まねき猫の部屋

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事業再構築補助金のお話し

診断士更新研修

事業再構築補助金の研修を受けました

所属協会のオンラインによる理論政策更新研修を受講しました。今回の主テーマは、事業再構築補助金についてです。この補助金は、中小企業がコロナ等で厳しい状況にある中においても、新分野や新商品の開拓に挑戦し、新規事業を立ち上げるために必要な設備や経費を国が補助してくれる制度です。今回は、学んだ制度の概要を自分なりにまとめてみました。自分の為の記録記事です。興味を持たれたら、お付き合い下さい。

 

 

目次

 

 

1.事業再構築補助金とは

事業再構築補助金は、ウィズコロナ・ポストコロナ時代の経済環境の変化に対応するために、中小企業等の新分野展開、業態転換、業種転換等の思い切った「事業再構築」の挑戦を支援する補助金です。(中小企業庁HPより)

お役所らしい書き方なので、ちょっと分かりにくいかもしれません。私なりに理解したことや、そのポイントを整理してみました。


なお、正式な内容を知りたい方は、以下の経済産業省のHPをごらんください。
URL: 事業再構築補助金

 

事業再構築補助金の全体像

事業再構築補助金の支援制度をイメージしやすいように図解してみました。

事業再構築補助金の全体像を理解するためのイメージ図

現状の減少した売上から自社の強みを再認識し、それを活かして新分野や新商品の開拓に挑戦し、新規事業を立ち上げ売上を高める上で、必要となる設備や経費を国が補助する制度です。

 

事業再構築補助金の額

この事業の総額がすごいんです。

令和2年度(2020年度)補正予算
(応募期間21年4月~2022年3月まで)
1兆1,485億円

 令和3年度(2021年度)補正予算
(応募期間22年4月~2023年3月まで)
 6,123億円

たとえば、令和3年度の補正予算総額は約3兆2,000億円ですから、約19%がこの予算となります。

 

事業の応募時期と採択率

この事業は、2021年にすでに5回の応募があり、平均の採択率は約43%とけっこう高率になっています。現在、令和3年度の補正予算(2022年)で、第6回目の応募が終わった所です。

事業再構築補助金の各回の応募期間を採択率

こちらは、採択率などをグラフにしてみたものです。

事業再構築補助金の採択率の推移

第1回から第3回までは、受理の率が公開されていました。約89%くらいです。
第4回以降は非公開になっています。(なぜでしょうね?理由を知りたいものです)
第1回からだんだん応募件数が減りましたが、第5回で盛り返しています。
採択率は、少しずつ上昇しているように見えます。

 

この制度で補助してもらえる金額の概要です。

 

事業再構築補助金通常枠の補助金上限額

引用:事業再構築補助金説明資料より

中小企業で、事業の2/3、中堅企業で1/2となります。第6回の公募では、従業員数別の補助金額が減っています。なお、中小企業と中堅企業の定義は以下となります。

中小企業の定義
製造業その他:
 資本金3億円以下OR従業員数 300 人以下
卸売業:
 資本金1億円以下OR従業員数 100 人以下
小売業:
 資本金5千万円以下OR従業員数 50 人以下
サービス業:
 資本金5千万円以下OR従業員数 100 人以下

中堅企業の範囲
 中小企業の範囲に入らない会社のうち、
    資本金10 億円未満の会社

 

第1回応募金額の概要

こちらは、第1回の応募内容を金額別にグラフ化したものです。
500万以下がもっとも多く、以降金額が増えると少しずつ件数が減っています。一方、5500~6000万円に、もっとも多い分布が来ています。2極化しています。補助率を考慮した結果の様です。

第1回事業再構築補助金の応募金額別の件数

 

最後に第6回の応募の概要を乗せておきます。

第6回事業再構築補助金の応募の概要

 

これまでの各応募では、1回当たり約2,000億円程度の補助金が採択されているようです。第6回以降は、補正予算額が減っているので同等とはいかないかもしれません。
どの程度になるかは、第6回の応募結果が公開されたらまとめてみたいと思います。
また、7月以降であと3回くらいは応募があると予想しています。

もしかしたら、診断士として中小企業を支援することになるかもしれません。

 

2.研修の概要

講義の詳細はお伝え出来ないので、興味を持った部分だけ記録しておきます。

今回の講義内容と時間配分は以下の通りです。

(1)新しい中小企業政策について
   13:05~14:40 
(2)中小企業の事業再構築支援
   14:50~17:35

 

第1時限新しい中小企業政策ついて

最近の中小企業の動向を伺いました。
その中から公開できそうな点を記録しておきます。

まずは、各業種別の消費支出の変化の推移です。

業種別の消費支出変化の推移

もっとも打撃を受けたのは、旅行関係です。
そして、宿泊、交通と続きます。
外出制限の影響は予想以上でした。

反面、娯楽関係やサービス業全体では影響が少ないことがわかります。

 

こちらは、中小企業の経営課題を順位別に整理したものです。

 

中小企業の課題

中小企業が一番感じている課題は、「知識・ノウハウの不足」です。そして、「販売先の開拓や確保」「自己資金の不足」が続きます。

こうした点を解決する上で、事業再構築補助金は有効な手段であることがわかります。

事業再構築補助金のシンボルマーク

出典:中小企業庁:事業再構築補助金のシンボルマークより

 

 

第2時限「中小企業の事業再構築支援」

もっとも印象に残ったのは、
「ファーストペンギン」についてです。

ファーストペンギン

「ファーストペンギン」とは、集団で行動する習性のあるペンギンの中から、天敵がいるかもしれない死のリスクがある海へ、魚を求めて最初に飛びこむ勇気ある1羽目のペンギンのことをいいます。1番に飛び込んだペンギンは、その海が安全であると仲間に示す一方、真っ先にエサにありつきお腹いっぱい食べられるチャンスを得るのです。

こうした勇敢なペンギンのように、リスクを恐れず初めてのことに挑戦するベンチャー精神の持ち主を、米国では敬意を込めて「ファーストペンギン」と呼ぶそうです。

日本でも、NHKの朝の連続テレビ小説「あさが来た」で、そのエピソードが紹介されたので、ご存じの方も多いかも知れません。

参照:ファーストペンギンとは- 『日本の人事部』

 

この「ファーストペンギン」については、仲間から突き落とされている(^◇^;)と言う説もある様です。とはいえ、現代はどんな事情にしても早い方が有利な側面もあるのは確かです。

 

事業再構築補助金を交付する政府も、申請する中小企業がウィズコロナ・ポストコロナ時代の経済環境の変化に対して、新たな新分野や新商品・サービスの開発に勇敢に挑戦することを期待しています。この点から「ファーストペンギン」となった中小企業は象徴的な存在となることでしょう。

 

とはいえ、事業再構築補助金の申請は、結構大変です。作成し提出する資料も多い上に、事業の革新性を説明する事業計画書の作成が求められます。現状とあるべき理想を掲げ、そのギャプの解決を論理的に説明する必要があります。そのため、資料作りの一助になる手法として、経営デザインシートの紹介もされていました。

以下が経営デザインシートのフォーマットです。

経営Designシートのフォーマット

このシートは4つの欄で構成されています。

(A) 企業理念/事業コンセプト等、⾃社や事業の存在意義を意識した上で、
(B) 「これまで」の価値創造メカニズムを把握し、
(C) ⻑期的な視点で「これから」の在りたい姿を構想し、新しい価値を創る。
(D) 「これまで」から「これから」への移⾏戦略を策定する。

考え方はとてもシンプルです。

 

こちらは、実際に記入されたシートの例です。企業名は伏せてあります。

経営デザインシートの記入例

書きごたえのあるシートですね。シンプルだが、内容は深いです。沢山のお金を補助してもらうには、結局は努力して説得力のある資料作りが必要だということになります。

そうした点を認定機関や我々のような診断士がお手伝いすることになります。

 

 

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終わりに

今回は、事業再構築補助金について学んだことをまとめてみました。

中小企業診断士の資格は、維持するには5年ごとに更新が必要です。5年間で、こうした理論研修を5回受けることと、30日分の診断実務の証明を中小企業庁に提出しなければなりません。

今回は、その理論研修の1回分となりました。
学んだことを活かせるよう理解を深めていきたいと思います。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

こうした記事も読んでいただけると嬉しいです。

www.my-manekineko.net

 

 

 

 

 

終わり