まねき猫の部屋

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想定外について再度考える

問題

0-表紙ー想定外と想定内

 想定外という言葉は、2011年の福島原発事故の後から耳にすることが多くなった言葉の1つです。2020年のコロナウィルスの感染拡大も想定外の事態でした。

 こうした経験から、想定外と想定内を認識しておくことが大切だといわれるようになりました。とはいえ、想定外を理解することは中々難しいようです。

 そこで、スマホiPhoneスペックや、福島第1原発津波被害と関西空港が浸水した事例から想定外と想定内を見ていきたいと思います。

 何かのヒントになれば幸い程度の記事です。興味を持たれたらお付き合いください。

 

目次

この記事は過去の内容を再編集したものです。

 

想定外と想定内

 最近の想定外といえば、参議院選挙で参政党が大幅に議席を獲得したことでしょうか?共同通信の事前調査が外れたことで、電話調査の限界も話題になりました。

 

1-0-2025年参議院選挙結果による国会の新勢力図


さて、

本日は、この想定外を考察してみたいと思います。

ここで言う想定外とは、事前に予想していた範囲を超えている状態を言います。

 

1-2-想定外と想定内

一方で、この想定外の範囲は意外と曖昧です。

わかりやすいように製品を例に考えてみます。

製品は、動作仕様書で想定した動作範囲を確認することができます。しかし、実際にメーカーが想定している範囲までは、なかなか読み取れません。

たとえば、iPhone15の技術仕様を検索すると、動作環境についての保証範囲は、このように書かれています。(古い機種の話ですみません

 

1-3-iPhone15の技術仕様

iPhone15の動作範囲は、
・動作時環境温度 0°~35℃
・相対湿度    5%~95%
ですね。

一方で、メーカーは、この動作保証範囲を担保するために、より広い範囲でのテストやシミュレーションを行って確実に動作する設計条件という「設計の想定内」を設定しています。

そのため、iPhoneは動作保証温度35℃以上の炎天下でも動作しています。

この設計条件の多くは開示されていません。それが事業のノウハウなのでしょう。

真夏の35℃を超える環境でも、iPhoneが使えるのはこうしたおかげでもあります。

 

1-4-動作保証の範囲

 

もう少し想定外を詳しく定義してみます。

想定外は、

・リスクを予想出来ていなかった(予想外)

・予想はしていたが、対策すべき問題とは認識していなかった(狭義の想定外)

に分かれます。

 

福島第1原発津波被害

想定外の事例でよく取り上げられる福島第1原発津波被害について見ていきます。

2011年3月11日の東日本大震災で、福島第一原子力発電所は、地震発生から約50分後に大きな津波の直撃を受けました。同原発を襲った津波の高さは、15mあったとみられています。想定外の巨大津波によって主要なエリアのほとんどが浸水したと報道されています。

当時の福島第一原子力発電所を襲った地震による津波の規模と浸水状況を東電自身がHPで以下のように解説しています。

2-3-福島第一原子力発電所を襲った地震及び津波の規模と浸水状況

ここで、注目したいのは想定していた津波の大きさは6.1mだったことです。

意外と低い。

そのことから、この被害は人災ではないかと問題視されました。

こちらは、失敗学に書かれていた原発の護岸の高さと津波の規模を示した図です。

福島第1原発の津波被害

福島第1原発は、設計上海抜10mの高さにありましたが、15mの津波が来た訳です。

2-4-福島第1原発の津波被害の写真

そうなると浸水しますね。


 当時の津波の様子が写真で残っています。
この津波で、原子炉の熱を海に逃がすためのポンプなどの屋外設備が破損するとともに、原子炉が設置されている敷地のほぼ全域が津波によって水浸しになりました。

 タービン建屋が低地にあったため内部に浸水し、電源設備が使えなくなり、原子炉への注水や状態監視などの安全上重要な機能を失いました。

 また、津波によって押し流された瓦礫が散乱し通行の妨げとなるなど、様々な被害を受けています。

 津波による浸水の影響が大きかったことがわかります。一方で、その浸水のリスクへの検討不足が問題視されたわけです。

こうした災害発生は、見直しの材料として活用すべき事例でした…

 

 さて、この2011年の浸水というリスクを、自分事として参照しなかった事例が、2018年の関西空港の台風被害です。

 

関西空港台風被害

 関西空港は、2018年の台風21号による高潮と海面潮位の上昇によって浸水しました。しかも、地下1階に電気設備を設置していて、空港が水没したことで、電源系統にも甚大な被害をもたらしています。

 この状況は福島第1原発津波被害ときわめてよく似ています。

 また、空港が運用開始時から3.4mも地盤が沈下して海面から1.4mしかなくなっていたことも判明し海上空港の設計リスクの問題も多いことが分かりました。

当時の浸水の状況を水没前と比較した写真がこちらです。

3-1-関西空港台風被害で空港が浸水

 浸水したのは、滑走路の地盤沈下と護岸の高さの設計上の考慮不足です。どちらも空港開設から問題視されていましたが、2011年の福島第1原発津波被害経ても改善されていませんでした。

 

3-2-関西空港台風被害ー想定値が低い

 

地下の電源施設の浸水の様子です。

 

3-3-関西空港台風被害ー地下電源施設に浸水

関西空港台風被害は、大きくは2つとなります。

3-5-関西空港台風被害の概要

1.滑走路ふくめ浸水、空港の機能停止
2.タンカーが衝突し避難ができなくなった

 

その後、関西空港は以下のように対策を公開しています。
この対策、どうなんでしょう?

 

3-5-関西空港台風被害ー対策の概要

 

地盤沈下への対策は書かれていません。

また、連絡通路の対策も見当たりません。

想定外と言う言葉は、ある意味便利な言葉です。

おわりに

 2011年の福島原発事故などから想定外の事例を確認してみました。過去の経験やリスクへの対応の甘さが露呈するケースが散見されるようです。

BCPなどの事後対策の行動計画を強化する動きや、リスクの明確化が話題になりましたが、最近の状況はどうなんでしょう。

最近のお米の高騰や、店頭から無くなる事態も、コロナ禍でもあったような(^0^;)

のど元過ぎたら、「熱さ忘れる」のようにも感じます。

想定の内と外に中々難しい。

お話なのかもしれません。

 

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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終わり