとえば、800m走とか200m水泳などになります。
また、筋トレ系を含むエアロビクスやエアボクシングなども有効とのこと。


そして、TVで紹介されたようにスクワットをゆっくり行うのもいいですね。
スクワットは、下半身の大きな白筋(例 大腿直筋)をピンク筋に変異させるのに効果的です。

マシントレーニングは、負荷60~70%で15回くらいの反復筋トレになります。

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白筋の鍛え方


白筋は、瞬発力とパワーが出せる筋でしたね。
高い負荷で短時間の運動で鍛えていきます。

負荷80%以上で5~10回くらいの反復トレーニングになります。

白筋は、超回復というトレーニングと休息を上手に取ることで筋肥大が可能です。

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白筋のトレーニングをして白筋を増やしたら、中程度の負荷でピンク筋を増やしていくと筋増強と持久力の向上に役立ちます。

筋が太くなるのにタンパク質が必要なので、こちらは肉や卵と言った筋肉の元となるアミノ酸を多く摂取する必要があります。

糖質は、ピンク筋を鍛える運動で、必要になるのでほどほどに取ることになります。

 

5.まとめ

 ・白筋 別名 速筋(TypeⅡb)
 収縮速度が速く瞬発力がある筋肉
 筋線維が太いので大きな力も出せる
 持久力が無い

・赤筋 別名 遅筋(TypeⅠ)
 持久力がある
 筋の収縮が遅く、筋線維も細い
 力はあまり出せない
 赤い色をしているのはミオグロビンを多く含むため

・ピンク筋 別名 中間筋(TypeⅡa)
 ピンク筋は白筋が筋トレをして変異した筋肉のこと
 ミオグロビンが増え、ピンク色になった筋肉
 持久力もそこそこあり、瞬発力や大きな力もそこそこ出せる

 

それぞれの筋線維の特徴に沿って筋トレを進めることが有効でした。

 

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