食事と運動は目的ごとに最適なタイミングがある
ご訪問ありがとうございます。
最近、筋肉女子や腹筋割れを目指す人が増えていますね。トレーニングの記事をよく見かけます。
ところで、減量時と、筋トレの時では、食事のタイミングが違うのはご存じですか?
運動と食事の関係に気を配るとダイエットや筋トレの効果が上がります。
なかなか減量できない、筋肉がつかないとお悩みの方は、ぜひお立ち寄りください。
作成2019年09月30日 更新2021年02月13日
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減量時と筋トレに最適な食事のタイミングは?
私たちの身体は、新陳代謝による細胞分解と細胞合成を繰り返して、身体の組織をいつもフレッシュに保っています。
たとえば、指を切っても時間がたてば傷が修復されて元通りになるのも新陳代謝のおかげです。
この新陳代謝と栄養の吸収のメカニズムを知ることで、ダイエットや筋トレの成果を左右します。
専門的には、異化(分解)と、同化(合成)をコントロールすることが有効ということ
出典:写真AC フリー素材より
運動している時は異化が優勢で、脂肪を糖に分解し身体を動かすエネルギーとして利用しています。
一方、運動後に休息して食事をしている時は、同化が優勢になります。
食事で摂った栄養素は筋肉の修復に使われたり、消費した脂肪の補給に使われます。
ところが、筋肉をつけたい人が、空腹時に負荷の高い運動をするとエネルギー不足から、筋肉を分解してブドウ糖を作りエネルギーとして補給するというメカニズムが強力に働きます。
つまり、空腹時に運動すると筋肉を弱める事になります。
一方、食事後に運動すると、せっかくの脂肪燃焼の機会を逃します。
食事から吸収した栄養素が先に消費され、ダイエットの効果が出にくくなります。
このように食事と運動の関係には目的ごとに最適なタイミングがあります。
筋トレなら、必須タンパク質を摂取した30分後くらいに負荷の高い運動をすると効果的です。
食事から取ったタンパク質はエネルギーとして利用され、筋肉からの無意味なタンパク質供給が減り、筋肉を弱める働きを少なくできます。
一方、ダイエットなら食事前の空腹時に負荷の軽い運動を長くすると脂肪がほどよく燃焼して減量に効果的ということになります。
筋トレやダイエットをする時は、筋肉や栄養摂取のメカニズムを把握しておくと運動の効果を高めやすくなります。
筋肉が太くなったり細る仕組み
筋肉の構造
まず筋肉の構造についておさらいしましょう。
下の写真は、腕の筋肉(上腕二頭筋)です。
その筋肉(上腕二頭筋)は、骨格筋の集まりです。
骨格筋は、さらに筋周膜で覆われた筋束が集まったものです。
そして筋束は、白筋や赤筋という筋線維から出来ています。
筋肉をつけるというのは、この筋繊維を太くすることを言います。
超回復
この筋繊維を太くするには、強い負荷をかけて筋繊維を傷つけて、修復する時に前よりも太くなる超回復という性質を利用します。
とはいえ、1回や2回ではいきなり太くならないので、週2から3回のペースで定期的に行って数ヶ月の時間をかけて太く強くしていくことになります。
負荷の高い運動で筋肉が傷つくと、運動後に筋肉痛が出ます。
これは傷ついた筋肉細胞が免疫細胞によって整地されるからです。
この整地時に痛みの元となるヒスタミンが生成され、炎症から筋肉痛が出ます。
筋繊維の傷が深いと炎症も激しくなり、痛みによっては次の運動が出来なくなります。なので、筋肉に無意味に傷をつけないことが大切です。
どういう時に無意味な傷がつくのでしょうか?
実は、空腹時に負荷の高い運動をすると、エネルギー不足から、筋肉を分解してアミノ酸からブドウ糖を作りエネルギーをまかなおうとします。
この時に筋肉が細るのですが、筋トレしているのに筋肉を細らせるのは無意味という訳です。
筋肉へのエネルギー源
こうした現象が起きることを、筋肉へのエネルギー供給から見てみます。
運動に要するエネルギーは、時間と共に3段階で供給源が変わっていきます。
そして、図のように運動時間と共に供給できるエネルギーの量が少なくなっていきます。
高負荷の運動が長く続かないのかこの為です。
一方、ランニングなどの軽い運動は、3段階目の有酸素系を主に利用しているので長く続けることが出来ることになります。
さて、
運動の開始時は、筋肉内にあるATPなどを利用して高負荷の運動を可能にします。
これをATP+クレアチンリン酸系と言います。
注:ATP アデノシン三リン酸の略 人間の体を活動させるエネルギーの元
しかし、このエネルギー供給はパワーは出せますが、10秒程度で終わってしまいます。たとえば、100m走は、この瞬間のハイパワーを利用した勝負ということです。
次に、肝臓などから供給されるグリコーゲンを利用したATPが運動に利用されます。
これを解糖系と言います。(約1分くらい)
無酸素、つまり呼吸をしないでもエネルギーが出せる供給源です。
たとえば、ベンチプレスで自分が上げられる最大の重さの80%程度の重量を10回上げる運動を高負荷と言います。
こうした運動を続けると、この解糖系だけのエネルギーでは不足します。
そこで、アミノ酸を利用した糖新生でエネルギーを補給しようとします。
このアミノ酸は筋肉を分解して供給することになります。
筋肉が分解されたら再合成が必要なので、傷と同じことになります。
筋トレで、筋肉を細らすという実にもったいない話しになります。
これが空腹時の筋肉が細る理由です。
なので、空腹時には高い負荷運動は禁物です。
食事が消化されて血中に栄養素が回るまで30分程度かかるので食後少し間をおいてから運動を始めるのが効果的です。
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空腹時に運動すると脂肪が燃焼する仕組み
基本的なことですが、運動して体脂肪が減るのは、
「摂取エネルギー」より「消費エネルギー」が多くなることで、その差を埋めようと脂肪を分解してエネルギーとして利用されるからです。
人間の身体も、こうした熱力学の第一法則(エネルギー保存の法則)通りに働いているのですね。
①摂取エネルギー<消費エネルギー
→体脂肪減少→ダイエット
②摂取エネルギー>消費エネルギー
→体脂肪増加→肥満
摂取エネルギーの代表的なものが炭水化物です。
ご飯や麺類に多く含まれているヤツですね。
食事で炭水化物を摂ると、体内で分解吸収されてブドウ糖(グルコース)となり血中の血糖値が上昇します。このブドウ糖が筋肉や脳の活動エネルギーとなります。
ちなみに、この活動は、細胞内のミトコンドリアが担っています。
有酸素系のエネルギー供給源(3段階目)として、ブドウ糖をミトコンドリアが分解して、ATPを生成して筋肉のエネルギーとして利用しています。
しかし、その働きはそう簡単ではありません。
ブドウ糖は単独ではエネルギーになりません。
すい臓から分泌される「インスリン」というホルモンの働きかけによって細胞の中へ取り込まれ、初めてエネルギーとして利用したり、貯蔵したり出来るのです。
インスリンは食事によって上昇した血糖に応じて、すい臓から分泌され、肝臓へと運ばれてブドウ糖を細胞の中へ取り込む働きをしています。
このインスリンは唯一の同化ホルモンで、これが大量に出ている間は細胞内のグリコーゲンや中性脂肪、タンパク質の分解が抑制されます。
つまり、こうしたときに運動しても減量の効果は出にくいのです。
減量をするなら、筋肉への負荷は最低限にしつつ異化優性の状態、つまり空腹状態を出来るだけ長く続けることで、脂肪を燃焼させるのがもっとも効果的な方法と言えます。
ただし、先程説明したよう負荷を高めないように気をつけましょう。筋肉がエネルギーとして使われて細らないようにしたいものです。
筋肉痛を減らし筋肉を増やすBCAA
さきほど、筋肉に負荷をかけると筋肉痛になるとお話しました。
こうした筋肉痛には、運動前にBCAAを取っておくとが有効です。また、筋肉を増やす効果もあります。
BCAAは、運動している人なら聞いたことのある成分ですね。
注:BCAA(Branched-Chain-Amino Acid)分岐鎖アミノ酸の略
人が必要とするアミノ酸は20種類と言われていますが、必須アミノ酸という自分では合成できず、食事から摂取する必要のあるものが9種類あります。
この9種類のうちR基に枝分かれがある3つ、バリン、ロイシン、イソロイシンをBCAAと呼んでいます。
普通のアミノ酸は肝臓で代謝されますが、BCAAは筋肉で代謝されます。
筋タンパクの主成分で、筋肉がエネルギー源としても使えるタンパク質です。
運動の30分前に摂取すると、血中を回り、筋肉に取り込まれます。そして、運動中の筋肉のエネルギー源として使われ、その分、不要な自身の筋肉分解を少なくすることができます。これにより、間接的に筋肉を守ることができます。
また、BCAAの中のロイシンは、インスリンの分泌を促す作用があります。先程、説明したように筋肉の分解を抑える働きがあるのですね。
ロイシンの代謝産物であるHMBには、同化(筋肉合成)を促進し、炎症を抑える作用もあります。
サプリメントで摂取する場合取り過ぎを心配する必要がありますが、このBCAAは、運動中に使い切れずに残ったとしても筋修復の材料として使われるので心配しなくて大丈夫です。
筋トレの刺激は48時間ほど続くので、タンパク質の補給もこの間定期的に行っておくと有効です。
まとめ
食事と運動は目的ごとに最適なタイミングがある
空腹時に運動すると筋肉を弱める
食事後に運動すると、脂肪燃焼の機会を逃す
筋トレはタンパク質を取った30分後に高負荷運動が効果的
ダイエットは空腹時に軽負荷の運動を長くすると効果的
筋繊維を太くするには、超回復という性質を利用する
運動前にBCAAを取ると筋肉を減らさず増やす効果も
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