まねき猫の部屋

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私の仕事がAIに置き換わる時期を予想してみる

予測

先週、私のリポート添削の仕事がいずれAIに置き換わる可能性を書きました。今週は、AIの進歩を振り返りながら、その時期をフェルミ推定ぽく予想してみようと思います。
お時間があったらお付き合いください。長文になってしまった(^_^;)

 

目次

 

先週の記事です。

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1.AI技術のおさらい

今は第3次AIブーム

第1次産業革命で、動力の出現が、人の仕事の仕方を大きく変えたように、コンピューターの性能向上と機械学習アルゴリズム実現で、人工知能が進化し、再び人の仕事の仕方を変えようとしています。

今、第3次AIブームが到来しています。

第3次AIブームの簡易年表

ちなみに
第一次ブームは、1956年ダートマス会議で「考える機械の作り方」が議論された頃に始まり、1969年「フレーム問題」に対処できないとわかるとブームは冷めて終わりました。

第二次ブームは、1980年初頭に「エキスパートシステム」の誕生で沸騰し、データ入力などの限界が見えてきた1989年終わり辺りで萎んでしまいました。

 

AIの定義

Wikipediaでは、人工知能(AI)について以下のように説明されています。

「人工的にコンピュータ上などで人間と同様の知能を実現させようという試み、
 或いはそのための一連の基礎技術を指す」

 

この人工知能(AI)は利用の目的や範囲から、特化型人工知能と汎用人工知能に分けられます。

AIの分類-特化型と汎用型

 

特化型人工知能

特化型人工知能は、その名の通り特定の領域の仕事に特化して性能を発揮するAIです。たとえば、チェスや将棋、碁などのAIプログラムが分かりやすい例でしょう。

この特化型人工知能の進歩はめざましく、多くの領域で人を超えたと言われるようになってきました。ルールが明快で、複雑で膨大な過去データを参照する仕事は、機械(AI)の方が優れているので自明です。

特に、ニューラルネットワークという人間の脳の神経回路を模したディープラーニング技術の進歩に追うところが大きいです。これまで、3階層程度だった深さが10層、20層を実現できたことで進化を劇的に加速させています。

ニューラルネットワークとディープラーニングのイメージ

たとえば、AI「アルファ碁」は碁の対戦用に開発された「特化型人工知能」です。チェスや将棋は早々にAIが優性となりましたが、囲碁でAIプログラムが世界トップクラス棋士を破るには、さらに10年はかかると言われていました。

ところが、2016年3月、「囲碁界の魔王」といわれる最強棋士イ・セドル氏(九段)が、「アルファ碁」と対局し1勝4敗と完敗したのです。あっさりとAIが勝利を収めてしまいました。このように囲碁までもがこんなに早くAI優性になるとはだれも思っていませんでした。そのくらい、今のAIの進歩は早いです。

なお、リポート添削の仕事も、この特化型人工知能となります。



汎用人工知能

一方、「汎用人工知能」はマンガの「ドラえもん」や「鉄腕アトム」のようなロボットに搭載されたAGIや、映画「2010年宇宙の旅」のHAL9000などをイメージする方が多いと思います。「汎用人工知能」は、機械による人間レベルの高度な汎用的な知能を目指しているニュアンスで捉えられていることが多いです。

汎用型AIーロボット

しかし、「汎用性」の定義があいまいで、しかも人間の脳の解明も道半ばで不明な点が多い状況です。いま時点では、汎用人工知能はまだ研究途上でしょう。

とはいえ、かなり完成度の高い汎用AIが出現し始めており、いずれ人間の能力を超えた汎用人工知能が一般に姿を見せるのは時間の問題です。

そうしたAIが人間を超えて人類に対して脅威になる事態を「シンギュラリティ(技術的特異点)」として警告する学者もいます。(2045年問題)

近未来に、映画「ブレードランナー 2049」に登場する「レプリカント」と呼ばれる人造人間やホログラフィAIが出てくる世界を見たいような見たくないような気分です。

 

 

 

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2.添削の仕事がAIに置き換わる時期は?

AIの進歩で、特化型人工知能が得意とする需要の多い仕事からAI化が進むことでしょう。そこには経済的な損益が判断基準として働くはずです。なので、需要の少ないAI化しても儲からない仕事は、中々AI化が進まないことが想定されます。

 

開発費の想定

さて、私のリポート添削の仕事はどうでしょうか?
簡単なシミュレーションをフェルミ推定を模してやってみようと思います。

社会人向けの科目が、開発費6,000万円でAI化できると仮定します。
AI化費用内訳
要件定義    200万円
AI化検討    100万円
プロト作成   300万円
AIモデル開発  3,000万円(期間1年)
システム開発  2,400万円(期間1年)

この見積もりは、専門とされる人からすると突っ込みどころ満載でしょうね(;゜ロ゜) まあ、素人のラフ推定なのでご容赦ください。アドバイスをいただけたら嬉しいです。

現状、リポートのAI化に関する情報はほとんど無いので、不明な部分が多い不安領域にいます。しかし、下図のように時間の経過と共に情報量が増えてきて、判断ポイントを迎えます。しかし、石橋をたたいて、何もしないと手遅れ(乗り遅れ)になります。ビビリなので、乗り遅れないようにしないと(^_^;)

 

情報量と不安材料の関係(決断のタイミング幅は狭い)


今はまだ情報不足ですが、とにかく行動につながる分析はしておいて損はないと考えます。

ということで、6,000万円の開発費で検討を続けてみます。
維持費を想定に入れなかったのは、手書きもAI化も同額として検討から省くことにしました。AI化で維持費が高いと推進のモチベーションはわかないハズです。

 

損益分岐点


今1通の人がやる手書きリポート添削料を600円とします。(もっと高いですが)

すると、手書きをAI化する損益分岐点は6,000万円÷600=100,000通となります。
定額法で4年回収とすると、年約25,000通以上のリポート科目ならAI化が有利です。

この25,000通/年は、かなりのボリュームです。クリアする科目は多くありません。

 

文科省のデータによると、年間の社会人受講者は平成27年で約64,000人でした。このデータは、認定された科目だけが対象ですので、少なく見えますね。でも、私の担当している科目も、この認定科目なのでこの数字で検証します。

社会人通信教育受講者の推移-文科省

出典:文部科学省 認定社会人通信教育実態より

 

次は、この人数から、一人当たりのリポート数を推定します。
一人が、いくつかの科目を受講し、かつ数通のリポートを提出するとして、4倍をリポート数と仮定します。すると年間のリポート総数は約256,000通となります。これを認定科目数109で単純に割ると、2,349通/年となります。
この数値は少ないように見えますが、1年を50週とすると、週43通です。手書きのリポートだと、一人の先生が担当できるほぼ上限の量です。

なので、割と現実味のある数値だと私は思います。

一方、人気の科目は、リポート数も多いので複数の先生が添削をしています。私の担当する科目でも、10名以上の先生が担当している科目があります。

 

年間のリポート総数は約256,000通で、AI化時期の見積もりをしてみます。

 

AI化は人気のある科目から

リポート数は、人気のある科目に偏ります。これはパレートの法則から推定できます。20%の科目に80%の量が集中すると仮定します。

 

パレートの法則の詳細はこちらからどうぞ

www.my-manekineko.net

 


すると、256,000通×80%÷(109の20%=22)=人気の科目は、約9,300通/年となりました。とはいえ、この数字でも損益分岐点25,000通には、全然届かない結果です。

だからといって、この結果からリポート添削がAI化はされないと判断するのは早計でしょう。

 

技術進歩から時期を予想する

開発費を6,000万円と設定しましたが、こうした費用は年を追う毎に価格低減カーブを描き下がっていきます。そこで、いくつかの低減率を想定し損益分岐点がどうなるかを予想してみました。

こちらがその予想した計算結果をグラフ化したものです。

リポート添削のAI化を開発費低減カーブから損益分岐時期を推定する

推定は、3水準で行いました。
年率10%でダウンする,20%でダウンする、30%でダウンするの3ケースです。

すると、年率10%では10年後に損益分岐点を迎えます。つまり10年後がAI化時期です。一方、20%ダウンのケースでは、6年後にはAI化有利となります。
さらに、30%ダウンのケースでは4年後には到達してしまいます(;゜ロ゜)

今回の推定では、仮定した部分がてんこ盛りです。たとえば、実際の開発費が半分だったら…(^_^;)、添削料が値上げしたら…など、考えだしたら、推定はしたものの精度は低いと考えざるをえません。まあ、それがフェルミ推定とも言えます。

 

ということで、今回の推定は、ここまでとします。

 

簡易推定のまとめ

最速ケースで、4年後にはAI化かもしれません(^_^;)
中間的なケースで、6年後
楽観的なケースで10年後か……

もう少し観測気球を上げて、情報量が増えたら、再検討してみたいと思います。

 

余談:小学生のケース

余談です。

すでに小学生向けにはタブレット端末を用いてAI利用の学習ツールが商業ベースに乗っています。これは、小学生が約100万人/学年という規模と、科目数も少ないという好条件が揃っているからと考えられます。しかも、月謝も結構な費用を支払っていることでしょう。こうした条件下なら、AI化は可能なのでしょう。

 

タブレット学習の事例-スマイルゼミ

 

その他の検討課題

社会人研修のAI化には、受講者の情報リテラシーの低さも考慮する必要があります。
現状のリポートはネットでも解答できますが、その割合は低い状況にあります(数字を出せなくてすみません。守秘義務があります)特に40代以上の方は低めです。

AI化を推進する上では、学習データを蓄積する必要があります。つまり、ネットの回答率が向上しないとデータが得られません。また、添削結果もデータ化する必要があります。手書きの文字を判読するAIは、コスト面からまだ先と思われます。とすると、添削自体もデジタル化する段階を想定しなければなりません。

こうしてみると、社会人向け手書きリポートのAI化は、課題が多そうです。
とはいえ、情報収集は怠らないようネットでの提出率や添削のデータ化はよく観察していきたいと思います。

余談終了

 

リポート添削の仕事のプロダクトライフサイクルの推定

 

 

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3.おわりに

AIの歴史を振り返りながら、自分のリポート添削の仕事がいつAIに置き換わるかをシミュレーションしてみました。まだ、幼稚園レベルの検討ですが、情報を蓄えて検討精度を高め対策を練っていきたいと思います。

まだ、数年は大丈夫と思いたいですが、願望が先行しないように気をつけないと…
とりあえず、やれる上限の75歳まではやりたいので、あと8年持つとうれしい……なぁ

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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ここまで読んでいただき感謝です。

 

 

 

 

 

終わり