診断士
ミント君が旅立ってから記事を書く気力が戻ってきません(^_^;)ストックしていた記事で、週1回の更新は維持していましたが、ストックも切れました。一旦休むか考えましたが、休んだらもう書かないかもしれません。そこで、削除した記事を復活させ、編集し直して間つなぎをすることにしました(^_^;) 今回は、診断士が報告書を作成するために行う現状調査の一端をご紹介しています。そんな事情の記事です。良かったら読んでください m(_ _)m
1.現状調査
診断士の仕事の中には、調査報告書を書くというものがあります。何かの助成金を申請するための資料の元になったり、依頼先の企業の改善提案であったりします。
その報告書作成で欠かせないのが現状調査です。報告書の目的に応じて相手先の今を切り取る作業です。基本、SWOT分析の内部環境調査のベースとなります。
たとえば、商店街の現状を調査する場合に行う通行量調査があります。
こんな生情報を収集する為に行います。
合わせて、そこを歩いている人にアンケートをして、こうした来街頻度をデータ化することもします。
さて、こうした通行量調査はどのように行っているかというと、こんな感じです。
5連のカウンターを2つ使って右から来る人と、左から来る人を数えていきます。
アナログ感満載ですね(⌒-⌒; )
カウント作業は、慣れないと大変です。
たとえば、それぞれ自転車に乗った夫婦らしい男女の高齢者が通ると6回各カウンターを押すことになります。以下がその概要です。
この調査は、大体、商店街が開き始める10時から日が暮れる18時までの8時間行います。調査の場所も何カ所か決めてあって、調査を50分やったら、10分休憩して、次の場所に移動するというやり方で、大体10名の仲間でカウンター作業とアンケート作業を交互に進めて行くことが多いです。
以前、東京都の砂町銀座商店街を調べた時は、東西両側の入り口と、中2カ所の計4カ所で交通量を調査しました。
こうした4地点のデータを分析すると人の動線も推定することができます。
この作業と合わせて調査先の商店街の地図や人口などの基本的な情報も収集します。
たとえば、砂町商店街であれば、Googleの地図を使って商圏範囲を推定しておきます。
引用:Googleマップ
砂町銀座商店街は東西に670mと長い形をした商店街です。
そのため、一次商圏を半径約500mの赤い楕円の内側とし、二次商圏を、半径1kmの青い楕円と赤の楕円の間と設定しました。一次商圏内には、北砂1~7丁目、東砂1,4丁目、南砂1,4,5丁目が入っています。 江東区住民基本台帳を使って、上記の地区の人口を調べます。すると、約63,700人が住んでいることがわかります。世帯数は、31,300世帯となっていました。ちなみに、一次商圏内の高齢者の数は16,200人と約26%を占めます。年少人口は7600人約12%です。それ以外の生産年齢人口が39,800人約63%といったデータもまとめておきます。
二次商圏も、東砂2,3、5~7丁目、南砂2,3,6丁目、大島1,4,5丁目、扇橋3丁目、千田、海辺が入っています。基本台帳から、人口約73,000人、世帯数37,000とわかりました。
こうした調査で私自身も、商店街における日本全体の課題である少子高齢化が進むことでどのような影響を受けるかを知る貴重な機会ともなります。
なお、来街者へのアンケートはこんな感じで、相手が質問内容を読めるような立ち位置で行います。
こうしたアンケートは、実際にやってみるとわかりますが、若い人にはほぼスルーされます。一方、高齢者はきちんと受けてくれるケースが多いです。とはいえ、アンケートは年齢の偏りを出来るだけ減らさなければならないので、若者に何度も声をかけてアンケートに答えてもらうように努力しなければなりません。分かったことは近づいて来る時のアイコンタクトをしっかりとしていくことです。しかも、笑顔で(⌒-⌒; )
私のような人とのコミュニケーションの苦手な者には、まさに修行の場といえます。でも、リアルな体験から得られるこうした知見も私を成長させるのに役立っていると感じます。
こうして収集した通行量やリアルな声の生情報(一次情報)を加工し二次情報化し、SWOT分析につなげていきます。
SWOT分析はご存知の通り
外部環境の分析から商店街の機会と脅威を抽出すること、 内部環境の分析から商店街自身が持つ強みと弱みを再認識することです。
ちなみに外部環境分析は、PEST分析を用い、別に機会に行っておきます。
PEST分析の概要は以下の記事からどうぞ。
SWOT分析では、商店街の「今」を振り返り課題につながるポイントを明らかにしていきます。孫子の兵法で有名な「敵を知り、己を知れば百選危うからず」という言葉があります。ここでいう「己を知る」がSWOT分析で行えます。
なお、SWOT分析の概要は、こちらに書きましたので、良かったら参照ください。
2.現状調査もAI化?
さきほどご紹介した交通量調査ですが、この調査にもAIを活用する技術が出てきました。本当にAIの進歩はめざましいですね。
たとえば、通行量調査を動画の解析で行うサービスがあります。そのサンプル映像です。
引用先:SCORE
詳細を知りたい方は、こちらのページに詳しく紹介されています。
なお、こうした変化を記事にしたことがあります。良かったら参照してください。
AIを用いて来店するお客様の性別や年齢、感情までもデータ化したり、歩いている人の分析までしてくれるサービスも、この記事で紹介しています。
引用先:User LOcal
CCDカメラの解像度は、ますます進化するでしょうから、高精細度の動画が収集可能になると、人手を使わなくても、こうした交通量の情報サービスを受けられる時代が来ることでしょう。
そうした時代に診断士は、何をすべきか、どうあるべきかを考えておくことも必要な時代になってきたと実感しています。
今回は、現状調査の一旦を交通量調査からお伝えしてみました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
終わり