血糖値が上がりにくい食品と食べ方
健康のため、食品のカロリ-やタンパク質などの量を気にされている方は多いことでしょう。そうした健康志向の方に注目されているのが低GI食品です。
とはいえ、食品のGI値を知るのは中々大変です。
そこで、主な主食品のGI値とカロリーを一覧表にしてみました。
興味を持たれたらお付き合いください。
作成2021年4月15日 更新2024年6月27日
この記事は2019年7月8日の内容を最新データで書き改めたものです。
GI値とカロリーの関係
GI値とは
GI値とは、グリセミック・インデックス(Glycemic Index:血糖指数)の略で、食べた食品に含まれる糖質が血液中の血糖値をどう上昇させるかを表した指標です。
人が活動する上で不可欠なブドウ糖(グルコース)を基準の100として、それぞれの食品の血糖値上昇過程を指数化しています。
注:最近、白米を100とした基準のGI値も発表されているので、何を基準にしているかよく確認しておきましょう。
詳細は、文中に書いてあります。
GI値は、糖尿病などの方が血糖値をコントロールする上で利用されていました。
それが、最近の健康ブームで糖質制限ダイエットに有効だと注目されています。
人が活動する上で必要なブドウ糖の量(消費カロリー)は、その人の基礎代謝量や生活スタイルでほぼ決まっています。しかし、過剰に食事をしてそれ以上のブドウ糖を吸収したり、運動しないと行き場のないブドウ糖が脂肪となるのが肥満です。
そのためダイエットをしている人は、摂取カロリーを気にされていることでしょう。
一方、血糖値の上がり方は食材や食べ方で変わり、血糖値をコントロールするインスリンの出方も変化します。
その時ブドウ糖が過剰だと、脂肪細胞に溜まりやすくなります。
そうしたことから、GI値が注目されています。
GI値の目安は以下の通りです。
高GI食品 70以上の食品
中GI食品 56~69の間の食品
低GI食品 55以下の食品
できるだけ低GI商品を選びたいですが、中高GI食品も食べ方を工夫すると値を減らせます。
主食品のGI値とカロリーの一覧表
主な主食となる食品のGI値とカロリーを表にしてみました。
右にデータの出典元を書いておきました。
ごはん
たとえば、
炊いたご飯のGI値は86と高GI食品になります(^_^;)
ダイエットの時に、ご飯を敬遠するのも分かります。
しかし、「卵かけご飯」にすると、なんとGI値が76に減ります( ^o^)
さらに寿司飯(酢の入ったご飯)になると、GI値は58に減ります(*^O^*)
五穀米GI値55や玄米GI値50のような色付きのご飯なら、低GI食品となります。
このように食べ方やお米の精米度合いによってGI値は変化し、それを応用することで血糖値の上昇を穏やかにできます。
ちなみにお米の種類でもGI値は変わります。
(ここでは日本米の短粒種で説明しています)
こうしたご飯のGI値の変化を、真剣に研究されている先生もおられます。
下の表は、米飯といろいろな食材を組み合わせて食べたら、GI値がどう変化するかを研究された論文からの抜粋です。
引用:第1回日本Glycemiclndex研究会 妙録集p.9より
引用論文のURLも付けたかったのですが、URLがhttp:なので付けられません。
「第1回日本Glycemiclndex研究会 妙録集」で検索してみるとすぐ見つかります。
2021年4月の時点では、上から4番目くらいに出てきます。
なぜか「第で回日本Glycemiclndex研究会…」と出てきますが、これです。
ご興味がある方はそちらをご覧ください。
また、この表のデータは米飯を100としています。そこで、ブドウ糖基準に置き換えるときは、以下のように計算します。
たとえば、「卵かけご飯」のGI値は88とあります。
それに0.86を掛けます。
88×0.86=76
「米飯と納豆」みたいな「あるある」のデータも載っています。
是非、参考にしてみてください。
「米飯と納豆」のGI値は68なので、68×0.86=58と結構嬉しい値になります。これなら、安心して食べられますね。
(食べ過ぎはカロリー注意です)
ご飯は腹持ちも良いので、工夫して食べるとダイエットに有効な食品です。
上手に利用したいものです。
また最近、コンビニなどでは雑穀米のおにぎりが売られるようになり、色々なシーンで利用しやすくなりました。
おそらく、こうした事情をメーカーさんが汲み取ったのでしょうね。
引用:セブンイレブンHPより
また、雑穀米のブレンドも多く売られています。
家でもご飯に混ぜて炊くだけで、ヘルシーな主食に変わります。
我が家も、定期購入して活用しています( ^o^)
めん
めん類のGI値データは、よく確認する必要があります。
表に載せておいてこんな書き方ですみません。
色々なネットの記事に書かれている麺類のGI値は状態が不明なものが多いです。
その値が、茹でる前なのか、茹でた後かでGI値が変化します。
たとえば、乾麺の状態では、うどんは82ですが、茹でると62となります。
また、めん類は何かを乗せたり加工したモノが多いですが、そうしたGI値の公式値が少なく、出所不明の数値が掲載されていることが多いのも難点です。
その中でも、そばとうどんのプレーンなものは、シドニー大の計測数値がありました。
上にうどんのデータを載せましたが、
こちらが、茹でたそばスープ付き(かけそば)です。値が46と低GI食品に入ります。
カロリーも約290kcalと低めなのでダイエットに向いていますね。
ただ、そばだけの食事では、タンパク質やビタミン不足になるので副菜などを上手に選んで食べたいものです。
うどんやスパゲッティといった小麦粉を原料にする食品は大体GI値が60前後です。
目安として覚えておくと良いでしょう。
パン
パンといえば食パンですね。
この食パンのGI値も、食べ方でGI値が変化するので中々面白いです。
そのままのGI値が75ですが、トーストすると50に下がります( ^o^)
ただし、パンの保存方法や焼きたての場合には60台に変化します。
さらにサンドイッチに加工すると、GI値は62といった具合です。
以前、GI値が93とあったフランスパンは、最近のシドニー大学のデータでは81に変わっています。(理由は不明です)
パンは、小麦を主原料としているのでGI値はほぼ60以上と高めになります。
食べ方の工夫についてのデータも多いのですが、
もう少し整理できたら、ご紹介したいと思います(^_^;)
その他
最近注目されているのが、サラダチキンです。
GI値が45と低い上に、カロリーも116kcalと高くありません。
加えてコンビニでも入手可能なので、主食がわりに食べている人も多いことでしょう。
掲載したのは、アップル味のソイジョイです。
数値は19±2と示されています。
ほか、レーズンアーモンドが28±4
タンパク質や低GIをアピールしている食材が増えてきたので、上手に利用していきたいものです。
今回は、これで一旦終わりにしたいと思います。
ここからは、おまけです。
GI値の計算方法を示しました。
注意点も書いておきます。
ご興味のある方は、お読みください。
お忙しい方は、「終わりへ」を「プチ」とすると文末に飛びます。
GI値の求め方と注意点
GI値の求め方
GI値は、その食品を食べて血糖値が上昇し下がる間の様子を観察して求めます。
具体的な手順は以下の通りです。
1.成人10人に、50gの糖質を含む試験食を食べてもらう
2.食後2時間、定期的に血液を採取して血糖値を計る
3.その値を元に線グラフを描き、総面積を求める
4.同量のブドウ糖の総面積と割って100をかける
5.10人の被験者の平均値で、その試験食のGI値とする
基準となるブドウ糖(グルコース)50g食べたときの血糖値の推移です。
そして、ブドウ糖の血糖値の変化から総面積を求めます。
結果として5648という面積が出ます。
次に、測定する食品について、炭水化物の量が50グラムになるように食べます。
例えば、炭水化物が50%の食品なら100グラムを食べて測定します。
実際の測定の例を五穀米で見てみましょう。
五穀米は糖質割合が35.6%なので、約140グラムを食べて測定します。
五穀米の総面積は3149でした。
GI値を求めます。
3149÷5648×100=56
となりました。
公開されている指標一覧には、五穀米のGI値は55と書かれています。
ほぼ計算結果が一致しました。
注意点
こうした測定の仕方をするため、GI値には気をつける点があります。
糖質が少ない食品のGI値を求めるのが難しいのです。糖質量の少ない食品のGI値は参考程度に見ておきましょう。
たとえば、サーロイン生肉の例です。
参照:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
サーロイン生肉は、炭水化物が100g中0.4gしかありません。
GI値を計るには、50gの試験食を食べることになります。
つまり、100gの(50÷0.4=)125倍=12.5kgの試験食を食べないと結果が出せません。
普通の人は、生肉を12.5kgも食べれないですね。
なので試験量を減らして色々計算をして近似的に出している例が多いようです。
そもそも糖質が少ない食品は、糖質制限ダイエットでは食べても影響が少ないです。
糖質の少ない食品は、主菜となる魚や肉や、副菜の野菜などです。
これらは、大切なタンパク質やミネラル・ビタミンなどの栄養素を取るために食べた方が良い食材です。
このように、糖質制限で気にするのは、
主食と飲料、果物くらい
と理解しておくと良いようでしょう。
飲料や果物のgi値一覧は、まとまったら記事にしてみたいと思います。
また、血糖値を下げる食べ方の基本は、
・野菜などを先に食べる
・酢などを上手に利用する
・ゆっくりと食べる
・食事の回数を増やす(カロリーは同じで)
などです。
こうした食べ方の工夫も取り入れていきましょう。
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まとめ
GI値とは、グリセミック・インデックス(血糖指数)の略
食品に含まれる糖の吸収速度を血糖値で測定して得る指数
高GI食品 70以上の食品
中GI食品 56~69の間の食品
低GI食品 55以下の食品
糖質の高いものでも食べ合わせや食べ方でGI値は変わる研究結果が出ている。
そうした情報も参考にしてみるとよい。
気をつけること
米飯を100としたやり方がある。
米飯基準の場合は×0.86するとブドウ糖基準になる。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
主食品のタンパク質の摂れる量を記事にしたのがこちらです。
お菓子のGI値についてはこちらからどうぞ
終わり