問題解決のコツ
問題解決が上手く進まないと思う時はありませんか?そんな時は、問題発生の背景が捉え切れていないかもしれません。そうした時の参考になりそうなポイントを書いてみました。
お時間があったらお付き合いください。
こんな記事も書いています。
1.問題の定義
始めに、問題の定義を確認しておきましょう。
問題とは、
「あるべき姿」と「現状」
のギャップ(差)
をいいます。
①あるべき姿は、将来の姿や計画などです。
②現状は、いまの状態を①のあるべき姿と対比して描いた事実です。
③ギャップは、①あるべき姿と②現状の差から問題を定義します。
具体的な例で見てみましょう。
このブログではおなじみの
「売上が1.9億円未達」
という問題の例です。
以下のような構造になります。
このギャップから、問題は定義できました。
そしてこの問題は、活動のある時点の結果を表しています。
そうこの時点では、問題の事実しか捉えていません。
問題(ギャップ)は分かっても、これだけでは問題の解決には進めないことが多いのです。上手く進まないときは、問題が発生した原因を深掘りする必要かあり、問題発生の背景を探ることになります。
2.問題発生の背景
問題発生の背景は、以下の要素から考えるのが良いと言われています。
問題発生の背景要素は、
①活動の根拠
②活動の事実
③制約条件
④想定外の事象
の4つになります。
こうした要素から原因を深掘りしていきます。
さきほどの「売上が1.9億円未達」を例に具体的な深め方を見てみましょう。
始めに、
①の活動の根拠となる年初の予算(計画)と
②の活動の事実となる10月における販売実績(の見込み)
の数字をご覧ください。
右下の結果から、売上が1.9億円未達と問題を抽出したのですね。
さらに、その詳細数値がこちらです。
A社への販売数量が予算は300千個なのに対し、実績見込みが200千個しかありません。
一方、販売価格は、予算2000円に対し、2025円とほぼ期待通りでした。
これらの情報から問題発生の背景を要素で展開してみましょう。
ロジックツリーを用いて書いてみたのが以下になります。
なお、売上は、販売数×価格×期間とMECEで展開できることを利用しています。
活動の根拠となるのが、
・A社の販売計画の立て方は適切だったのか?
・進捗管理のルールに問題はなかったのか?
の2点です。
計画や運営のルールに関することが問題の背景として浮かびました。
活動の事実から浮かぶ問題点は、
・B社に拡販の余地はなかったのか?
・B社への価格をさらに下げたらもっと売れたのか?
です。
制約条件は、
A社への価格をさらに下げたらもっと売れたのか?
です。
販売価格に関わるルールの問題の背景を確認することになります。
想定外の事象では、
・A社への価格対応は適切に行えたのか?
A社からの値引き交渉が想定以上に厳しかった状況を予測できなかったかを振り返る要素が出てきました。
こうした問題発生の要素は、いずれも仮説と呼ばれる原因を深めるための問いです。
この中から優先順位をつけ、分析を深めたら問題解決のプランを立て活動に進みます。
この「売上が1.9億円未達」は以下の記事でも書いています。
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3.トゥールミンモデルと氷山モデル
こうした、4つの要素が、どうして問題発生の要素となるのでしょうか?
この点は論理的な話を構成するモデルであるトゥールミンモデルが参考になります。
物事を論理的に考察していく構造は、これらの要素から成っていると考えらています。
詳しく知りたいかたは、以下の記事を参照してください。
さて、
「活動の根拠」や「活動の事実」、「制約条件」、「想定外の事象」は、すべてが既知な情報ばかりではありません。
未確認の情報や不完全な情報となっている部分があります。
こうした見えていない部分の問題を、氷山モデルから理解できます。
氷山モデルの概要は以下になります。
見えている部分は、
仕組みやルール、組織構造、計画・戦略などです。
一方、見えていない部分は、
組織が持つ技術や能力、人の属性(特徴など)、文化・風土、共通の価値観などになります。
氷山モデルの説明は長くなりそうなので、
より理解を深めたい方は、以下をご覧ください。
4.まとめ
問題解決が上手く進まないと思う時
・問題発生の背景を振り返ってみる。
・背景の調査は、以下のステップを踏む
①背景となる4つの要素の情報を集める
②収集できた要素を図(系統図)に書く
③4つの要素から仮説となる問いを立てる
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