「やること」は増えているのに「働き方改革」で残業時間は減らせと言われています。
こうした求められることが矛盾する社会の中で、
仕事の時間効率とスピードを両立させる考え方に
80点主義があります。
誤解を恐れずに書くと、
多少の未解決が残っても、とにかく合格点なら仕事を片付けてしまう。
という考え方です。
改めて、その内容を確認してみました。
お時間があったらお付き合いください。
数字をクリックするとジャンプします。
お忙しい方は一部だけでもご覧ください。
こんな記事も書いています。
80点主義は時間効率が良い
いきなりですみません。
TVドラマ ドクターXに出てくる外科医
大門未知子さんの決め台詞は、
「私、失敗しないので」ですね。
引用:テレビ朝日 ドクターX HPより
完璧な仕事をこなす姿が素晴らしい(*^O^*)
その上、この人、手術のスピードも速い(;゜ロ゜)
そう、天才は仕事も早い上に結果も完璧です。
一方、多くの人は、
①仕事の完成度は高いが時間はかかる
あるいは、
②仕事の完成度はそこそこで時間は早い
のどちらか
あなたはどちらのタイプでしょうか?
現代はスピード優先
現代はスピード感を持って仕事の成果を出していくことが望まれています。
なので、
②仕事の完成度はそこそこで時間は早い
を目指したい。
何事もそうですが、1つの仕事を完璧に仕上げるには大変な努力が必要です。
特に、フィニッシュは、いちばん苦しい正念場となり多大な時間と努力を要します。
そこで、
「多少の未解決が残っても、とにかく合格点なら仕事を片付けてしまおう」
というのが、
80点主義
です。
こうした80点で、上司に報告にいくと、
多くは未解決部分を指摘されます。
その欠点を直すまで、やり直せという上司がいたりします。
しかし、最近の多くの上司は説明すればその意図を理解し受け取ってくれます。
前提は、上司が受領する程度には仕事を高めておくことです。
こうして一旦終わった仕事は、市場やお客様から次のヒントが得られます。
その反応を元にして、さらに改善を加えていくことで、完璧主義よりも、高いレベルが達成できることになります。
軌道修正が容易
最近は、開始時点ではゴールがはっきりせず、走りながら見つけていく仕事が多くなってきました。
自分では一生懸命仕事を仕上げて時間をかけ完成度を高めたつもりが、その間に環境が変化して報告したら「やり直し」となったりします。
時間をかけている間に、ゴールが変化してしまうのが最近の特徴の1つです。
また、自分と上司の間で仕事の方向性で誤解があったりする場合もあります。
早い段階で案を見せて方向性の確認をするのも大切ですね。
そんなときも80点主義なら大丈夫です。
どんな仕事にも納期があります。
納期ギリギリまで時間を使ってしまうと、修正する時間が取れなくなります。
80点で仕事を進めると時間の余裕を作ることができることです。
引用:「マンガでわかる孫正義式超高速PDCA」p.14をまねき猫が編集
「働き方改革」で残業を出来るだけ少なくする仕事の仕方が求められています。
80点主義で、完成度を高めるための徹夜や深夜残業避けたいものです。
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80点主義の根拠
80点主義の80点の根拠に興味のある方はお読みください。
興味の無い方は: 終わりへ
仕事の進み方にはいろいろなパターンがあります。
パターンAのような対数関数的な進み方は、
何かを調べて報告する場合などの調査系の仕事によく見られます。
学校の勉強も同様なパターンがよく出てきます。
少し学習するとかなり分かった気になるのですが、もう一歩深めていくと突然難しくなって理解を深めるのに時間がかかり進み具合が遅くなるケースです。
パターンBのような直線的な進むのは、定型業務などに多くみられます。
パターンCのS字曲線は、プロジェクト的な仕事や未経験な仕事によく出てきます。
最近の仕事は探索型が多いためこうしたS字曲線を描く仕事が多いようです。
パターンDは指数関数的で、いわゆる後半追い上げ型です。
このやり方は、あまりお勧め出来ない。
さて、
このS字曲線は、正規分布から累積値を求めることができます。
黒の線が正規分布です。
標準偏差σ(シグマ)が中心50%の所から+1σまでの面積が
84.13%
となります。
この84.13%をざっくりと示したのが80点主義です。
S字曲線の特徴の1つは、100%になる時間は永遠に来ないことです。
数学的には、無限大の時間となります。
仮に50%から+1σまでに60時間かかる時、
ほぼ100%を+6σ(99.9999999%)にすると、
さきほどの2倍の120時間がかかることになります。
不思議なことに、この数字の関係は、対数曲線でもほぼ同じ結果になります。
(係数によっては異なるケースが出てきます)
トヨタの80点主義
80点主義のもう一つの解釈についてのお話です。
80点主義を最初に実務に応用したのは、自動車メーカーのトヨタだと言われています。
トヨタは、JIT(ジャストインタイム)やカイゼン、5S(なぜなぜ分析)、ムダ取りなどの「トヨタ式」と呼ばれる多くの手法を取り入れてきた会社です。
その中で80点主義も車の開発に用いられました。
初代カローラの開発主査であった長谷川龍雄さんが考案されたと言われています。
とはいえ、さすがにトヨタです。
ご説明した80点主義より厳しい(;゜ロ゜)
そのポイントは、
①全項目100点を目標とする
②100点取れない項目のうち、いくつかは90点を取る
③90点が取れない項目は、合格点の80点を必ず取る
④100点の項目は1つ以上、80点以下の項目はゼロ
をゴールとしています。
こうした異なる解釈があることも、ご参考までに載せておきます。
まとめ
「多少の未解決が残っても、とにかく合格点なら仕事を片付けてしまおう」
というのが、80点主義
・80点主義を用いると、時間効率が良くなる
・変化に対応し、軌道修正が容易
・80点主義の80点は実は、84.13%のこと
・トヨタが実践する80点主義もある
(目指すゴールは高いです)
最後まで読んでいただきありがとうございました。
こうした記事も読んでやってください。
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終わり
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