太陽黒点数
太陽黒点数の記録が残っている1700年から2020年までのデータをまとめています。私がいくつかの統計データに関心を持ち記録している、その1つに太陽黒点数があります。
地球の環境変動への影響を知りたいためです。今回は2021年上期までのデータも記録に残したいと思います。多くの人は関心が無いテーマかもしれません(^_^;)
少しでも興味を持たれたら、お付き合いください。
作成2021年7月8日 更新2023年1月18日
2022年の年間月ごとのデータはこちらになります。
1.太陽黒点数の月推移
1949年~2021年6月までの黒点数
赤い棒グラフが月平均の太陽黒点数になります。
青い線は、13ヵ月の移動平均線です。
太陽黒点数はおよそ11年の周期で増減を繰り返しています。この周期は、黒点数の少ない極小期から次の期までを1活動周期として、1755年から順番に番号が振られています。
現在は、2019年12月から始まった第25活動期の初期段階です。徐々に黒点数が増えていますが、2021年6月の月平均黒点数は、25.4とそれほど多くありません。
最近の太陽黒点数推移
2008年12月から始まった第24期の太陽黒点数と最近6月までの数値を表にしました。
出典:WDC-SILSO、ベルギー王立天文台、ブリュッセル 注:2021年1月から6月は暫定値
これらのデータは天文年鑑をベースに把握しています。
2021年版の年鑑 p.214には、1955年1月からのデータが載っています。
最新のデータは、ベルギー王立天文台のHPを参照しています。
ベルギー王立天文台のHPは黒点数のデータを得るには便利で助かります。
家に居ながらこんな貴重なデータが得られる時代に感謝したいと思います。
ご紹介は残念ながら、URLがhttp:なので、JPGで掲載します。
それ以外の太陽黒点などの情報は、
国立天文台 HPが便利です。
以下がリンク先です。
2.太陽黒点数1700年~2020年
1700年~2020年の推移グラフて
手元の古い資料を整理していたら、長期の太陽黒点数の表が出てきました。
たぶん出典は、理科年表1993年版の太陽のウォルフ黒点数だと思われます。
出典に記録を残していないこうしたデータが沢山有って恥ずかしい限りです。
さて、
そういえば長期のデータを記録していません(^_^;)
そこで、今回データを取得して整理してみました。
最新の太陽黒点の公式数値は、ベルギー王立天文台で1700年から得られます。
上の1993年度版データは何カ所も修正されていたので使えませんでした。
まず、推移をご覧ください。
波の上の数字が周期番号です。(1755年が1番)
規則的な増減を繰り返している様子がうかがえます。
ちなみに第5期から7期は、ダルトン極小期(1790~1830年)と呼ばれる太陽活動の低かった時期です。
いわゆる小氷河期みたいな感じです。
氷河期といえば、太陽黒点数の公式データが残っていない時期のことになりますが、1645年から1715年までの「マウンダー極小期」が有名です。
この時期は、寒さが特に厳しく、”夏が来なかった時代”として知られています。
こんな絵が残されているような時代でした。
こうした厳しい時代は、技術や文明も変革する時代でした。
1700年~2020年の推移データ
こちらは、その数値版です。
縦軸が10年ごとの始まりの年を示し、横軸が0年~9年の各黒点数となっています。
こちらは、JPGで公開しています。
最近のアプリは写真から数値に変換できますのでそれを利用してみてください。
いずれ、PDFかEXCELを貼り付けできるようにします。
それまでは、JPGでご容赦ください。
さきほどの推移に、11年移動平均を追加したグラフです。
この移動平均を利用して数字のお遊びをしていきます。
±0を基準にしたボイスデータのような波に見えますね。
こうした数値を、FFT分析してみます。
FFT分析とは、高速フーリエ変換[Fast Fourier Transform]のことです。
上記のような波に含まれる周波数成分を解析するアルゴリズムです。
詳しくは、こちらをご覧ください。
とても分かりやすく書かれています。
移動平均をすると前後の5年分がデータから無くなるので、1705~2015年のデータをFFT分析し、周波数スペクトル化したのがこちらです。
縦軸が波の強さ、横軸が周波数を示します。
横軸の周波数は1から124の連番になっています。
これをたとえばピークのあった、23番目を周波数に置き換えると、
256÷23=11.13年の周期(周波数)であることが分かります。
今回の解析では11.1年の周期がもっとも多いという
黒点周期11年説を裏付け検証したような結果となりました。
もう少し詳しい解析をしてみますが、それは別の機会に譲ります。
今回のデータからは、
30番(8.53年)や
47番(5.45年)のような揺らぎが読み取れます。
また、5.3年や4.7年の周期も見られます。
こうした揺らぎを色々な社会現象と比較してみたいと考えています。
たとえば、気候や株価・経済活動との相関性です。
太陽面活動やその他の影響について
地球の気温を変化させる要因は、いくつもの要因が関係しています。
太陽黒点数の増減などによる太陽エネルギーの変化が主要因とは考えられていません。
最近の話題は、二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスの増加が気温の上昇をもたらすことでしょう。
また、大規模な火山噴火により成層圏にまで運ばれた火山性ガス(亜硫酸ガスや硫化水素など)が、日射を遮ることで気温の低下を招いた事実も過去何度かあります。
オゾン層の変化や森林破壊(耕作地の拡大)なども地球の気温に影響があるそうです。
それ以外、自然界の長い時間変動からの気候の揺らぎ”も存在すると言われています。
さまざまな変動要因を考える際には、これらの要因についても注意しつつ検討することになるのは承知しています(^_^;)
とはいえ、趣味なので黒点数を中心に色々なことを考えています。
変なことを書いた節は、ご容赦ください。
1949年~2020年の黒点数と株価の推移
たとえば、太陽黒点の推移と日経平均株価の推移を観察するとこんな様子です。
赤い棒が太陽黒点数で左が軸になります。
株取引が再開された1949年以降から2020年の終値までです。
どちらの数値も生情報だけでは相関性が無いように見えます。
それを数字をこねくり回して意味づけ出来ないかを考えています。
ほぼ趣味の領域ですね(^_^;)
3.終わりに
・黒点数は、第25活動期に入ったが増加は緩やか
・1700~2020年までの黒点数をデータ化した
・FFT分析で黒点数を分析するといくつかの揺らぎがある
・気温や経済活動との相関性から論点を考えていきたい
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
本編はここで終了です。
以下は、参考情報です。
お忙しい方は、
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参考:太陽と太陽黒点の基礎
太陽の構造
太陽は、直径が約140万kmと地球の約109倍もあり、太陽系の質量の99.9%を占める恒星です。
中心部の温度は約1.500万度で、表面温度は約6,000度となっています。
これは、中心核における核融合反応によるエネルギーによって発生しているのはよくご存じの事と思います。
地球から約1億5千万km(=1天文単位)の距離にあり、太陽が発した光は、約8分20秒かかって地球に到達します。
つまり今見ている太陽は、約8分前の姿と言うことになります。
太陽黒点とは
今回取り上げた太陽黒点は、太陽の低温部が黒く見えているものです。
太陽表面温度が約6000度に対して、黒点部分は4500度と低いので暗く見えます。
黒点からは磁力線が図のように伸びていて、太陽フレア と呼ばれる一種の爆発現象のトリガーになっています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
こうした記事も参考にしていただけると幸いです。
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終わり