まねき猫の部屋

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パレート図の作り方と応用事例

ギャップ分析に役立つパレート図

パレート図の作り方と262の法則や働きアリの法則

問題解決では、初動における現状の定量的な把握がとても大切ですね。

その際、QC手法の1つであるパレート図を用いるのが良いと言われています。

そのパレート図の作り方のコツや、パレート図にまつわる関係則もご紹介してみます。

お時間があったらお付き合いください。

 

目次

 

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1.パレート図とは?

パレート図とは、QC7つ道具の1つで、

 

データを大きい順に並べた棒グラフと、

その累積和を折れ線グラフで表した図

 

を言います。

言葉ではなかなかわかりにくいですね。

実際の図をご覧ください。

 

パレート図の基本構造

パレート図の基本的な構造です。

パレート図の基本的な構造は正方形

横軸にデータを棒グラフにして、大きいものから降順に並べます。

参照する目盛りは左につけます。

折れ線グラフで、累積比率の和を示します。

参照する目盛りは右につけます。

パレート図の場合は、右の目盛りは100%が最大値となります。


作成のポイント

美しく作成する上でのポイントは以下の通りです。

・横軸の長さと、縦軸の長さは、正方形が望ましい
・横軸の項目数は7つ程度が良い
 多くても10以下に納める
・棒グラフが平坦にならないよう項目を工夫する
・項目に「その他」を作る時は、量に気をつける
・縦軸は、実数を使うと良い

 

実数の例はこんな感じです。

パレート図に用いる実数の例

 

パレート図は、エクセルを利用して作ると美しく簡単に出来ます。

 

たとえば、製造の現場で、工程で不良が出て

その問題を検討するため、以下のようなデータが取れたとします。

 

パレート図用のデータ-工程別の不具合発生数

 

このデータをエクセルに入力すれば、まずは、こんな図が作成できます。

工程不良のパレート図エクセルで作成初期図

普通に作成すると、このパレート図のように折れ線グラフの位置が、期待する表示とちょっと違いますね。

これでも、分析には充分役立ちます。

とはいえ、説明資料に添付するには、もう少しカッコ良くしたいのが、人情というものです。

 

正式な折れ線グラフに加工したのがこちらです。
 

工程不良のパレート図例

 これなら、プレゼンテーションにも使えます。

 

作り方は、少々テクニックが要ります。

難しくはないですが、説明が長くなるので

わかりやすい記事に譲ります。

エクセルのバージョンで少々違います。

2013以降ならこの記事で作成できます。

bizroute.net

 

また、YouTubeの動画も載せておきます。

www.youtube.com

 

一度ひな形を作っておけば、項目名や数字、タイトルなどを入れ替えるだけで、流用も簡単に出来ます。

ぜひ、一度作ってみてください。

 

さて、こうして作成したパレート図は、

さらに加工すると、ギャップ分析に利用できます。

 

ギャップ分析とは、

ギャップ分析の説明

あるべき姿と現状のギャップ(差)を分析するものです。

 

たとえば、先ほどの工程不良の現状からあるべき姿を加えると、このように書けます。

 

ギャップ分析の事例-工程不良を半減する

 

さらに、これをパレート図を利用して、

現状とあるべき姿を同時に載せると、ギャップから

目標設定にも利用できます。

パレート図を2つ使って、工程不良率の現状とあるべき姿のギャップ分析を書く

 

また、こうしたギャップ分析が出来ると、

横軸の項目から、何をどのくらい減らすべきかも見えてきます。

 

その際には、パレートの法則を利用します。

パレートの法則とは、

全体を構成する20%の要素が、全体の80%の値は占める

という法則です。

 

この法則は、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した法則からその名がついています。
その他「ニハチの法則」とか「20:80の法則」などと呼ぶものも同じです。

 

上の図なら、数字の多い「測定」と「作業」に注目します。2つで、全体の71%を占めています。

 

つまり、「測定」と「作業」を改善すれば効率的に仕事が進むという訳です。

こうした優先度付けではパレートの法則をぜひ利用してみましょう。

 

 

これまで見ていただいたように、

パレート図の最も効果的な利用シーンは、現状分析です。

何か問題が発生して、その事実のデータが集まったら、パレート図に加工してみると良いでしょう。

 

問題解決の現状認識までの手順でパレート図を利用する

 

事例をもう一つご覧ください。

これは、個人の目標設定の例です。

パレート図でギャップ分析し目標を設定した例

そろそろ、後半期の目標設定面談の時期ですね。

それに合わせて1つ例を作成してみました。

 

手入力作業を80%削減すると宣言しています。

現状とあるべき姿のギャップも分かりやすいと思いませんか?

こうした図を用いて、自分の問題解決力の成長度もアピールしてみましょう。

 

もう少しパレートの法則の応用を見てみます。

 

パレートの法則の応用例


たとえば、
・商品の上位20%が、売上げの80%を占める。
・顧客の上位20%が、売上げの80%を占める。
・従業員の20%が、売上の80%を生み出している。
・投入時間の20%で仕事の成果の80%が生まれる。
・不具合の20%の原因が、総故障の80%を占める。
・Webの記事の20%で、PV数の80%を占める。


といった具合です。


この20対80の割合は、考え方なので、実際の数値は前後します。

 

事例をもう1つお見せします。

これは、世界の総資産の80%を、20%の富裕層と中間層が所有していることを、パレート図で書いたものです。

パレートの法則例-資産の80%は、20%の富裕層が握っている

 また、この図からは、5%の富裕層が、資産の62%を保有していることも分かります(^_^;)

世の中は不公平に出来ていますね。

 

あとは、おまけです。

パレートの法則から派生した他の法則も見てみましょう。

 

2.「2:6:2の法則」

 「2:6:2の法則」とは、
会社や学校などの集団において、
構成するメンバーの力量や「やる気のある人」の割合がパレートの法則に従うというものです。


たとえば、会社の社員は、

・よく働く社員が2割
・普通に働く社員が6割
・働かない社員が2割

に分かれるといった具合です。

 

パレートの法則の応用に262の法則がある

 

また、
・成績優秀な社員が2割
・普通の成績の社員が6割
・評価の低い社員が2割

という言い方もされます。

 

 

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3.働きアリの法則

 こうした「働かない」という現象は、自然界にも有るそうです。


あの「アリとキリギリス」の童話で有名な働き者のアリですが、実は、働くのは2割で、その7割はいつも休んでいて、1割は一生働かない!」そうです。

 

働きアリの法則


この現象を「働きアリの法則」と呼んでいます。


これを発見したのは、北海道大学大学院の長谷川英祐准教授です。
アリの組織を観察した結果、休んでばかりいるアリや働かないアリを発見しました。

 

そして、2割の働いているアリが疲れて動けなくなると、サボっていたアリたちが代わって働きだすのを見いだします。


つまり、働かないアリは、働くアリたちと交代しアリ組織を維持していると言えます。


こうした働かない者がいる組織の方が長続きする点は、人の社会にも言えるそうです。

 

近年、筋肉質(リーン)な経営が良いなどと言われていました。一見ムダのない経営は、合理的ですが、実は環境の変化に弱くたちまち経営悪化してしまいます。

 

今回、コロナ禍でそうした企業倒産などの事例を多くみることになって見直しの方向に動き出す可能性が高いのでは、ないでしょうか?

 

4.まとめ

パレート図とは、

データを大きい順に並べた棒グラフと、
その累積和を折れ線グラフで表した図

のこと

パレートの法則とは、
 全体の20%が、全体の80%の効果を占めること

・エクセルでパレート図を綺麗に素早く作成できる

・ギャップの分析にも利用できる

・改善の項目の優先度も考察できる

・組織の人や働き方も、2:6:2の法則に従う

・自然界にも「働きアリの法則」と呼ぶ現象がある

・余裕を持つ方が変化に強そう

 

 以上です。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

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終わり