ちょっと先
実りのある人生を実現する上で、ちょっと先の人生を見通すことは有益です。
そうした見通しを得る上で活用したいのが、経営戦略の手法です。これらは、経営者や管理者だけのものではありません。1人1人の人生を経営するためにも役立ちます。
今回は、そうした経営戦略の手法を応用した人生のライフサイクルをご紹介します。
人生にお悩みでしたら、お付き合いください。
1.人生のライフサイクル
始めに、今日お伝えしたい人生のライフサイクルをお目にかけたいと思います。
この図は経営戦略で使う製品ライフサイクルを、人生のライフサイクルに応用したものです。人生を4つの段階に分けて、それぞれの戦略テーマや課題を上げています。
4つ段階とは、
段階 およその年齢
学生期 0歳から21歳
成人期 22歳から43歳
壮年期 44歳から64歳
老年期 65歳以降
となります。
各段階は、
例えば、学校を卒業し社会人になる時のように、人生の節目で切り替わっていきます。
年齢はあくまで目安です。ご自身の事情で読み替えてください。
また、各段階で考慮することを、
基本戦略
スキル課題
健康課題
人脈課題
収支課題
としています。
これ以外もあるでしょうが、ここでは5つに絞りました。
それ以外を知りたい方は、ぜひ専門書で研究してみてください。
それぞれの時期を詳しく見てみましょう。
学生期
生まれて各種学校や大学などを卒業するまでの期間です。基礎的なスキルを学び、志向する専門性の探索や人脈形成、体力作りを図る時期です。
この期間は、学費などの支出が多く収支はマイナスです。高校生や大学生になってアルバイトを始めると収入が得られて徐々にプラスに向かいます。
技芸やスポーツに秀でた人の中には、すでに活躍している人もいることでしょう。最近、注目されている若手で言えば、将棋の藤井聡太三冠が思い浮かびました。昨年2020年の18歳における獲得賞金・対局料は、4,554万円だそうです。
こうした若くしてある領域で成果を出す早咲きの人もいれば、逆に舞台俳優で40歳になって注目されるような遅咲きの方もいるでしょう。
自分の目指す仕事の領域は、どのようなライフサイクルの放物線上にピークが来るかを認識しておくことも大事です。
成人期
多くの人は社会人になり企業に勤めるか、若い内から企業して独自の仕事を始める時期です。給料をもらったり、稼ぐ機会が増えて安定した収入が得られる時期です。
人脈も広がり、さらにスキルを高めるために学び、人との差別化を実践する時期です。時間と共に、収支もプラスが拡大していきます。
壮年期
社会で一定の地位と立場を確立している時期となります。収入はピークを迎え、その後下降し始めます。
家族や生活面で費用も多くかかる時期です。
基本的に今の位置を維持する戦略になります。
セカンドステージに向けて次のスキルを確認・準備する時期でもあります。
老年期
老齢基礎年金の受給を受けている人もいることでしょう。
そして、会社を退職して別の会社に再就職したり、そのまま会社に残り再雇用で働いているかもしれません。あるいは、この段階で独立し起業する人もいるでしょう。
一方、家計は、収支がマイナスになり退職金や預金などを取り崩す可能性が高いです。収入の安定化は最重要テーマです。
年金以外の収入源の確保やいろいろな制度の活用を模索することになります。
また、若い頃に出来なかった習い事を始めるなど、第2の人生をエンジョイし自己実現していると嬉しいですね。
いかがでしょう。
例えば、今が成人期のあなたなら、次の壮年期の様子から自分のやっておくべきことを考えてみましょう。次のテーマや課題は見えてきましたか?
2.私の場合
ピンと来ない方もいるかもしれませんね。
事例を見た方が分かりやすいかもしれません。
事例として私の場合を書いてみます。
今、成人期や壮年期の方にはヒントになるかもしれません。
私は今66歳ですが、この人生のライフサイクルを意識しはじめたのは40歳くらいでした。成人期の後半ですね(^◇^;)
もっと速くこうしたライフサイクルを理解しておけば良かったと反省しています。
今回は、振り返りも兼ねて、4つの段階を書いてみます。
学生期
スキル獲得が主要テーマなのに、そのころの私は勉強しませんでした。人生のライフサイクルも知りませんでした。
そんな状況なので、学校の成績は中の中。学校で目立つこともなく、いわゆる陰キャラでした(^_^;)
運動習慣もなく、なんとなく学生生活を終えてしまいました。
「ぼー」とした私は、
当時オイルショックで世の中が大変だったこともよく分かっていない世間知らずのおばかさんでした。
しいて何をしていたかと振り返ると、中学時代の初恋の相手が、マンガを書いているのに影響されマンガばかり読んでいました。当時、石ノ森章太郎先生が「マンガ家入門」という本を出していて、漫画家になりたいと漠然とした憧れを抱いていた程度です。
でも、完成したマンガもなく、懸賞に応募したわけでもなく、ただただ憧れただけでした。
その入門を読み返すと、石ノ森章太郎先生も、「若い内は勉強すべきだった、君たちも勉強した方が良い。」みたいなことが書いてあるではないですか?
尊敬する先生のお言葉も目に入らない本当にお馬鹿さんでした。
何も考えないままにとりあえず就職してしまいました。
今、学生の方は好きなことを見つけて学び始めることを強くお勧めします(^^)
成人期
無事会社に入ったものの私は焦りました。
周りの人は皆優秀だったのです。
特に同じ年に入社した方は本当に優秀でした。
IBMのメインフレームを使い職場用の統計プログラムをさくっと書き上げました。当時は、一括処理なので、プログラムとデータをパンチカードで打ってリーダーに読ませる方式でした(^_^;)エラーなんか出すと大量のプリント-用紙が印刷されるのでした(^_^;)
出典:Wikipedia フォートランのパンチカード
私も一部を手伝うことになって、そのプログラム言語であるFORTRANを独学しました。とにかくエラーを出さないようフローチャートを書き、FORTRAN言語に置き換えていきます。無事に結果が出ると嬉しかったですね。
その他、半導体の測定用プログラムをPDP-8のアセンブラーで作ることなどもしました。しかし、コマンドの意味もよく知らないで、先輩の作ったプログラムを真似ているだけでした。コンピューターの基礎知識を深く学ぶ必要性を感じました。
遅ればせながら本来、学生期にすべきことに気付きました。会社が近くの夜間短大に通わせてくれたので、必死に勉強をし始めた時期です。
情報処理の資格などもいくつか取りました。
当時の上級資格だった特殊情報処理技術者まで取りました。この資格で報酬などの恩恵を得ませんでしたが、論理的な思考を身につけるのには、役立ったと思います。
また、通信教育を受けまくり、いくつかの資格も手に入れました。たとえば、危険物乙四類や中小企業診断士の資格です。中小企業診断士の資格は、その後の副業のきっかけになりました。
何が幸いするか分からないものです。
その後、管理の仕事が増えて、経営学の知識を高めようと、通信制大学や大学院にも通いました。スキルについての差別化を必死に取り組んだ時期です。
また、この時期に人生のライフサイクルのことも学びました。しかし、もう成年期も終わりに近づいていました(^_^;)もっと早くにこうした理論を学んでおくべきでした。
壮年期
技術や企画で部長職も担当させていただき、収入もピークの時期でした。
そして、人生のライフサイクルを意識して、老年期に備え、資格を活かして添削の副業を始めたのもこの時期です。
数すると対したことはないですが、お小遣い程度の収入にはなりました。家も建て子供の養育費もかかり生活費がどんどん飛んでいく中では助かりました。収入の複線化を真剣に考えた時期です。
この時期は本当にお金に羽がはえて飛んでいくのですね。ご注意ください。
添削講師の様子は以下の記事をご参照ください。
独立も、考えたことがあります。
中小企業診断士の資格を活かして講師になろうと思いました。実現はしませんでしたが、行動することで兼任教員の道も開いたのは良かったかもしれません。
会社の方は、55歳頃に業績不振から唐突な組織変更や役職定年制の導入で、降格し収入も減り始まりました。生活は、突然変化することを実感しました。
次の準備は、リスクを見極めて早めに準備するのがいいようです。
老年期
そして、今66歳です。
昨年から老年期に突入しました(^_^;)
①健康な身体と脳を維持すること
②家計をマイナスにしないこと。
③心の健康を意識すること
などから、健康寿命を伸ばし、ピンコロを目指す。
取り組みを心がけている所です。
ざっと、私の様子を書いてみました。普通のサラリーマンが人生のライフサイクルのおかげでなんとか老年期まで生きて来れました。惜しいことをしたなあ、と思う点も沢山ありますが、過去は変えられません。成人期や壮年期の皆さんは、ぜひ早めのご準備をお勧めします。
ぜひ自分のサイクル位置を確認してみましょう。
夢や方向性を確認して、やるべきことを見定めてみてください。未来が実現しやすくなります。
3.おわりに
・人生に経営戦略の知識を活用する
・ライフサイクルは、ちょっと先に未来の鏡
・サイクル位置から指針を確認してみよう
ご紹介:人生のライフサイクル諸説
ライフサイクルの各段階の分け方には諸説があります。ユングやエリクソン、レビンソンなどが代表的なライフサイクル論です。
詳細は、以下のブログに詳しく書かれているのでそちらを参照されるとよいでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
こんな記事も良かったら読んでください。
終わり