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今日は、PEST分析を人生設計に役立てるヒントをお伝えしたいと思います。
PEST分析は、経営戦略の外部環境分析に用いるフレームワークです。
人生設計では、あなたに関わる大事な影響点を見つけ出すことに利用します。
考え方はシンプルですが、未来予想が入るので少々コツが必要です。
ここでは、人生設計用に直感を活用し簡単にまとめるポイントを書いてみました。
お困りの方は、お付き合いください。
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お忙しい方は一部だけでもご覧ください。
お忙しい方は、「終わりへ」を「プチ」とすると文末に飛びます。
このシリーズの以前の記事はこちらからどうぞ
①ライフサイクルで少し先の未来を予想する-人生設計に経営戦略手法を - まねき猫の部屋ーブログ
②SWOT分析で自分を知る-人生設計に経営戦略手法を - まねき猫の部屋ーブログ
③戦略マップで行動を見える化する-人生設計に経営戦略手法を活用する - まねき猫の部屋ーブログ
1.PEST分析とは?
PEST分析とは、あなたがコントロール出来ない外部のマクロ環境を把握するためのフレームワークです。
フレームワークとは、何かを考えたり、分析したりするヒントを得るたたき台です。
先人の知恵を定石としたものというと分かりやすいでしょうか?
PEST分析の記入例をお見せします。
これは、老年期を迎えた私のPEST分析をしたものです。
PESTのマクロ環境要因は以下の4つです。
Politics(政治)
Economy(経済)
Society(社会)
Technology(技術)
この4つの頭文字を取ってPESTと名付けられました。(PEST:ペストと読みます)
それぞれの主な内容と例はこんな感じです。
Politics(政治):
法改正や政府の動き 例 年金法改正
Economy(経済):
収入や支出の変化 例 消費税増税
Society(社会):
人口動態や文化の変化 例 少子高齢化
Technology(技術):
新しい技術 例 AI・バイオ技術
こうした要因について、自分の将来に影響のありそうな出来事の仮説を立て、人生設計の検討要素として利用していくことになります。
SWOT分析の機会や脅威の材料となります。
図表:人生設計の検討ステップ
SWOT分析の詳細は以下の記事をご参考ください。
お忙しい方へ: 終わりへ
2.PEST分析は未来予想
PEST分析は、将来の出来事について仮設を立る未来予想です。
たとえば、
いま社会面で関心の高い未来予想の1つに「人生100年時代」があります。
人口動態の変化から、高齢化の面から予測した仮説です。
もし自分が100歳まで生きるとしたら……
・定年後の年金はどうなる?
・貯金はどのくらい貯めたらいいのか?
・介護を受けるようになっら住宅はどうしよう
・車の運転はいくつまでやれる?
・……
など色々な心配ごとが出てきます。
これらについてすべて仮設を立てていくとなると大変なことになりそうです。
参考にしようと、ネットで「人生100年時代」を検索すると…
政府広報や保険会社の案内が冒頭に並びます。
心配事がさらに増えそうなことが色々書いてあります(^_^;)
(スクショは著作権法の改正が怖いのでパス)
やがて、
考えることが多すぎて面倒になって分析をする気が失せていきます(・_・;
忙しい方へ: 終わりへ
3.人生設計ではどうするか?
そこで、PEST分析を人生設計に用いる時は、
・直感で要素を選ぶ
・読めない仮説は立てない
・定期的に分析した仮説を見直す
をお勧めします。
直感で関心のある未来の出来事を選んでいきます。
また、上計画に手く繋がらない時はさっさと引っ込めて、熟すまで寝かせます。
現代のように環境の変化が加速している時代では、グズグズして行動しない方がリスクが高い可能性があります。
とりあえず仮説を立てたら動いてみる。
そうして行動で見えてきたことから、また仮設を立てて次の行動に移していきます。
それに、未来予想がピタリと当たってその通りになった人生は「楽しい」といえるでしょうか?
哲学的な命題でした。
すみません。
人生設計は、計画を作ることが目的ではなく、行動に役立てることが大切です。
計画は直感でサックと決めて、実行を大事にしていきましょう。
「直感で大丈夫?」と心配する方もおられるでしょう。
でもご心配いりません。
ソフトバンクの孫さんが超高速PDCAの中で直感を薦めています。
参照:マンガでわかる!孫正義式超高速PDCA p.32,39
計画に時間がかかりすぎると、実行に辿りつかないことも(^_^;)
もう少しこの辺りのことを詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
作ってみたい人のために、PEST分析のテンプレートをご用意しました。
このテンプレートをコピーして、
パワポに貼り付けて、
文字を書き加えれば「サック」と完成します。
さきほど、ちらっとお目にかけた老年期の私のPEST分析をご参考までにもう一度お見せします。
「えー、こんなこと書いて大丈夫?」
はい、 好き勝手書いています。
でも、大丈夫です。
おかしいと計画時点に感じたら、お蔵に入れておきましょう。
その程度でかまわないと感じていただければ、簡単に書けそうですよね(*^O^*)
ぜひ、あなたも人生設計の外部環境分析でお困りでしたら、活用してみてください。
忙しい方へ: 終わりへ
4.まとめ
・PEST分析は外部マクロ環境分析
・環境要因は以下の4つ
Politics(政治)
Economy(経済)
Society(社会)
Technology(技術)
・SWOT分析の機会や脅威の材料になる
・PEST分析は未来予想だけに難しい
・人生設計に利用するコツは3つ
項目は直感で選ぶ
読めない先の仮説は立てない
定期的に設計図を振り返り見直す
人生設計の環境分析でお困りの時は、PEST分析を利用してみてください。
人生設計の作り方について、最初から確認したい方はこちらをどうぞ。
忙しい方へ: 終わりへ
5.おまけ:人生100年時代をどう扱う?
PEST分析を、詳細に検証するとどうなるか事例を書いてみました。
とてもとても(^_^;)くどい読みにくい記事になってしまいました。
しかも、うまく終わってないし…(^_^;)
なので、おまけに付けることにしました。
お忙しい方はパスでどうぞ。
忙しい方へ: 終わりへ
改めて「人生100年時代」をテーマに確認してみます。
この仮説は、『LIFE SHIFT ―100年時代の人生戦略』(2016年)が発売されて話題になったものです。
政府も、17年9月に「人生100年時代構想会議」を設置して、議論をしています。
出所:知恵蔵Miniの解説 人生100年時代
この「LIFE SHIFT」の序章に、次のようなことが書かれています。
いま20歳の人は100歳以上、40歳の人は95歳以上、60歳の人は90歳以上生きる確率が半分以上ある
2007年に日本に生まれた子どもの50%は107歳まで生きる
参照:LIFE SHIFT ―100年時代の人生戦略より
平均寿命は徐々に伸びており10年毎に2~3年延びている。伸び率が将来も続くと、現在12歳の子は107歳まで半数生きると主張しています。
まずは、その主張に同意出来そうか、検証してみましょう。
平成29 年簡易生命表によると、男の平均寿命は81.09 年、女の平均寿命は87.26 年とな
っています。
平均寿命の延びを1955年(昭和30年)から2017年(平成29年)でグラフにしたのがこちらです。
1955年から2017年の62年間で、平均寿命が
男性が17.49歳、女性が19.51歳、
伸びています。
この点から計算すると、
男性は、17.49÷62=0.28年
女性は、19.51÷62=0.31年
となります。
10倍すると、10年で男性は2.8年、女性は3.1年、寿命が延びているといえます。
「LIFE SHIFT」で、
「平均寿命は徐々に伸びており10年毎に2~3年延びている」
としたのは、こうした理由だと推定できます。
こうした予想は、線形予測と言います。
この約60年の伸び方が一直線に続くとする予測の仕方です。
出典:平成29 年簡易生命表を元に、招き猫が作成
2100年まで書くと図が見づらいので2065年で止めました。
2065年まで線形で予測した結果は、104.8歳でした。
式から2105年の線形予測値は116歳となります。
しかし、この線形予測のグラフを見て違和感を感じませんか?
なんだか
最近は伸び率が少なく寝ている
感じがします。
そこでこんなグラフも書いてみました。
こちらは、対数で予想したグラフです。
対数の予測は未来に行くほど伸び率が緩やかになる予測の仕方です。
今度は、少々グラフが寝ていて伸び率が現状より少ない感じがします。
しかし、先ほどの線形予想よりはいくらか見通しが良いように見えます。
出典:平成29 年簡易生命表を元に、招き猫が作成
この式を用いて2065年を予想すると、90.6歳でした。
2105年で93歳となりました。
別の資料を見てみましょう。
国立社会保障・人口問題研究所 平成29年度推計に100歳以上の予想人数があります。
出典:平成29 年度推計を元に、招き猫が作成
グラフ
2100年で635千人です。人口比ではわずか1%でした。
もう一つ、数字を見てみましょう。
2107年に100歳ちょうどの人の数は157千人と予測されています。
2007年に生まれた子供の数は、1,090千人なので、生存率は、157÷1090=14.4%しかありません。
私は、「LIFE SHIFT」の仮説「人生100年時代」を否定する訳ではありません。
将来、バイオやロボット技術が進歩して寿命は飛躍的に伸びる可能性があります。
しかし、半数の人が100歳以上の生涯を送るとするのは、どうでしょう。
こうした技術を享受できるのは、お金やある条件に恵まれた一部の人になるのではないかと感じています。
また、こうした力を利用せず、自分の寿命を全うしたい人もいるでしょう。
これも私の主張なので反論もあると思います。
ここまで分析してみた私の感触は、
現時点で100年も先の予想に振り回されるのは気をつけなくてはならない
と言うことです。
100歳まで生きると想定して、貯蓄や生活設計をすることは、変化要素が多すぎます。
こうした想定を頭の墨に止める程度でいいのではないか?
たとえば、私の場合なら…
機会
「寿命を伸ばす技術が実現している」
脅威
「医療の高額化で家計が悪化するかもしれない」
を環境因子として書いておくことで済ませたい。
そして、課題として
・収入>支出を実現する行動を探る
・健康寿命の伸ばすため工夫を考える
くらいを設定するので十分かなあと感じた次第です。
後は、年1回の見直しはきちんと行う。
ずいぶんと文字数使ってしまいました。
(^_^;)
おまけはこれで終了です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
終わり
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