学ぶことに無駄はない
ご訪問ありがとうございます。
計算尺ってご存じですか?
上の写真を見ても若い人はピンと来ないかもしれません。
電卓が普及する1980年前半まで、エンジニアなどに必須の計算ツールでした。
今日は、そんな計算尺のお話から学ぶことのあれこれを書いてみます。
良かったらお付き合いください。
こんな記事も書いています。
1.計算尺とは?
たぶん50代以前の方は、計算尺をご存じないかもしれません。
計算尺は1980年代には、電卓に駆逐された計算ツールの1つです。
簡単にご紹介します。
まずは、現物をご覧ください。
出典:計算尺推進員会 参考:計算尺 - Wikipedia
なぜ計算出来るか興味を持たれた方は、
いいですね(*^O^*)
ぜひ、出典元をググってみてください。
しっかりと書かれています。
(注:URLがhttp:のため、掲載不可でした(^_^;))
目盛が沢山ついていて見た目も、エンジニアが好みそうな外観をしています。
しかも、シンプルな構造なのに、3桁のかけ算や割り算やルート計算などが一瞬に出来る優れものです。
論より証拠。
計算の様子をご覧いただきます。
とはいっても、
私もすでに計算尺を持っていません(^_^;)
そこで、紙で作った計算尺でご説明します。
これがペーパー計算尺です。
先ほどの写真と比べるとやや簡便な作りです。
A4で印刷した紙を切り取って組み立てたものです。
作ってみたい方は、以下のHPにPDFの原紙と作り方が載っています。
出典元さん、ありがとうございました。
作らせていただきました。
お礼も兼ねて紹介させていただきます。
出典元はこちら
URL: 計算尺を作ろう / slide rule paper craft
この計算尺、約30分くらいで作れました( ^o^)
さっそく計算をしてみましょう。
2.5×2=5の計算例です。
「こんな計算なら暗算でできる」
と言われそうです。
たしかに、そうですね。
では、
1.54×2.6はどうでしょう?
これを暗算で出来る人はすばらしい( ^o^)
計算尺で計算するとこんな感じです。
電卓で計算した答えは、
4.004でした。
計算尺の値が4の辺りにあるのがわかりますか?
計算尺は、3桁精度でかけ算も割り算も出来ます。
私は、学生時代にこの計算尺の使い方を学校で習いました。
当時は、計算尺の検定試験で3級以上を取らないと、単位がもらえなかったのです。
試験は、計算実技と、計算理論の筆記の2つ。
当時は必死に勉強しました。
無事に合格した時は嬉しかったですね。
使い方を学んだ後、複雑な電気回路の計算などに利用した覚えがあります。
手計算より遥か早く問題が進みました。
便利な道具があると感心しました。
しかし、計算尺の時代は突然終わりを告げます。
1972年に電卓が登場して、普及と共に計算尺の役割はほぼ終わってしまいました。
1972年 - ヒューレット・パッカード HP-35。 ポケット関数電卓。この年カシオも同社初の関数電卓FX-1を発売(ポケットサイズではないが)。関数電卓により、機械式計算機に続き計算尺も置き換えられてゆくことになる。
私が試験を受けたのが1972年でしたから、その年に電卓が発売され、わずか数年で計算尺とのお付き合いは終わってしまいました。
「すぐに役立つものはすぐに役立たなくなる」
という言葉がありますが、まさに計算尺を使うスキルは言葉通りとなりました。
こうした事例は、日々進化するツールにおいて多くみられる現象です。
計算尺を駆逐した関数電卓も、パソコンの登場で、あっという間に主役を降りることになりました。
簡単な関数計算は、EXCELなどのスプレッドシートで計算する方法に置き換わっていきました。そしてパソコンは、より複雑なシミュレーションもこなす機能が付いて進化していきます。
2.すぐに役立つものはすぐに役立たなくなる
もう少しこうしたツールの事例にお付き合いください。
私が会社に入ってから学んだコンピュータの言語は
・アセンブラー(マシン言語)1970年代
・FORTRAN(科学技術計算用言語)1970年代
・BASIC(PC初期にブームとなった言語)1980年代
・SQL(汎用マシンのデータベース言語)1980年代
・C言語(システムプログラミング言語)1990年代
・Perl(CGIなどに使うスクリプト言語)2000年頃
けっこう色々です。この他にもいくつかあります。
CとFORTRAN言語のプログラム例をお見せします。
プログラム言語は、新たなシステムの開発現場は最新の言語に置き換わっていきます。
プログラミング言語は、構文構造と意味構造で定義された、とても論理的でシンプルな言語です。
そのため、技術進歩や時代の変化に影響されやすいため、新たな言語が次々と生まれてきます。
そして、
古い言語は徐々に使われなくなっていきます。
大人気になったBASIC言語は、その象徴的な存在かもしれません。
最近のプログラム言語の人気ランキングを調べてみました。2019年の調査結果となります。
出典:日経クロステックHPより引用
URL: プログラミング言語 人気ランキング | 日経クロステック(xTECH)
1位は「C言語」でした。「C++」も入ってですが、いまだに健在ですね。
これは嬉しい。
2位の「Python」は、最近流行のAIシステムやデータ分析に利用されている言語です。
機械学習や計算処理などのライブラリーやフレームワークが豊富なので上位に浮上してきました。
時代の流れを象徴する言語です。
FORTRANが、18位で細々利用されています。
稼働中の古いシステムのメンテナンスなどのニーズでしょう。
そうそう、古いシステムのメンテナンスというと
私が読者になっている島猫さんも
自身でレトロエンジニアと名乗り、アセンブラー言語を解析しながら、古いシステムの改修などを生業にしてます。
島猫さん、記事の成り行き状、勝手にご紹介しちゃいます。
すみません。
最近、キャッシュで自宅を新築されました。
素晴らしい。
「すぐに役立つものはすぐに役立たなくなる」
という格言があると先ほど書きました。
たしかに、そうした側面は存在します。
しかし、こうも言えるのではと思っています。
「役に立たない学びはない」
島猫さんのような存在になれるのは、学んだことをしっかりと身につけて基本を応用できるからだと思われます。
知識として中途半端に知るのではなく、使える技術として身につければ、
すべての学びは、きっと役立つはずだと……
最近想うようになりました。
みなさんにも共有できる事例を増やしていきたい。
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3.役に立たない学びは無い
インターネットが普及し、多くの情報が得やすくなりました。
簡単な問題なら、質問をアップしておけば、答えも教えてもらえる時代です。
こうした時代に住む我々は、往々にして深く考えることをしなくなっているように感じています。
興味や関心を持ったことを、自分で調べて、理解した認識を元に、自分なりの考え(仮説)を持って、検証したり、自分の行動に役立てていくことが大切だと感じています。
この想いは以前、読んだ「奇跡の教室」の影響を受けています。
灘高校を東大合格者数日本一を輩出する学校の育てた、伝説の教師「橋本先生」を題材にした本が『奇跡の教室』です。
スピードが大事なんじゃない。すぐ役立つことはすぐ役に立たなくなる。なんでもいいから少しでも興味を持ったことは自分から掘り下げてほしい。そうやって自分で見つけたことは君たちの一生の財産になる
本の中に、
「すぐに役立つものはすぐに役立たなくなる」
とあります。
たぶん、私の思いとは少し違うことを伝えているのだとも想います。
しかし、私には、
「役に立たない学びは無い」
とも読めました。
最初に、計算尺のお話をしました。
計算尺の計算のテクニックはもう利用することはないでしょう。
しかし、計算尺の学びの中で得た実数や対数の知識はいまでも私の貴重な智恵となっています。
ムダかもしれないけど興味あることや、人に良いと勧められた事を学ぶ時間を作ってみること。
そしてその学びに熱中してみること。
と伝えたい。
あなたの人生が豊かなものになることをお祈りしています。
4.まとめ
「すぐに役立つものはすぐに役立たなくなる」
けれど、
「役に立たない学びは無い」
ぜひ、興味を持ったことや人に勧められた事を学んでみましょう。
あなたの人生を豊かにするヒントが得られることでしょう。
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