まねき猫の部屋

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未来の萌芽 その参(最終回)

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2回に渡って「未来の萌芽」に関わるお話しをしてきました。
1回目は、新商品の売れ方はS字曲線に沿い、初期段階にある数を超えると一番になるお話
2回目は、太陽黒点数と経済循環の関連性について、周期性の点から未来予測が可能か考察を試みました。
そして今回は、それらを総括して「で、私たちはそれをどう利用すると良いのか」を考えてみたいと思います。

  

ご参考まで:1回目と2回目のブログの紹介 

 

さて、本題を始める前にこんな本の紹介から始めます。

「予測ビジネスで儲ける人びと-すべての予測は予測はずれに終わる」
という本です。

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出所:ウィリアム シャーデン著 ダイヤモンド社 (1999年05月)
 
アマゾンのURL:

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「あれ、予測がはずれる話しをするんだ」と思われた方、もう少し我慢しておつきあいください。

この本は、7つの分野について、予測が当たらないことをこれでもかというくらい沢山のデータを示して説明しています。
(天気予報、経済・景気、株価、人口、技術、社会トレンド、経営)
こうした事例を見ると、未来は予測できないお先真っ暗な世界と感じます。

しかし、そこは大丈夫。こうも述べています。

 「未来が予測不可能であるとの私の「仮説」が証明されたかたちになった。
  中略
  その一方で、未来が予測できなくても、

  心がけ次第でうまくやっていけることが分かった。」
  引用:同上の本 はじめにのp.ⅲから

また、その心がけについて、こうも述べています。

 「未来が予測不可能だからといって、
  先のことを考えなくても良いというものではない。
  この先どうなるかナリオを考え、それに基づいて計画を修正することで、
  将来設計をしていかなくてはならない。
  なんの将来設計もないとすれば、それは無茶というものだ。
   略
  ビジネスや私生活をうまくやっていいけるかどうかは、
  将来に関する情報の中からどれを選択し、
  どれを信じて行動するかによって左右される。
   略
  役に立つ情報をどうやって選び出すか。そのコツを身につける必要がある」
  引用:同上p.20


つまり、

 なりたいシナリオを書いて、
 将来設計を修正しながら、
 正しい選択行動をする、

ということのようです。

とはいえ、どう心がけたら良いのか「ツボ」を考えてみましょう。

ちなみに、ここでは「ツボ」の話しをします。「コツ」ではありません。(*^▽^*)
「ツボ」は、伝えることが可能で、知れば知識にできます。
「コツ」は、学んで実践して、体で覚える必要があります(訓練・経験が必要)

(その点について、ご興味の湧いた方は、以下の記事の最後辺りをご覧ください)

 

 

ツボその1:なりたいシナリオを書く


まずは、どんな手法を使っても良いからシナリオを書いてみることです。

シックスシグマという改善の手法では
「Write it Down」といって、とにかく書くことを推奨します。

頭の中にあることは、思いの外あいまいで具体性に欠ける場合があります。
書くことで頭の中が整理され、自身の想いの再認識にもなります。

書くためには、手法を活用するとさらに良いでしょう。
書くことのヌケやモレが少なくなります。
あなたのお気に入りの方法を使ってみましょう。

例えば、
引き寄せの法則を使う。
仮説検証サイクルで描く。
シナリオプランニングを用いる。
などなど

1つ例を書いてみました。
道具として「シナリオプランニング」を使っています。

「シナリオプランニング」では、
なりたい自分の夢、テーマを決めて、その時間軸(タイムフレーム)を定めたら、
将来起こりえる環境変化を想定して、リスクに備えた複数のシナリオを用意します。

たとえば、「3億円貯めて、その後は自由気ままに生きよう」という夢を描いたとします。
そのゴールを10年後(時間軸)としたら、時間の逆算をしていきます。

2028年(10年後) 会社を売却して3億円を得、海外の△△で気ままな生活に入る
2026年( 8年後) 会社の資産価値が1.3億円規模の経営が出来ている
2025年( 5年後) 1500万円の資金で○○の事業を本格的に開始する。 
2020年( 2年後) 200万円を元手に運用開始。貯蓄も継続。起業の準備を始める。
2018年(今から) お金を貯めるために必死に働く。節約も徹底。投資の勉強もする。

これが、スタートとなる基本のシナリオです。
(こう書くとけっこうハードですね。山が高いと努力もかなり必要です(^_^;)

そして、このシナリオに起こりうる環境変化(リスク)を考えます。
大切なことは、自分にとって最悪の状況は何かを想定することです。

たとえば、「株式市場が大暴落して、運用資産が半減する」
とかです。
それに対してあらかじめどう対処するかを考えてシナリオ化します。
対処は、あらかじめ出来ることの予防措置発生した時の行動の2つで記述をしておきます。これで、大方の事には素早く対応できるようになります。

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出所:「10年後の自分を考える技術」p.52

アマゾンURL

http://amzn.to/2nPhphw

 

ツボその2:シナリオは、パターンを使って予測する

目的と目標を定めるために、パターンを使いましょう。

たとえば、「つぼその1」で、X 後の貯蓄目標と実現時期を書きましたが、
それを決める時にパターンを用いました。

いくつかのパターンを知っておくと便利です。

お金については、指数近似を用います。
「つぼその1」の例だとこんな感じ

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その他、寿命のあるものはS字曲線が有効です。
新製品の売上げ推移、人の成長、企業の成長、製品のライフサイクルなどなど

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どんなパターンで自分が目標を実現するかは、あなたのお好み次第です。
 先行型なら、パターンA(対数関数的)ですし、
 猪突猛進なら、パターンB(一直線の直線近似)
 後半追上型なら、パターンD(指数関数的)

となります。

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それと、自分にとって最悪の状況をどう想定するかがとても難しいですね。
そこで利用できるのが、周期性のパターンを利用します。

過去に発生したパターンを調べて、活用することが有力な手がかりとなります。

パターンから過去の出来事を知ることは、将来のリスクの参考になるはずです。

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左図出所:「予測のはなし」大村平著 p.216 
右図出所:「周期の研究」飛岡健著 P.113

二度あることは三度ある
  例 株価の大暴落(1929年と1990年代の類似性)
歴史は繰り返す    
  例 ファッション ミニスカート 1967年ツイギーブーム 1980年代のバブル期
人のふり見てわがふり直せ
  例 先行する日本の歴史と韓国の歴史に30年のズレで類似性

など、多くのパターンがあなたのリスクを示してくれるでしょう。


また、シナリオを書く上でどんな道順のパターンになるか考える上では、伝記を読むこともお薦めです。その人の歩んだ人生の軌跡は、これからのあなたの羅針盤を与えてくれます。


ツボその3:将来設計を修正する→振り返りの徹底

人生は、よく山登りにたとえられます。
山道を道に迷いながら、山頂を目指す様子が似ているからかもしれません。

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現代は、未来がずいぶんと不確実で、しかも変化のスピードが加速しています。
そのため、始めに良いと思ったことがリスクになっているかもしれません。
その逆の脅威と思っていたことが、チャンスになっていることもあります。
描いた夢や目標は、時々振り返り修正することが必要です。
また、予定通りに進んでいない時は、一度立ち止まって行動を修正しましょう。

そうした振り返りを、時によっては走りながら行うことになります。

振り返りの方法にも様々な手法があります。特徴的な方法を2つ示します。

1.KPT((ケプト)法
プロジェクトマネジメントなどで使われる振り返り手法
(Keep、Problem、Tryの頭文字から命名
アジャイル開発と呼ばれる短期開発で目標や要求定義が曖昧なままプロジェクトを始める時などに使われる振り返りの手法です。定期的に振り返る時にお薦めです。

始める時に、まだ夢が曖昧だったり、目標が定まらない時に使うと良いでしょう。

進め方は、
1.何が良かったのか、今後続けたいもの、工夫したこと(Keep)
2.何が問題だったのか、新たに問題として出てきたこと(Problem)
3.1と2を踏まえて、次回やってみたいこと、新たに挑戦したいこと(Try)
を紙やパソコン上のシートに埋めて記録し、3を次の活動に活かします。

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2.AAR
米陸軍で行われている事後検討手法(after action review)です。
これは、何かをし終えた後に活用できる振り返りの手法です。

進め方は、
1.私のやろうとしたのは何か
  (観察したこと、自分の目にとまったこと、自分の耳で聞いたことは何か)
2.実際に何が起きたのか
3.なぜそうなったのか
  (自分がその活動をする以前に期待として抱えていたこと)
4. 次回我々がやろうとするのは何か
  (1.2.3を踏まえて次に取り組んでみること)


これをKPT法と同様に記録し4を次の活動に活かします。

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人が成長するのに必要なことは、学習と経験です。
この両輪をバランス良く回すことが成長を加速します。

どんなに本を読んでも、どんなに講習会に出たとしても、実践では役に立ちません。
学んだことを実践して経験することや、訓練によって身につけることが必要です。
学んで実践して「コツ」を身体で覚えましょう。

 

ツボその3:正しい選択行動をする

選択行動には、決断のタイミングがあります。
以下のパターンが参考になるでしょう。

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「チャンスの神様には前髪しかない」という言葉を聞かれたことがあると思います。

チャンスは迷わずにゲットしないといけませんが、そんな芸当は早々出来るモノではありません。
迷わないためには、あらかじめ行動を予測して準備しておくことです。
そのヒントが「未来の萌芽」を読み取る力をつけることにあります。
パターンを活用して、あなたなりの「未来の萌芽」をぜひ掴んで見てください。

 

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引用:wikipediaカイロス」より

 

やっと、主題の落ちにたどり着けました(*^▽^*)
お後がよろしいようでm(_ _)m

(おいおい、ちょっと強引すぎませんか~)

(^_^; 

(金曜日超えてしまいました(;。;)残念)

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

一応のまとめ

 関心を持つ(自分のテーマを決める)
 未来の萌芽を逃さない(アンテナを高く上げる。観察を欠かさない。)
 シナリオを立てる(自分の行動をパターンを用いて予測して具体的に書く)
 実行する(タイミングを逃さない)
 振り返る(修正のためのフィードバックを欠かさない)