問題解決
PDCAで回す改善サイクルは、未経験な問題の解決や、考えを共有する必要なケースに役立ちます。これまで4回に渡ってお伝えしてきた改善サイクルの最終回は、PDCAの順に回す問題解決に適しているケースをご紹介します。お困りの方は、ご覧ください。
1.PDCAは役に立たない…(再掲載)
PDCAの改善サイクルについて、「会社が使えというけど…うまく回ったためしがないし、面倒くさい」と、お感じの方が多いようです。
PDCAは、使い方の工夫次第で、効率的、かつ早く問題解決が図れる有効なフレームワークです。しかし、ISOの認証を得るために行う面倒な書類のための活動というイメージをお持ちの方が多いようです。また、計画作りは熱心だが、肝心の行動や振り返り評価が疎かになってしまっている勿体ない事例も散見します。
実は、私も若い頃にQCサークル活動の初期にPDCAに反発をしていた一人でした。まだ何もしていない段階で、とにかく目標や計画を書いて出せという事務局に不信感を持っていました。
「調べもしないで計画なんて、出せるか!やってられね~怒!」といった感じです。
しかし、あるPDCAの研修がきっかけで心変わりしました。もっと自由にサイクルを回していいと知ったからです。それ以降、PDCAサイクルを自分なりに工夫して回すことで結果も出せるようになりました。
改めて、
PDCAとは、以下のマネジメントサイクルを回して改善を重ねていく活動をいいます。
Plan(計画):
実績や将来の予測を基準に、行動計画を立てる。Do(実行):
計画に沿って行動する。Check(検証・評価) :
実行したことを振り返り評価する。Action(改善):
計画に沿っていない点を調べ、改善する
PDCAのステップは概念としてはわかりやすいのですが、具体的に進める段階で迷うことが多いようです。そこで、代表的なPDCAの回し方を、4つ取り上げてみました。順番を決めるキーワードは3つです。
・経験の有無
・解決手順の存在
・情報収集の可能性
フローチャート形式で、あなたに取り組む問題の回し方を確認してみましょう。
今回は、4つのパターンの最後、P-DCAについてご紹介します。
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2.P-DCAの順に回す
P-DCAの順に回すパターンに合った問題解決のケースをご紹介します。
このパターンは、「未経験」だが解決の手順がわかる場合に適用します。
たとえば、知らない町の始めて訪問する企業に商談で出張する時は、その企業の概要を調べたり、行き方を検索したりしますね。(未経験な状態)
商談までのステップは理解しているので、
5W1H(When,Where,Who,What,Why,How)で手順を具体化し、出張目的のゴールを具体的にPlan(計画)してから、Do(実行)に進みます。
成約率の高い営業マンほど、緻密なPlanを立てることが知られています。
こうしたPlan(計画)を立てるスキルの1つに準備力とか段取り力があります。昔の職人は段取り八分などといってその重要性を弟子に伝えていたことはよく知られていますね。準備力について、もう少し詳しく知りたい方はこちらの記事に詳しく書いています。
段取りの大切さがよくわかる本はこちらです。古い本ですが、お勧めです。
また、P-DCAの手順は、組織の事業計画や中期計画などのチームの基本的な計画を立案するケースで多用することになります。こうした計画作りは、チーム内のゴールの共有が狙いです。
計画を議論して作りながら、メンバーの考えが開示され、ゴールの設定について狙いの共有ができていきます。こうしたプロセスを経てメンバー一人一人が自分の役割も認識でき、自発的な行動も期待できます。
また、公的な機関へ補助金などを公募する場合も、事業の計画をきちんと立てないと、採択してもらえないので、こうした時にも、PDCAの順に回すことになります。
PDCAの手順は、チーム活動の初期段階でチームの意識を1つにする効果があります。
他の手順、たとえば、D-CAPは基本的に個人の活動に視点がありますが、PDCAはチーム活動や相手がいる活動に有効だと理解しておくと良いでしょう。
以前、看護師の方から、Planは看護計画で特に重要とコメントをいただきました。
・患者さんと「目標(ゴール)を共有する」こと
・実現可能なこと
・測定可能な具体的な評価基準を設定する
・シナリオには具体性と共有をスムーズにする役割がある
と教えていただきました。
このように看護師と患者さん、営業と商談相手など、ゴールを共有する必要があるときは、ぜひP-DCAの順で回してみましょう。
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3.おわりに
今回は、改善サイクルの基本的な回し方、PDCAの順に有効な問題解決のケースをご紹介しました。この回し方は、未経験な問題で、チーム活動や相手がいる活動に有効だと理解しておくと良いでしょう。
PDCAサイクルを回すことは、仕事や生活の質が昨日より今日、そして明日と徐々に良くなっていくように取り組む善循環サイクルの活動であることが本質です。
現場の問題の種類やあなたの経験度の有無によって、スタートする順序をいろいろ変えることになる点を理解しておくと応用しやすくなります。
PDCAが上手く回らないとお困りの方の参考になれば幸いです。
これまでに書いた改善サイクルの記事です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
こうした記事も書いています。
終わり