OJT計画のフォーマット付きで簡単に作成できます。
ご訪問ありがとうございます。
4月といえば、新入社員が入社してくる季節。そして、職場では受け入れ育成担当が選ばれる時期。指名されたあなたが、上司から「やるねー」と言われたり、新人に尊敬されるOJT計画の作り方を「さくー」とお伝えします。
アンダーラインのある文字をクリックすると目的の記事までジャンプします。
育成担当を任されたあなた。
「育成担当?、やること知らないしー」
とか
「面倒くさいこと任されちゃったな(^_^;」
なんて思っていませんか?
育成担当は、スマートに、しかも、きっちり成果を出すことで、
出来る人材として新人にも一目置かれ、上司の評価も急上昇。
しかも、あなた自身の成長にもつながるという一石三鳥のおいしい役割です。
ぜひ、効率的かつ効果的に新人の育成をやっていきましょう。
そのためには、職場のニーズに合った教育を、新人の個性に寄り添った具体的な教育計画が必要です。
もちろん、育成そのものも大切ですが、まずは、しっかりと計画作りを行って良いスタートを切りましょう。
作成 2018年4月6日 更新 2019年5月11日
事例を増やして改めて書いた記事がこちらです。良かったら合わせて読んでください。
1.OJTの基礎
(知っている人は読み飛ばしてください)
OJTとは
OJTとは、(On-the-Job Training)の略称で、職場の知識やスキルを仕事を通して計画的に身につける教育のことをいいます。
教育には、他に職場を離れて行う研修のOff-JT(Off the Job Training)と、SD(Self Development)と呼ばれる自分自身で学ぶ自己啓発があります。
ですので、OJTは「仕事をしながら職場固有の知識やノウハウを先輩などに仕事を教えてもらう」ことになります。
「なんだ、簡単じゃん」と思ったあなた、でも、実際にやってみると難しいんですよ。
なにしろ、あなたは自分の仕事をしながら新人を教育することになります。ただでさえ忙しい中で、きちんとOJTを行って成果を出すには、それなりのコツやツボを押さえておく必要があります。
OJTのメリットとデメリット
OJTには、メリットもありますが、デメリットもあります。それを、知っておくことで取り組みのヒントになります。
メリット
実務に密着した教育ができて効率的
新人とあなたの間の信頼関係UP
マンツーマン教育なので効果が高い
あなたにとっても成長の機会となる
デメリット
あなたの時間を結構取られる
計画の立案に手間がかかる
教え方が合わないと成果が出ない
五月雨式に行うので体系的ではない
メリットの中で特に、新人との信頼関係構築は生涯のあなたの資産になります。
私も教えてもらった先輩にいまだに頭が上がりません。言いなり状態です(^_^;
これってすごくありませんか?
デメリットでもっともきついのは、時間を取られることです。また、計画の出来が成果に影響して場合によってへこみます。
この後にお知らせする「具体的な進め方」を利用してリスクを最小限に抑えていきましょう。
OJTの進め方
OJT活動も、基本はPDCAサイクルを回して改善を図ることになります。
PDCAサイクルは、職場でよく使われる言葉なのでご存じかと思います。
仕事の計画を立て、それを実行し、その成果を評価して、次の計画に反映していく一連の活動のサイクルをいいます。ラセン状に向上を計っていく善循環サイクルを描く活動とも呼ばれます。
OJTにおいても、新人を指導・育成する上では、OJT計画の立案(Plan)、立案した計画に沿って活動を実行(Do)し、その活動成果を評価するという流れで進んでいきます。
今回は、そのOJT計画の立案に焦点を当てて詳細を説明していきます。
2.OJT計画の具体的な立て方
OJTを効率的かつ効果的に行うためには、計画作りがとても重要です。
しかし、デメリットにあったように計画作りは手間がかかります。
また、うまく出来きず成果がでないとへこみます。
勘所を押さえて要領よく素早く完成させましょう。
計画は、大きくは
「共有する課題の設定」
「共有する目標の設定」
「スケジュール化」
の3つに分かれます。
また、それぞれは、
「目指す姿のゴールを設定」
「現状の能力レベル把握」
「課題目標の設定」
「目標テーマの設定」
「達成基準の設定」
「達成手段の設定」
「達成期限の設定」
「課題達成手段の具体化」
「スケジュール立案」
に分解できます。
ロジック・ツリー状に書くと以下のようになります。
あれ、ここまで読んで、もうめげていませんか?
「なんだ、結局手間がかかるんじゃん」なんて思い始めたあなた。
育成担当は逃げられません。
「さくー」とやるコツは、ムダな動作を減らすことです。
最小の手間で最大の効果を出すことが大切です。
もう少しおつきあいください。
それぞれの手順を見ていきますよ。
共有する課題の設定
はじめに、「目指す姿」のゴールを上司に確認します。
「たのむよ」「任せる」と、曖昧にすませる上司もいます。
「どんな知識やスキルが」「どんなレベルに」「いつまでに」したいかをしっかりと聞き取りましょう。
あなたから、ゴールを提案してもかまいません。
その分、ポイントアップになりますね。
そして、それを計画表に「目指す姿」として書いておきます。
次に、新人と話しをして、目指す姿と対比しやすいような表現で現状能力を確認します。
対比しやすい表現とは、「100点取った」なら「0点だった」というように同じディメンジョン(単位・次元)で書くことをいいます。
OJTの例で示すと。
目指す姿が「1人で操作できる」なら、現状は「操作したことがない」
または、
目指す姿が「1人で成約できるレベル」とすると、現状は「大学で研究したレベル」
といった具合になります。
引き算ができる表現にすることで、ギャップが抽出しやくなります。
そのため、育成担当になったら、何はさておき情報収集を始めましょう。
上司や新人に時間を作ってもらい話し合いの場で、計画の前提となる「目指す姿」と「現状」を聞き出します。
また、できれば、新人から会社が何を教育する予定があることを確認したり、
上司に使ってよい職場の資源を確認しておくとさらに計画作りが楽になります。
課題は、「目指す姿」と現状の能力のギャップを抽出し、そのギャップを埋めるために取り組むことが課題となります。
いくつかの例を書いてみました。参考になるとうれしいです。
共有する目標の設定
課題が設定できたら、目指す姿を参考にして、目標を作ります。
目標は、「目標テーマ」、「達成基準」、「達成手段」、「達成期限」を明らかにすることです。
たとえば、先ほどの事例の「設計」で確認してみましょう。
育成課題は3つ挙げています。
・設計フローの習得
・シミュレータ操作の理解
・設計に必要な手続き習得
その中の「設計フローの習得」を目標化してみます。
目標テーマ
ISOに沿った設計フローの習得
達成基準
基本的なイベントで申請と承認までの作業が1人でできるようになる
達成手段
①ISO委員からの教育(を受ける)
②設計補助として実務の経験を積む
達成期限
①は2018年5月14日
②は2018年8月31日
としました。
目標テーマ3つはこんな感じでまとめてみました。
目標化は、育成担当者とOJTを受ける人が共通のゴールを認識できるよう具体的に書きます。よく言われる5W1Hを意識して書いてみましょう。
スケジュール化
ここまで、内容を展開したら、あとはそれをスケジュールとして見える化します。
一般的にはガントチャートという手法を用います。
ガントチャートは、仕事の始まりから終わりまでのタスク(仕事のかたまり)のつながりを「線のつながり」として表したスケジュール可視化の手法の1つです。
実際の事例を見てみましょう。
さきほどの目標化で書いた「達成手段」が一番左の覧に入ります。
右側の予定を各部分では、まず達成期限を書き込んでから、スタート時期を前提条件から決めていくと目標と整合性のとれたスケジュールになります。
必要に応じて達成手段を追記しておくと分かりやすくなります。
また、計画を作る時点で日程が曖昧な部分は、点線で見込みとして書いておきます。
もし、スケジュールに収まらないときは、目標とスケジュールに矛盾があるので目標に戻って全体の調整を行います。うまく納まったらスケジュールの完成です。
以上で、各検討が終了しました。
A4ヨコに一枚で書き表した事例をおみせします。
まねき猫式、OJT計画書です。
一枚にまとめておくことがポイントです。
完成した計画書は、OJTを受ける人に確認し内容の合意を得ておきます。
こうすることで、OJTを受けるメンバーが主体的に取り組んでくれるようになります。
そして、上司に提出してOKをいただいたら、計画書の作成段階は終了となります。
さっそく、実行(Do)に入りましょう。
スポンサーリンク
3.自分の受けたOJTからヒントを得る
あなたが新人の時にどんなOJTを受けたかを思い出してみましょう。
(あるいは、昨年の新人にどんな風だったか話しを聴いてみましょう。)
その上で、以下の4つのどこに当てはまるかを考えてみてください。
横軸 新人時にOJTを
→受けた/受けていない
縦軸 この1年で自分は成長
→した /したか疑問
自分の経験も、今回の育成に役立ててください。(長くなるので解説省略です(^_^;)
4.まとめ
・OJTとは、職場の知識やスキルを仕事を通して計画的に身につける訓練のこと
・OJTのメリットとデメリットを知る
・OJTの進め方は、PDCAサイクルを回す
・計画化は、
「共有する課題の設定」
「共有する目標の設定」
「スケジュール化」
・自分の経験も今回のOJTに活かす
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
こんな記事も書いています。
コメントやブコメをいただけると励みになります。
よろしくお願いいたします。
以上です。
こちらからトップに戻ります。
終わり