人生設計
人生は計画通りに進むものではなく、偶然が大きな役割を果たします。スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提唱した「計画的偶発性理論」によれば、個人のキャリアの約8割が予期せぬ偶然の出来事によって決定されると言われています。この理論に基づけば、大切なのは未来を細かく計画することではなく、偶然を活かせるような行動を取ることです。この記事では、偶然がもたらすキャリアのチャンスについて、私の体験なども交えて、行動することの重要性を掘り下げてみます。良かったらお付き合いください。
計画的偶発性理論とは
クランボルツ教授の理論では、人生の大部分は計画通りには進まず、むしろ偶然の出来事がキャリアの方向を決定する要因となるとしています。例えば、以下のような3つの要素がキャリア形成には欠かせないとされています。
■予期せぬ出来事がキャリアを左右する
■偶然の出来事が起きたとき、行動や努力で新たなキャリアにつながる
■何か起きるのを待つのではなく、意図的に行動することでチャンスが増える
こうした考え方を持つことで、偶然の出来事をチャンスとして活かし、自分の人生にプラスの変化をもたらすことができます。
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偶然の積み重ねがもたらしたキャリアの変化
私自身の経験も、この理論に深く関係していると感じます。定年後に再雇用で働いていた頃、ある大学の研修講師の仕事に応募しました。しかし、面接に進んだものの、あと一歩のところで不採用となってしまいました。この経験から、「覚悟が足りなかったのではないか」と自問し、会社を辞めて採用試験に集中する道を選びました。振り返れば、この決断は軽率だったかもしれません。結果として、予想以上に貯蓄が減り、不安を抱えながら次のステップへ進むことになりました。
そんな中、以前面接を受けた大学から連絡がありました。リポート添削の兼任教員の募集があるというのです。思いがけないチャンスでした。クランボルツ教授の理論を思い出し、募集に応じて面接を受けた結果、その場で内定を得ることができました。このように、偶然の出来事が新たなキャリアへとつながることを身をもって体験したのです。
偶然をチャンスにする行動特性
計画的偶発性理論では、偶然の出来事をチャンスに変えるために、以下の5つの行動特性が重要であるとされています。
■好奇心(Curiosity):
新しいことに興味を持ち続ける
■持続性(Persistence):
失敗してもあきらめずに努力する
■楽観性(Optimism):
何事もポジティブに考える
■柔軟性(Flexibility):
こだわりすぎずに柔軟な姿勢をとる
■冒険心(Risk Taking):
結果がわからなくても挑戦する
これらの特性を意識しながら行動することで、予期せぬ偶然を自分のキャリアに活かしやすくなります。
夢を持ち、行動を起こすことの重要性
多くの人のキャリアは、決められた一本道を進むわけではなく、試行錯誤を繰り返しながら形作られていきます。確かに、将棋の藤井聡太七冠のように、幼少期から一つの道を定め、努力し続けることで目標を達成する生き方もあります。しかし、それは特別な例であり、ほとんどの人は迷いながら、偶然を活かしながら自分のキャリアを築いていきます。
重要なのは、夢を描き、それに向かって行動することです。行動することで偶然のチャンスをつかむ機会が増え、キャリアの可能性も広がります。偶然をただ待つのではなく、積極的に行動しながらそれを活かしていくことが、充実した人生を送るための鍵となるのではないでしょうか。
偶然から生まれた発明の例
科学技術の発展では、偶然の発見が大きな役割を果たしてきました。例えば、以下のようなエピソードがあります。
山中伸弥氏(iPS細胞):米国で動脈硬化の研究を進める過程で、偶然にもがんに関する研究へと導かれ、そこからES細胞の研究につながった。その成果がiPS細胞となり、再生医療や薬の開発へと活用されている。
田中耕一氏(ソフトレーザー脱離イオン化法):コバルト微粉末に誤ってグリセリンをこぼしたことで、タンパク質のイオン化に成功し、ノーベル化学賞を受賞。
天野浩氏(青色LEDの素材ー窒化ガリウムの生成):不調な電気炉で試験したところ、良質な窒化ガリウムの結晶層が形成された。
ウイリアム・ショックレイ氏(接触型トランジスタの発明):失敗を重ねた計画的な実験過程からの偶然に誕生した。
これらの例からもわかるように、偶然の出来事が科学技術の大きな発展をもたらすことがあります。しかし、それは単なる幸運ではなく、日々の探求と挑戦が偶然を活かす力となっているのです。
まとめ
計画通りに人生が進むことは稀ですが、だからこそ、行動することが大切です。偶然をチャンスに変え、柔軟な姿勢でキャリアを広げていくことで、より充実した人生を歩むことができます。夢を描いたら、それに向かって一歩踏み出してみることで、新たな可能性が広がることでしょう。
あなたは、夢に向かって行動していますか?
夢の実現を陰ながら応援しております。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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終わり