問題解決
PDCAサイクルを問題解決に役立てていますか?
「会社が使えというからやっているが…うまく回らないし、面倒くさい」と、お感じの方が多いようです。PDCAは使い方次第です。実は、Do(実行)から始めても良いのです。今回はD-CAPの順で回す方法をご紹介します。経験豊かなあなたや研究開発している方ならご納得いただけると思います。ぜひ、ご覧ください。
1.PDCAは役に立たない…
以前、PDCAについて記事を書いたら、こんな感想を頂きました。
PDCAって順序は変えていいんですね。これは知らなかったです。
ISO=メンドクサイ書類のイメージがどうしてもあります。
表層だけPDCAを取り入れて失敗する会社をいっぱい見ました。
などなど…
PDCAは、使い方の工夫次第で、効率的、かつ早く問題解決が図れる有効なフレームワークです。しかし、品質ISOの認証を得るための、面倒な書類のための活動というイメージをお持ちの方も多いようです。また、計画の完璧さを求める会社が多い為か、計画は作るが、肝心の行動や振り返り評価が疎かになっているケースもよく聞きます。
実は、私も若い頃にQCサークル活動の初期にPDCAに反発をしていた一人でした。まだ何もしていない段階で、とにかく目標や計画を書いて出せという事務局に不信感を持っていました。
「調べもしないで計画なんて、出せるか!やってられね~怒!」といった感じです。
しかし、あるPDCAの研修がきっかけで心変わりしました。もっと自由にサイクルを回していいと知ったからです。それ以降、PDCAサイクルを自分なりに工夫して回すことで結果も出せるようになりました。
改めて、
PDCAとは、以下のマネジメントサイクルを回して改善を重ねていく活動をいいます。
Plan(計画):
実績や将来の予測を基準に、行動計画を立てる。Do(実行):
計画に沿って行動する。Check(検証・評価) :
実行したことを振り返り評価する。Action(改善):
計画に沿っていない点を調べ、改善する
PDCAのステップは概念としてはわかりやすいのですが、具体的に進める段階で迷うことが多いようです。その原因は取り組む問題にあった回し方になっていないためです。そこで、代表的な回し方のパターンを、4つ取り上げてみました。
順番を決めるキーワードは3つです。
・経験の有無
・解決手順の存在
・情報収集の可能性
その状況から、回し方は4つのパターンに分かれます。フローチャート形式に回し方の確認ができるようにまとめてみました。
今回は、その中からD-CAPの順をご紹介します。
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2.D-CAPの順に回す
いきなりDCAPの順の説明からで恐縮です。
(この手順を、私はDキャップと読んでいます。)
実は、仕事でも私生活でもこの順で回すことが多いので、1番に取り上げました。
みなさんは多くのことを経験しているので、その応用が出来る問題への手順は、D-CAPの手順で回すのが効率的です。D-CAPは、「経験済みな問題」への対応となります。
あなたが経験済みの問題で、解決手順も知っていて、かつ直感の働く問題は、D-CAPとDoの実行から始めることが解決のスピードも速く効果的です。
たとえば、こんなシーンです。
寒い日の夜、暖房器具が最高パワーで働いているときに、お風呂から上がって髪を乾かすためにドライヤーをつけたら、突然家中停電した(;゜ロ゜)
経験のある方ならすぐに原因が分かりますね。ドライヤーをつけたことで契約アンペアー以上の電力を使ってしまい、ブレーカーが落ちたことによる停電です。こうした時に、経験者はなぜ停電したのかは考えません。まず、ドライヤーのコンセントを外し、次にスマホのライトをつけ分電盤のある所(対外はお風呂場の近くですが…)に行って、ブレーカーが落ちているのを確認してスイッチをオンにします。そして、暖房器具をオフして、家電の時計を合わせたり、調子を確認してから、再度ドライヤーで髪を乾かす。といった流れで問題を解決していくことでしょう。
こうした生活の場では、自然とD-CAPの順に問題を解決しているものです。
しかし、仕事などの場面では、P(計画)を意識するので違和感を感じてしまうのでしょう。こうしたD-CAPで回していい経験済みの問題は、
たとえば、
・過去に類似の装置トラブルを経験し解決したことがある装置故障。
・以前依頼されたのと同じ仕事の依頼を至急対応することになったシーン。
・料理が得意のあなたの元に急に来訪者が来て何か作ってあげるシーン。
などです。
そうした問題への対応では、実行(Do)が先行します。
こうしたやり方は、高速PDCAを薦める書籍にも書かれています。このD-CAPはもう少し正確に書くと「PD-CAP]となります。スモールなPを直感で立てて、すぐにDoに入る回し方なのです。
さきほどの停電なら、スモールなpは「ブレーカーが落ちた」と直感が働いた状態ですね。
経験豊かなあなたがD-CAPでやれる範囲を図にするとこんな感じです。
D-CAPで回す問題は、種類でいうと、直面する問題、あるいは、発生型の問題など、問題が顕在化している問題です。その中で、あなたが経験済みで直感(勘)の働く問題に適用してみましょう。
さらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧下さい。
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3.おわりに
多くの解説書は、PDCAサイクルをPDCAの順でしか説明しておらず、手順が決まっているように誤解されている懸念があります。
PDCAサイクルは、
・D-CAPやCAP-D、AP-DCの順に回しても良い。
アバウトでいいんです。
PDCAサイクルは、仕事や生活の質が昨日より今日、そして明日と徐々に良くなっていくように取り組む善循環サイクルの活動が本質です。
問題の種類やあなたの経験度の有無によって、順序を変えて良い点を理解すると応用しやすくなります。
今回は、問題解決の手順について、D-CAPの進め方についてご紹介しました。上手く回らないとお困りの方の参考になれば幸いです。
他の回し方も順次ご紹介していけたらと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
こうした記事も読んでやってください。
終わり