質問力が高いと人生も仕事も見通しが良くなります。
とはいえ、
相手やその場の状況に合わせて適切な質問をするのは簡単ではありません。
質問の知識を学び、訓練すれば力量が高まる技能でもあります。
的確な質問をして「出来る人」と言われたいですね。
そんな質問スキル向上のエッセンスをまとめてみました。ご興味のある方はおつきあい下さい。
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1.質問がうまくできると
的確な質問が出来ると、人生やビジネスを思い通り進めやすくなります。
そして、
・「出来る人」と思われる
・コミュニケーションが深めやすくなる
・相手が期待通りに動いてくれる
なども、期待できます。
「出来る人」と思われる
相手の状況や、その場面に合った的確な質問が出来ると、相手から欲しい答えが得られるばかりか、相手はあなたのことを「出来る人」と感じることでしょう。
「出来る人」は、質問上手です。
有名人で例えると、
作成 まねき猫
日テレの「しゃべくり007」で、進行をされている方です。
ご存じの方も多いことでしょう。
ゲストを毎回ツッコミとボケで盛り上げています。
視聴者が、そう来たかとワクワクする楽しい質問が次々と出てきます。
上田さんの頭の回転の早さには脱帽します。
どんな状況でも間髪入れず、色々な質問が浴びせられる天才タイプでしょう。
「出来る人」と言って間違いないですが、中々参考にはなりにくいタイプです。
もう一人、質問上手な方を見てみましょう。
以前「笑っていいとも」の司会をされていたタモリさんです。
タモリさんの質問の仕方は、私たちにとても参考になります。
引用:読売新聞かおズーム記事をまねき猫が編集
まず、一見して話し上手という印象は、無いです。
どちらかというと、口数少なく素朴な語り口です。
しかし、「タモリメソッド」ともいえる、
「相手が乗ってくるまで、色々な質問を投げかけスイッチが入るまで粘る」
その質問の仕方には学ぶ点が多いでしょう。
タモリさんんも、自分の質問のスタイルを持った
「出来る人」といえるでしょう。
コミュニケーションが深めやすくなる
相手との話がなかなかうまくかみ合わなくて、
いらいらしたり、嫌気がさしたことはありませんか?
思わず、
「あなたの言いたいことは何!」
と心の中で叫んだことはないですか?
会話がうまくつながらないと、
話しも途切れがちになります。
でも、これはあなたの質問の仕方にも気をつけてみましょう。
目の前にいる人が、コミュニケーション上手とは限りません。
上手に話せない人の方が多いと思った方がよいのです。
コミュニケーションを深めたい相手には、
あなたの方から上手に質問してあげると会話を深めやすくなります。
相手が期待通りに動いてくれる
上手に分かりやすい質問すると、相手の考えを理解しやすくなるだけではなく
あなたの想いも伝わりやすくなります。
すると、相手もあなたの意思を理解して
自発的にあなたの期待通りに動いてくれるようになります。
さて、ではどんな質問をすればいいのか
まずは、質問の種類を見ていきましょう。
2.質問の種類
質問力とは、
「質問することによって、情報、考え、気づき、意欲、行動、信頼などを引き出す力」
といわれています。
参照:
東北福祉大学 「学びとの出会い 第3章学習スキル 4.質問力を高めよう」より
URL: 学生向け 学びの支援|東北福祉大学
質問の基本的な種類は、次の4つです。
開いた質問と閉じた質問
質問は、相手の答え方から
開いた質問(オープンクエスチョン)
と
閉じた質問(クローズドクエスチョン)
に分けられます。
開いた質問とは?
相手に自由に答えてもらう質問です。
たとえば、
「昨日はどんなことをしましたか?」
→ 「昨日は、OOに行って△△に参加してきました。楽しかったです」
と聞いて、相手の状況や考えを引き出す質問です。
この質問は、閉じた質問の後になることが多い質問でもあります。
閉じた質問とは?
相手から明快な答えを引き出す質問です。
そのため答えに制限を与えて回答してもらうことになります。
たとえば、
「昨日の夜は、外出しましたか?」
→ 「はい」
と聴き、
相手は、「はい」か「いいえ」で答えることになります。
また、返答に制限をかけて
「昨日の夜は、家にいましたか?外出しましたか?」
→ 「昨夜ですか? 外出をしていました」
というように選択して答えてもらう質問もあります。
閉じた質問は、答えやすいので、事実の確認や、相手の意思や考えを端的に引き出す、あるいは、初めての方と会話の取っ掛かり見つける時などに活用できます。
また、面談などで、アイスブレークという会話のはじめに交流を開始するときに用いたり、相手の思考を会話の目的に引き戻す時などに用います。
少し複雑になりますが、5W1Hを用いて問う質問もここに入る場合があります。
「どこで誰と、どうして、どうやって、どんなことをしましたか?」
「ど」で始まる質問なので
「Dで始まる質問」などとも言います。
実は、質問上手の人は、この5W1Hを結構使っています。
タモリさんなどもこの方法をうまく取り入れています。
ただし、こうした5W1Hの質問の仕方は、詰問調になるので注意が必要です。
使うシーンとコミュニケーションの目的で、質問は使い分けていきましょう。
多くは、
はじめに、閉じた質問から入り、開いた質問、そしてまた閉じた質問と
繰り返していきます。
この進め方は、ジャンケンに例えて
グーパー理論と覚えておくと良いでしょう。
過去質問と未来(志向)質問
また、時間軸で質問を分けることもできます。
過去質問と未来(志向)質問です。
過去質問は、
多くは「なぜ」を用いて原因や事実を求める質問です。
一番有名なのは、トヨタ式のなぜなぜ分析です。
「経費が計画をオーバーしたのはなぜ?」
→「材料費が計画を超過しました」
↓
「材料費が計画以上にかかったのはなぜ?」
→「工程の歩留まりが悪化して投入を増やしたからです」
↓
「歩留まりが悪化したのはなぜ?」
というように要因が分解展開できないところまで深く原因を分析していく手法です。
「なぜ」「なぜ」を多様するので「なぜなぜ分析」と言われるようになりました。
一方、
未来(志向)質問は、
「何のために」とか「どのように」などを用います。
たとえば、問題解決の場面で、
「この工程の歩留まりを上げるにはどのようにすると良いと思いますか?」
というような質問の仕方になります。
他、面談の席などで、
「あなたのその取り組みは何のためにしていますか?」
「Aさん、あなたが今一番解決したい問題ってなんですか?」
などと聞いたりします。
こちらも、使う場合は、順番を意識すると良いでしょう。
答えやすい過去質問から入って、
将来の事を訪ねる未来質問をする
といった進め方ですね。
では、実際にどう質問の力を鍛えると良いのでしょうか?
3.質問力の鍛え方
質問力を鍛えるポイントを3つにまとめてみました。
(1)聴く姿勢(傾聴力)を身につける
質問は、相手の認識している事実や考えを引き出すものです。
ですので、まずはきちんと相手の話を聴くことが大切です。
聴くは8割などとも言います。
相手に目線を合わせ、出来れば身体も向ける。
作業中なら手を止めて、聴く姿勢を作ります。
「はい」「そうですね」「すれから」など相づちを返すとさらに効果的です。
そして、もっとも大切なことは、「沈黙」です。
相手が話しの途中で思案している場合は、じっと待ちます。
「沈黙は金」ですね。
最低30秒は我慢できる技を身につけましょう。
やってみるとわかりますが、30秒我慢するのか訓練が必要です。
日頃から意識してやってみましょう。
(2)相手の特徴を理解する力を身につける
質問は、相手に答えてもらうためにするものです。
相手の性格や行動の特徴などに沿った質問の仕方をしなければ相手に響きません。
また、経験の少ないメンバーに難解な言葉や表現を用いて難度の高い質問をしても、相手は理解できない上に、答えに窮します。
最低限、この質問をしたら相手はどう感じ理解するだろうと考えてみましょう。
また、相手のコミュニケーションスタイルを想定してみるのも有効です。
チェックシートにレ点を付けてどのスタイルか仮説を立てて対応してみると良いでしょう。
「違っていた」と感じたら、修正すればいいのです。
(3)相手が話したいことを想定する仮説力を高める
人は本来、自分のことや知っていることを話したがるものです。
なので、あなたの関心や興味のあることを質問しても、相手はうんざりしたり飽きてしまいます。
相手が話したいことを想像して仮説を立ててみましょう。
そのために、予め準備をしておくのも有効です。
話すシーンや状況からどんな会話になるかを想像していくつかの質問を
あらかじめ考えておきます。
ちょうど、スポーツ選手が、試合前にイメージトレーニングをするようなものです。
「こう話がきたら」「こう聴こうかな」とたくさんの質問を自分の引き出しにストックしておくと良いでしょう。
コーチングや聞く力などを検索キーワードにして自分なりに調べてみましょう。
あなたに合った取り組み方をぜひ見つけてみてください。
コミュニケーションの場面を理解しておく
さきほどのイメージトレーニングをする場合、コミュニケーションの場面も具体的にイメージしてみてください。
大きくは4つの分けられます。
まずは、発信と受信に分けます。
コミュニケーションは、
双方向なやり取りなので、発信と受信があって成立します。
また、
その伝え方も、論理的なシーンか、感情的なシーンかに分けられます。
この4つの分類をイメージでまとめたのがこちらです。
つまり、
①論理的な発信
③論理的な受信
と
②感情的な発信
④感情的な受信
の4つです。
具体的なシーンをイメージしてみましょう。
論理的な発信は、たとえば、
プレゼンテーションや会議、授業などで使われることが多いですね。
世の中の仕組みに沿ったコミュニケーションです。
「発表者は、発信が多く、時々受信をする」の繰り返しです。
一方、「参加者は、受信が多く、時々発信する」になります。
最近は、オンライン会議や授業が増えました。
こうした仕組みの中で、受信する上では、質問の必要性が高まっています。
もう1方の、感情的な発信や受信は、
好意を寄せる相手との自然なふれあいや、パートナーとの喧嘩であったり、期待との乖離からのクレームなど、
日々の会話の中で頻繁に発生する日常的にあるコミュニケーションです。
基本は、会話する人が平等に発信と受信を繰り返すのが理想と言われますが…
実際は、
おしゃべりな方がいると、その場を一人発信で独占状態にしたり、
攻撃的な気質の人がいると、場が沈黙の海に沈んでしまうことがあります。
こうした場での受信は、感情をしっかり受け止める質問が求められます。
受信では、最近は、オンラインで会話も楽しむことも増えました。
表情やしぐさから気持ちを読み取るスキルも高めておきましょう。
ご参考まで
4.まとめ
的確な質問が出来ると、人生やビジネスを思い通り進めやすくなる
メリット
・「出来る人」と思われる
・コミュニケーションが深めやすくなる
・相手が期待通りに動いてくれる
・質問の種類は4つ
開いた質問
閉じた質問
過去質問
未来(志向)質問
・質問力の鍛え方
聴く姿勢(傾聴力)を身につける
相手の立場を理解する力を身につける
話したいことを質問する仮説力を高める
・コミュニケーションの場面
①論理的な発信
②感情的な発信
③論理的な受信
④感情的な受信
・各質問にはメリットとデメリットがある
使うシーンとコミュニケーションの目的で、
質問を使い分けること
失敗を恐れず、どんどん使って見ましょう。
小さな場から始めれば、いずれ重要な場でもしっかりと質問できるようになります。
こんな記事も書いています。
良かったら読んでください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
終わり