健康

6月初め、市から「帯状疱疹ワクチン」の接種券が届きました。
私はこれまでヘルペスの発症経験があり、常に再発への不安を抱えていたため、帯状疱疹ワクチンの接種を迷わず決めました。この記事では、ワクチンの種類や制度、自身の接種体験、発症のメカニズムや統計的傾向をまとめています。同じように不安を抱える方、予防接種を迷っている方の参考になれば幸いです。
1.接種案内の概要
対象者は、令和7年度に65歳・70歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳・101歳以上の誕生日を迎える市民とのこと。私は70歳にあたるため対象となりました。
こちらが届いた接種券です。

補助制度については以下のように記されています。
ワクチンは、生ワクチンと不活性ワクチンに2種類があるそうです。
市の補助があって、
生ワクチンなら1回接種で2,700円
(補助無しだと、7,000円~10,000円)
不活化ワクチンは、1回あたり7,000円
(接種回数:2回)(補助無し20,000~40,000円)
「生活保護世帯」および、「市県民税非課税世帯」の人は、接種の前に伊勢原市健康づくり課に申請をすると費用が免除される。と書いてあります。
接種は、市内と近隣市の契約医療機関に予約の上、接種時に、接種券とマイナ保険証等(生所及び年齢が確認できるもの)を提出とあります。
接種期間は、令和7年4月1日~令和8年3月31日まで
なお、帯状疱疹ワクチンは、2025年4月から定期接種に指定されています。

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2.私の接種理由とこれまでの経過
私は幼少期に水ぼうそうにかかっていたようで、帯状疱疹ウイルスの潜在保菌者だと考えています。
加えて、これまで頻繁に口唇ヘルペスが出る体質で、40代には眼のヘルペスや突発性難聴も経験しました。
こうした背景から、ウイルス再活性化のリスクに対して備えたいという思いが強くありました。主治医に相談したところ、生ワクチン「ビケン」が現時点で最も実績があり適しているとの助言を得て、接種を決意。接種から1週間が経ちましたが、副反応もなく穏やかに過ごせています。
3.帯状疱疹とは?
帯状疱疹は、過去にかかった水痘(水ぼうそう)のウイルスが体内に潜伏し、加齢やストレスなどをきっかけに再活性化して起こる病気です。

再活性化すると、神経に沿って皮膚に水疱が帯状に出現し、「帯状疱疹後神経痛」という長引く痛みを引き起こすこともあります。
4.年代別の発症傾向
80歳までに3人に1人が帯状疱疹を経験するとされ、特に60〜70代の発症率が高いことが報告されています。

若年層でもリスクが上昇?
かつては高齢者特有の病気と思われていた帯状疱疹ですが、近年では20〜40代でも発症例が増加しています。その背景には2014年度からの幼児への「水痘ワクチンの定期接種化」による“ブースター効果の喪失”があると言われています。

引用:年齢別帯状疱疹発症リスクの推移(1997~2017)宮崎スタディより
20~49歳の若年層(赤線)においても、2014年以降にリスクが上昇していることが分かります。
このような、若年層における発症リスクの上昇には、「ブースター効果の減少」が影響していると考えられています。子どもに水痘ワクチンが定期接種されるようになったことで、日常的に水痘ウイルスに触れる機会が減り、大人の免疫刺激(再活性化のチャンス)が減少しているのです。
特に、育児世代である20~40代の方も注意が必要です。
5.ワクチンの種類と選択肢
帯状疱疹ワクチンには、生ワクチン(ビケン)と不活化ワクチン(シングリックス)の2種類があります。
生ワクチン「ビケン」
阪大微生物病研究会が製造する乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」です。国産の水痘ワクチンにも用いられる弱毒化した生きたウィルスを使用して製造します。安全性と有効性には実績があります。帯状疱疹ワクチンとしての認可は2016年3月にされていて、約9年の接種実績があります。それ以前から水痘ワクチン製造にも使われているウィルスを使用しているので、実際の実績は相当な期間になります。また、作り方はインフルエンザワクチンと同じ作り方です。

特徴:1回の接種で済むため手軽に接種できます。
効果:5年程度
効果はシングリックスに比べて低いとされています。
注意点:免疫力が低下している方や、妊娠中の方は接種できません。
不活化ワクチン(シングリックス)
不活化ワクチン「シングリックス」のメーカーはグラクソ・スミスクライン株式会社(本社:英国)です。認可は2020年1月ですが、接種の実績はまだ多くは無いようです。2025年に定期接種化されたので、これから実績がはっきりしてくることでしょう。

シングリックスは、ウイルスそのものを弱毒化した生ワクチンではなく、帯状疱疹ウイルスの表面に存在する糖タンパク質E(gE)を抗原とした世界初の組換えサブユニットワクチンです。
特徴:2回の接種が必要です。
効果:帯状疱疹の発症予防、帯状疱疹後神経痛の予防効果が高いとされています。
注意点:費用はビケンよりも高くなります。
なお、英グラクソ社は中国で贈賄事件で罰金530億円を課せられています。(日経経済新聞2014年9月19日)ちょっと心配な企業。
比較表で見る2つのワクチンの違い
それぞれの特徴を、具体的に比較してみましょう。

予防効果を重視する場合:シングリックスが推奨されます。
費用や手軽さを重視する場合:ビケンが選択肢となります。
免疫力が低下している場合:シングリックスが推奨されます。
接種回数を少なくしたい場合:ビケンが選択肢となります。
その他
帯状疱疹ワクチンは、帯状疱疹の発症だけでなく、帯状疱疹後神経痛の予防にも効果があります。ワクチンの効果は、接種後数年で徐々に低下するため、定期的な接種を検討する必要がある場合もあります。
ワクチンの副反応は、ビケンの方が比較的少ないとされています。
6.私が生ワクチンを選んだ理由
主治医からは「国内実績が豊富で副反応も少ない生ワクチンが現段階ではおすすめ」との助言を受けました。
不活化ワクチンは、将来的に選択肢となる可能性があるとのことでしたので、まずはビケンでの予防を選びました。
コロナワクチン接種の色々な噂もいまだ飛び交う中で、実績の無い新しいワクチンはやはり不安です。発症率が高い高齢者の私は、帯状疱疹の発症可能性が高いので接種はしたい。このジレンマを解消するには、まずは安全性の高い「ビケン」を接種して予防し、5年後の再接種時期に「シングリックス」の実績を見て判断することにした次第です。

7.おわりに
帯状疱疹は、誰もが発症する可能性のある病気です。とくに若い世代や高齢者、体調の不安がある方は、ワクチンによる予防が安心材料となるかもしれません。
この記事と図表が、皆さんの判断や医師との相談の手助けになれば幸いです。
参考になったと思ってくださった方は、ぜひご自身の体験や考えもコメントなどでシェアしていただけると嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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終わり
