大学や通信教育の手書きリポートの行方…
今週は、添削講師としてリポートを採点していて遭遇した出来事を書いてみます。
長文の論述題を手書きさせるのはナンセンスと書いた受講者や、Web提出のリポートに完全コピペ解答が来たことなどを徒然に書いてみます。
雑記です。お暇だったらお付き合いください。
こんな記事も書いています。
1.手書きはナンセンス?
私は、ある大学の学生と社会人のリポート添削をしています。
最近、依頼されたリポートの
感想欄にこんなコメントが書かれていました。
今日日
数百文字を手書きするなんて
ナンセンスです。
「今日日(きょうび)」という言葉が使えるなんて素晴らしい学生だ( ^o^)
という感想はさておき、
この学生さんがコメントしたのは、
「2つの経営組織論を800字程度で説明しなさい」という問題についてと思われます。
このリポートは、それ以外に150字程度の記述問題や、空欄穴埋め、選択問題もすべて手書きというスタイルのものです。
たしかにIT化が進展しているこの時代で、
手書きなんてと思う若者は多いのでしょう。
「手書き リポート」で検索すると、約100万件の記事がヒットします。
出典:Google検索
中には、手書きリポートをプロッターで書かせる仕組みを作った反骨の猛者もいます。
夏休み中に作成したとのことですが、そのパワーと意地には敬服します。
引用URL: レポートの手書きが面倒くさい! → ペンプロッターを自作して手書き風に出力する猛者あらわる - ねとらぼ
このように何かと話題の多い手書きですが、
主な記事から、手書きの理由を拾うとポイントは3つのようです。
・コピペの防止
・手書きすることで理解が深まる
・字や文章を書く練習になる
これらを私の視点から見ていきます。
コピペの防止
相当以前から、学生のリポートには、Webなどで検索した文章をコピー&ペースト(以下コピペ)した提出資料が多いことが問題になっていました。
そして、あのSTAP細胞の論文のコピペ騒動から、多くの大学では、論文の手書き提出が増えたとも言われています。
しかし、私からすると、こうしたリポートのコピペは、何もパソコンなどに限ったことではありません。
私の手元に届く手書きのリポートでも、どこから手に入れたのでしょう。
出来の良いリポートを書き写した解答が散見されます。
なぜ、分かるかって( ^o^)
何しろ、誤字や、キーワードの間違いまでコピペしているので簡単に分かります。
パソコンを使用しない手書きリポートでもコピペは存在しているのです。
パソコン等を利用すると、コピペが簡単に出来るという差だけだろう。
というのが私の感想です。
とはいえ、
何かを参考にして書くことは、学習では必要なことです。
問題は、そのやり方の程度だと思います。
仮に、解答例を参考にしても、自分の考えを加えた解答なら、私は容認できます。
そもそも、卒論などは、先行事例を研究して、自分の新たなアイデアを示すのが一般的です。先人の知恵を活かすことは学習の基本だろうと感じています。
なお、個人的には、フォント文字の方が、手書きの読みにくい字よりは嬉しい時もあります。
象形文字かと思うような文字と格闘するのは中々辛いものがあります。
手書きすることで理解が深まる
長文の論述題を書いたことのある人なら、よく分かると思います。
まとめるには、かなりの労力を必要とします。
感想欄でも、長文の論述に2日かかったなどと感想が書かれていることがあります。
でも、書いた分だけ受講者の智恵となって身についたはずです。
論述を書くには、
出題者が求める論点やキーワードをモレなくムダなく指定された文字数で書くので、それなりの作戦を立てて実行することが効果的です。
一般的な作成手順は、こんな感じでしょう。
まず、キーワードや論点を選び、プロットを作る。
次に、学習教材などから、その出題者が言いたい部分を書き出す。
そして、指定文字に入るよう要約を繰り返す。
文字数に納まれば、めでたく清書する。
といった流れがお勧めです。
私も社会人時代に通信教育を受けた際、長文の論述題に苦労しました(^_^;)
下書きはパソコンのWordなどを利用していました。
字数や記述の間違い指摘してくるので重宝します。
そして、さきほどの手順を踏まえて下書きをします。
それを、プリント印刷したり、画面で見ながらリポートに手書きする。
といったやり方をしていました。
えっ、それで勉強になったの?
痛い所をつきますね(^◇^;)
こうした学習で中小企業診断士の資格も取りましたから、良しにしましょう。
さて、
こうした手順を踏むと、
何度もテキストなどと格闘することになります。
手書きで清書すれば必然的に手が内容を理解します。
こうしたメリットはとても大事だと思います。
すべてをパソコンで作業し、終了させる場合よりも脳の活動域が多いという研究もあります。
手書きのメリットは、
リポートだけには限らないでしょう。
私は、ブログの記事作成にノートへ手書きすることから始めることが多いです。
たとえば、こんな感じです。
これは、先週の記事の下書きです。
先週の記事です。
ただ、こうした作業は書くスピードが速いとは言えないですね。
先週の記事は、書き始めて寝かしている時間もあったので、公開まで約2ヵ月かかってしまいました(^_^;)
話しがだいぶ脱線しました。
戻します。
字や文章を書く練習になる
最近は、手書きする機会が減ったので、リポートを手書きすることで、字の練習になる、新しい漢字を覚えたり、文章の書き方のルールを知るなどの機会になるという意見のようです。
私の体験上、字の練習にはならないと
断言できます。
新しい漢字を覚えるには、有効かもしれません。
改めて、字の練習についてです。
私は毎週数10通のリポートのコメントを手書きしています。
こうした仕事をしているのでペン習字の講習も卒業した私ですが、
沢山の文章を書くとだいたい字が汚くなります。
美しい字を書こうという時は、たっぷりの時間が取れる余裕がある時に、丁寧に書いた場合に限られます。
その点、学生さんもリポートの提出はだいたい時間に追われていて、字もきれいとはいえないものが多いですね。
文章のルールも大体こんな感じですし…
2.コピペの話題その2
実は、先週の添削で初めての体験をしました。
社会人の研修講座には、パソコンなどで入力できるリポートがあります。
その提出されたものに、一字一句まったく同じリポートがあったのです。
これが、パソコンのコピペかあ
と驚きました。
そのリポートは、ある企業の研修で、何名かが同時に受講しているものでした。
おそらくどちらかの方が完全コピペしたのでしょう。
同じ企業内だから可能な事なのかも知れません。
初めてのことで驚きました。
多少は、似ていると思うリポートに遭遇しましたが、一字一句同じリポートはこれまでありませんでした。
受講者の受講姿勢が変わりだした予感がします。
ちなみにこうしたリポートでも、評価はそれぞれ普通に行います。
そして、その旨を大学に連絡します。
たぶん、その企業の研修担当に伝わることでしょう。その後の扱いはお任せするしかありません。
楽をした分、苦労するリスクが高いと思うのですが、バイト先で悪ふざけの映像をアップして大変なことになる人がいるのを知らないのでしょうか?
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3.まとめ
手書きリポートが存在する理由は3つ
・コピペの防止
・手書きすることで理解が深まる
・字や文章を書く練習になる
とはいえ、私の個人的な意見としては、
理解が深まる以外はあまり意味がないと感じています。
手書きで無くてもいいでしょうね。
しかし、だからといってコピペしてリポートを作るとその代償も大きいかもしれません。
採点者はプロです。
見抜かれたらどうなるかを予想した方がいいでしょう。
最近は、コピペをチェックするプログラムも普通に利用できますしね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
こうした記事も読んでやってください。
終わり