ご訪問ありがとうございます。
OJT担当を任されたけれど、実践でお悩みの方も多いですね。受け手のメンバーが「やる気」が見られなくてお困りではありませんか?
大丈夫。
任された相手の、やる気が高い方がマレです。
そんな相手をOJTでやる気にさせるポイントを3回に分けてお伝えします。
今回は、その1「指導する相手を知る」です。
チェックシート例とフォーマットもついています。
良かったらお付き合いください。
その2は、やる気を高める方法-コーチング
その3は、やる気を高める方法-ティーチング
を予定しています。
作成:2020年1月13日 加筆修正:2020年6月13日
OJT計画書の作り方は、こちらからどうぞ
1.メンバーを知るための分析シート
メンバーを知る為にチェックシートを記入しながらポイントを確認してみましょう。
まずは、書き込んだチェックシートをご覧ください。
「細かくて面倒くさそう」
という声が聞こえてきそうです( ^o^)
大丈夫
作成はシンプル 3ステップ
記事を読めば、簡単に書き込めます。
ステップ1
:あなたとメンバーの学習スタイルを確認する
ステップ2
:3つの視点でメンバーのやる気や能力を把握する
ステップ3
:メンバーの成熟度を判定し指導の進め方を考える
です。
指導している時に頭の中で考えている事柄を、
シートに沿って書き出して「見える化」するチェックシートになっています。
文末に記入のフォーマットもあります。
コピーして、パワポに貼り付け文字を入れれば簡単に作成できます。
では、
作成の手順と書き方を確認していきましょう。
2.メンバーの学習スタイルを知って活かす
教える側も、学ぶ側も、自分が得意とする学び方があります。
利き手があるように、学び方にも人それぞれの学習スタイルがあります。
それを活かすことで学ぶ効果や効率を高めてみましょう。
大切なことは、教えるあなたは、自分の学習スタイルを学ぶ側に強要しないことです。
たとえば、
熱血営業マンの行動派タイプの先輩が、
思慮派タイプの新人君を指導し失敗した例があります。
熱血営業マンの先輩は、訪問先でもっと熱く話せと新人君を指導します。
しかし、タイプの正反対の思慮派タイプの新人君には出来るはずがありません。
先輩の想いが高まるほどに、そのメンバーは指導に耐えきれず会社を止めてしまった。
という話しです。
OJTの指導では、教える側は、受け手(メンバー)の状況に応じて4つの指導スタイルを使い分けることが重要です。
4つの学習スタイルを見てみましょう。
学習スタイルは、2軸から4つに分けられます。
自信派タイプ:自立的で理論的
感覚派タイプ:自立的だが、イメージ的
思慮派タイプ:集団的で、理論的
経験派タイプ:集団的だが、イメージ的
縦の軸の、
論理的とは、
まずは頭で考えることが先行する人です。
学ぶ上でマニュアルや取説をまず確認したい人。
イメージ的とは、
学ぶ時に、まずは行動が先行する人です。
新しいものは、さわったり動かしてみる人です。
横の軸の
自立的とは、
一人でやることが好きな人です。
一方、
集団的な人は、
みんなでワイワイやったり、誰かと一緒に行動することを好む人です。
では、
指導側(あなた)やメンバーの学習スタイルをシートから読み取ってみましょう。
まずは、指導側(あなた)の学習スタイルを判定した例です。
自分の行動でよく出ている項目にレ点をつけます。
この例の方は、感覚派タイプになるようです。
もちろん、人はそんなに4つのタイプで分けられるほど簡単ではありません。
相手や場面の違いでも出てくるタイプは変化し、それ以外のタイプも想定されます。
OJTで実践していくうえでは、自分の行動傾向を知ることが目的なのでそうした見方に利用していきます。
次に、メンバーの学習スタイルを判定した例です。
こちらは、どのタイプか微妙ですね。
思慮派タイプがレ点が一番多いですが、経験派タイプの行動特性も出ています。
一番多い思慮派タイプと判定します。
そうした点を考慮して指導の注意点を整理していきます。
その例がこちら
ステップ1は以上です。
次は、ステップ2をやってみましょう。
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3.3つの視点から「やる気」の元を探る
メンバーがどんな点に「やる気」を感じるかを
知っておくことはとても重要です。
その方法に3つの視点があります。
3つの視点とは、
「やりたいこと(Will)」
「やれること(Can)」
「やるべきこと(Must)」
の3つの円の様子からメンバーのやる気の源を探していく手法です。
人材育成における内発的動機付けに活用されています。
この手法は、マネジメントで有名なドラッカーさんが考えた方法なので有名ですね。
やりたいこと(Will)
メンバーが実現したい夢や、やりたい仕事、人生における価値観などです。
多くは、メンバーの将来の姿を描くことになります。
「こんな製品を開発したい」
「いずれは独立して起業する」
「マネジメントに早く昇進して、もっと大きい仕事をする」
「早く○○の技術を身につけたい」
などなど……
人それぞれの「やりたいこと」があるはずです。
とはいえ、やりたいことが見えていないという状況もよくあります。
特に、
入社直後に、「こんなはずではなかった…」と仕事に悩んだり
「もう何年も同じ仕事をしているので、これでいいんじゃない?」
と思っていることもあります。
様子もよく観察してみましょう。
やれること(Can)
メンバーの今の能力や経験を振り返ります。
「入社3年で、設計のサブシステムを一人で完成できた」
「フラワーアレンジメントでお客様に褒められた」
「営業で大きな商談をまとめられた」
「こつこつ貯金して1000万円の貯蓄が出来た」
「5つに研究会に5年参加し続けて、人脈が出来た」
など成果から振り返ることもありますし、
「接客が苦手」
「仲間とのコミュニケーションはちょっと…」
といった苦手の部分も把握することになります。
やれることを振り返っていくうちに「やりたいこと」が見えてくることもあります。
やるべきこと(Must)
OJTの受け手が今行っている仕事やこれから行う仕事の内容などを書きます。
場合によっては、制約条件ともなります。
シート上はこんな感じです。
ここでは、3つの視点から読み取れるメンバーの状態について解説しておきます。
読み飛ばしていただいてもかまいません。
3つ視点の円の位置関係から、次の3つの状態に分けられます。
パターン1
やりたいことが見えていない
パターン2
やりたいことをやれているが、能力や知識不足
パターン3
やりたいことがあって能力もあるが、事情でやれていない状態
メンバーの意識と行動を変え「やる気」を高めるヒントがこの外れた円にあります。
メンバーの内発的動機づけにつながるポイントを3つの視点から発見してみましょう。
4.メンバーの成熟度を知る
最後は、メンバーの成熟度を確認し、今後の指導の進め方を考えてみます。
ここまでの分析で、あなたが指導を引き受けることになったメンバーの輪郭がなんとなく見えてきたと思いませんか?
相手を分かった上で、自分の立ち位置を知って、OJTの実践に活かしていきましょう。
彼を知り己を知れば百戦殆うからず
です。
注:孫子の言葉
彼(敵)についても己(味方)についても情勢をしっかり把握していれば、何度戦っても敗れることはない。ことを伝える言葉
メンバーの成熟度を知る
メンバーの仕事の力量を、成熟度という概念で分ける方法があります。
成熟度は、P.ハーシーとK.H.ブランチャードが提唱したSL理論で使われた言葉です。
普段の仕事でも、なんとなく判定していますね。
そうした判定をSL理論を使って、もう少し具体的に行ってみます。
SL理論における成熟度の考え方を以下の通りです。
M1からM4までの4つに分かれます。
M1:
知識・経験が不足していて未成熟なレベル
M2:
仕事の経験値が高まり習熟度が高まり出した意欲も高まり出した段階
M3:
習熟度も高く、能力もあるが意欲が低く仕事への不安も抱えている状態
M4:
仕事の習熟度も高く、意欲も自信も高い状態
貴方が、M4の人を担当することになったらラッキーです。
しかし、OJTを受ける人は、多くが新卒か異動者なのでM1の人。
よくて、M2レベルでしょう。
そのつもりで、OJTを進めていくことになります。
担当したメンバーの成熟度をチェックシートでまとめてみます。
ここまで行った学習スタイルや3つの視点で書いたことを参考にします。
まずは、左の成熟度をM1からM4で判定します。
その上で、指導の進め方を、「能力・知識」と「経験・やる気」から書いてみます。
書き込んだ例がこちらです。
今回の事例の新人君Aさんは、成熟度はM1としました。
「能力・知識」の指導は、思慮派タイプを想定した記述となっています。
「経験・やる気」の部分は、3つの視点を参考にしてまとめています。
なお、
SL理論をベースにしたメンバーの成熟度に応じたOJT指導の進め方は以下の通りです。
書き方で迷った時に参考にしてください。
成熟度に応じた指導の仕方
M1:
指導は指示的な進め方を中心に行う
M2:
指示と支援の両面から働きかけるのが有効
M3:
指示は弱めで支援をしっかり行うのが有効
M3:
指示はせず本人に任せ導く程度の指導が有効
M1やM2のメンバーを放置すると、会社を辞めてしまう可能性が高くなります。
特に、新卒の離職率は、3年で30%というデータがあります。
その原因の多くは、仕事における人間関係が良くないことにあると言われています。
気をつけたいものです。
参照:
新卒の離職率|3年で3割辞めるのは、我慢が足りないせい?|転職Hacks
5.まとめ
メンバーのやる気を高めるポイントをチェックシートを作成しながら、理解を深めていただきました。
作成のステップは3つになります。
ステップ1
:あなたとメンバーの学習スタイルを確認する
ステップ2
:3つの視点からメンバーのやる気や能力を把握する
ステップ3
:メンバーの成熟度を判定し、指導の進め方を考える
人を指導することは、教える側の成長にも役立ちます。
この機会を、貴方のさらなる実力向上につなげていきましょう。
期待しております。
最後に、白紙のチェックシートをつけておきます。
利用方法は、このシートにマーカーを乗せて右クリックでコピー選択します。
あとは、パワポの画面などに貼り付けてください。
この記事を参考にしながら、文字や図を入れれば完成します。
チェックーシート
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こうした記事もOJTに役立ちます。
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