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悪役令嬢モノの飽和状態に見るKADOKAWAの赤字転落

アニメ

0-表紙ー悪役令嬢もの断罪イベント

今日は、小説やアニメで人気のある異世界転生モノの中から、悪役令嬢モノの断罪イベントを事例に取り上げて、KADOKAWAの赤字転落の状況を書いてみます。

良かったらお付き合いください。

 

目次

 

1.飽和状態の異世界モノ

数年前から、異世界転生・転移ジャンルは、出版ラッシュやアニメ化の偏重により市場が完全に飽和状態と言われていました。

SNSなどでも、読者・視聴者からは「似たような作品ばかり」というマンネリ化の声が挙がっていました。

そうした状況の中、ついにKADOKAWAの2026年3月期通期決算で、売上高こそ微増(約2,829億円)だったものの、連結営業利益は前期比51.3%減の81億円と「半減」しました。

さらに深刻なのはセグメント別の内訳です。

同社のコア事業である「出版・IP創出事業」における国内出版は営業利益が半減し、さらに、これまで破竹の勢いだった「アニメ・実写映像事業」が4億6,500万円の営業損失(赤字転落)を記録しました。

KADOKAWA自身も原因は、「「既存の勝ちパターンへの過度な依存•「なろう・異世界系」など実績のあるジャンルへの偏重」と振り返っています。

こうした状況を、異世界転生モノの内、悪役令嬢もの断罪イベントにフォーカスして見ていきましょう。

 

2.異世界モノの歴史

異世界モノの歴史をブックオフから引用します。

結構古いです。

 

日本の異世界(異界)へ行く物語の歴史は、1820年以前よりもさかのぼれます。平田篤胤ののこした『仙境異聞』は仙界で暮らした少年の話をまとめ、宮地水位が記した『異境備忘録』は神界や魔界への旅の記録をのこしています。これらはファンタジーというよりオカルト的要素が強く出ています。

異世界召喚ファンタジーといえば、高千穂遙さんが1979年に書いた『異世界の勇士』が有名です。高校生の主人公リュージが異世界へ招かれて災厄を救う物語です。また、半村良さんの『亜空間要塞』(1974年)も異世界転移作品といえるかもしれません。

1991年ころから、不安定な社会情勢を背景に、異世界へ行く物語が増えはじめます。しかし以降、現代世界から異世界へ行く召喚・転移ものはなりをひそめ、異世界を舞台にした異世界の物語、異世界ファンタジーが隆盛しました。

そして2011年。ネット小説をきっかけとした異世界《召喚・転移・転生》ファンタジー小説が爆発的に人気になり、現在につづく流行へとつながっていきます。

引用:異世界召喚・転移・転生ファンタジーライトノベル年表 | ブックオフ公式オンラインストア

0-異世界モノの歴史ーブックオフから引用

引用:ブックオフより

3.悪役令嬢モノ断罪イベントとは

異世界転生における「悪役令嬢モノ」は、なろう系の小説や漫画・アニメで人気のジャンルの1つです。

主人公が乙女ゲームやファンタジー小説の「悪役令嬢(ヒロインをいじめるライバル貴族令嬢)」に転生・憑依し、本来迎えるはずの「破滅ルート(処刑、追放など)」を回避するために色々な努力をして回避しようとするストーリーになります。

 

悪役令嬢もの断罪イベントで婚約破棄
引用:「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました」p.5より

 

断罪イベント後は、主に以下のパターンで物語が展開します。

運命の回避・ざまぁ系:
身に覚えのない罪を晴らし、逆にヒロインや王子たちの不正を暴いて社会的・精神的にやり込める。

セカンドライフルート:
断罪されて国外追放された後、新たな環境で色々な才能を開花させ悠々自適に生きる。

やり直しルート:
断罪されて一度破滅した後に時間が巻き戻り、過去からやり直して運命を変える。

回避・奮闘ルート:
転生者が前世の記憶やゲーム知識を駆使し、断罪イベントを未然に防ぐために奔走する。

破滅フラグの回避:
未来のバッドエンドを知っているため、周囲との関係を改善して生き残りを図る。

ギャップ萌え:
本人は必死に保身や地味な生活を目指しているのに、周囲からは「優しく気高い令嬢」と勘違いされて好感度が爆上がりし、結果ハッピーエンドを迎えます。

隠居ルート:
潔く罪を受け入れ、隠居生活を満喫する。

となります。

 

2-悪役令嬢もの断罪イベント後のストーリー例

引用:「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」より

 

ほとんどのストーリーが書き尽くされていて飽和状態と言えるのでは……?

 

出版科学研究所の調べによると、タイトルに「悪役令嬢」を含む小説の出版点数は、

2012年が0点
2013年が1点「悪役令嬢後宮物語」の1点だけだったのが、
2019年は55点
2022年は108点と急増しました。

さらに、2026年において主要な電子コミックサイトにおいて「悪役令嬢」というキーワードで漫画作品(単行本・連載版・アンソロジー含む)を検索すると、その総数は約1,000〜1,500タイトル以上にのぼっています。

3-悪役令嬢ものアニメ書籍

ちなみに、悪役令嬢もの断罪イベント関連のランキングをGeminiさんに調べてもらったのがこちらです。

まずは、1位から5位

悪役令嬢ものアニメ書籍ランキング1位から5位

1位は、悪役令嬢モノの黎明期に書かれたヒット作品です。

15年に出版され「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」は漫画化、アニメ化、舞台化と展開され、映画公開も予定されているそうです。

3位の「自称悪役令嬢な婚約者の観察記録」は、今2期がテレビでも放送されています。

 

続いて、6位から10位

悪役令嬢ものアニメ書籍ランキング6位から10位

10位の「悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします」も、テレビ放送中ですね。

 

4.KADOKAWAの赤字転落

KADOKAWAの2026年3月期通期決算で、売上高こそ微増(約2,829億円)だったものの、連結営業利益は前期比51.3%減の81億円と「半減」しました。

その中で深刻なのはセグメント別の内訳です。

同社のコア事業である「出版・IP創出事業」における国内出版は営業利益が半減し、さらに、これまで破竹の勢いだった「アニメ・実写映像事業」が4億6,500万円の営業損失(赤字転落)を記録しました。

KADOKAWA自身も原因は、「「既存の勝ちパターンへの過度な依存•「なろう・異世界系」など実績のあるジャンルへの偏重」と振り返っています。

 

さて、製品にはライフサイクルがあります。

多くの商品と競合が競う状態が続くと、成長期から成熟期、そして衰退期を迎えます。

3-製品ライフサイクル各段階の特徴

現在の「異世界転生・悪役令嬢もの」は、まさに成長期から成熟期へと移行し、プレイヤー(作品数・アニメ本数)が過剰に増えすぎて「飽和による減少(淘汰)」が始まったフェーズと言えます。

天下のKADOKAWAでさえ、こうした製品ライフサイクルを理解した上で、次の手を打てなかった状況をどう捉えれば良いのでしょうか?

心配なことは、会社を運営している経営層や企画部隊の質の低下です。

最近、NHKスペシャルを観て、かつて日本が第二次世界大戦に突入した様子に類似しているとも感じました。

すでに引退した身では、何か出来ることは少ないですが、警鐘を鳴らすことくらいは出来ればと思った次第です。

 

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

 

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終わり