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字を書くのに右利き・左利きといった利き手があるように、学び方にも人それぞれの脳の優位な働き方を考慮した学び方があります。また、自分の性格に応じた学習環境の嗜好もあります。こうした自分の脳特性と環境嗜好を活かす学び方の方法を4つに類型化してみました。活用することで学ぶ効果や効率を高められそうです。
学習の仕方に悩まれている方の参考になれば幸いです。お時間があったらお付き合いください。
脳の利き手
利き手のように、自分が得意とする学び方があります。それは、人それぞれの脳の働きから学習スタイルの利き脳があるためと理解できます。どのような学び方を指向するかは十人十色です。上手く活かせれば学ぶ効果や効率を高められます。
人の脳は、右脳が、イメージや直感などを司り、左脳が、論理や言語、理性などを担うとされています。これを、ロジャー・スペリー先生は右脳・左脳モデルとして定義しました。
何かの説明をする時に、状況を表現豊かに説明できる人は右脳が利き脳です。一方で、物事を数字や事実をベースに筋道を立てて話せる人は左脳が優位と言われます。
そして、一人ひとり優位な脳が異なると言われます。
また、自分の好きな学習環境についても、好みがあります。
「一人で静かな場所で本から学ぶのが好きだ」
「友達と集まって、ワイワイやるのがいいよ」
などなど、人それぞれ学び方の好みの環境があります。
こうした利き脳やどのような学び方を好むかで、学習スタイルの類型化ができます。
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利き脳からの学習スタイル
学ぶ時の利き脳と、学ぶ環境の嗜好性を使って、2軸でざっくり4つに分けて、学習スタイルを定義してみました。
あらっぽいようですが、人は3次元の生き物なので2次元が一番理解しやすいです。
念の為にお断りしておきます。学び方を4分類していますが、その人の指向するタイプが1つだけとは限りません。学ぶ内容や状況・場面でタイプが変わることもあります。
ここでは、自分が最も好む主たるタイプを、1つ見つけてみます。自分の学習状況を思い浮かべながらどれが一番合っていそうか探っていきましょう。
まずは、2つの軸を確認しておきます。
理解の仕方を、タテ軸で表しています。
論理的(頭で覚えるタイプ)と
イメージ的(身体で覚えるタイプ)
です。
次に、学ぶ姿勢です。ヨコ軸で示しています。
自立的(一人で学びたい)と
集団的 (みんなで学びたい)
です。
この2軸、タテとヨコの指向が選べたら、あなたのタイプを確認してみましょう。
各タイプの特徴を図表にまとめたのがこちらです。
各タイプの学び方は次の通りです。
自信派タイプ:
論理的に自分の考え方で学ぶ人
思考が論理的優先なので、何か新しいことを始める時には、文献を調べることや、新しい装置ならマニュアルを読むことから始めるという傾向があります。
また、行動が自立的なので、自分で考えて行動することを望みます。細かい学習の指示をされるのを嫌う傾向があります。
感覚派タイプ:
まずやってみようと身体を動かして覚える人
イメージや感覚が優先するので、何か新しいことを始める時は、まずは「やってみる」ことから始まります。たとえば、新しいスマホを手にしたら取説は読まずに、すぐにさわって操作しながら覚える傾向があります。なので、説明されると嫌がる傾向があります。
行動は自立的なので、自分のペースを優先します。計画を立てずに一人でさっさと学ぶことを好みます。
思慮派タイプ:
論理的に人から学ぶことが好きな人
思考が論理優先なので、新しいことを学ぶ時は、原則や原理を学ぼうとします。説明を受け入れ、アドバイスにも耳を傾けます。
学ぶ時は、関係する講義を探して受けるや、専門家の話しが聞ける場に出かけていきます。ブレストに参加するのも好きです。
経験派タイプ:
人の動きなどから学ぶのが好きな人
イメージ優先なので、師となる人を見つけその人の動作から学び、自分でやってみながら理解していく傾向があります。指導には素直に従うほうです。
集団的なので、みんなでワイワイやりながら覚えるのは向いています。ベテランと一緒にやりながら学ぶのも抵抗がありません。
あなた自身の学習スタイルを確認してみましょう。
以下の図をコピペし印刷などして、チェックを入れて判定してみましょう。
特徴分析の質問を、リスト形式でも掲載しておきます。
左上 自信派タイプ
□原則や理屈を知りたがる
□マニュアルや説明書をよく読む
□指示されるのは嫌う
□自分の考えで行動したがる
左下 感覚派タイプ
□まずはやってみる
□説明は好まない
□身体で覚えようとする
□自分のペースでやりたがる
右上 思慮派タイプ
□論理的な説明を好む
□専門家の意見をよく聞く
□指示を受けたがる
□ステップバイステップ
右下 経験派タイプ
□事例を聴きたがる
□やってみせると効果的
□指示は細かく具体的に
□1人で学習するのは不安
以下に記入の例を示します。
このように、色々なタイプにレ点が付くでしょうが、一番多くレ点の付いたタイプを自分の学習スタイルとして判定します。間を開けて見直してタイプが変更することもあります。
この例では、自信派タイプや経験派タイプにもレ点がついていますが、もっとも多くレ点がついた思慮派タイプと判定しています。
各学習スタイルのリスク
学習スタイルでは、自分の好みの学び方を再認識していただきました。
好みの学習スタイルを実践することで、学習が楽しいと感じ長続きするはずです。
一方、こうしたメリットはあるものの、リスクや限界もあります。
たとえば、
自信派タイプの人
一人でどんどん学習が進んでいきますが、その学びが正しいかを振り返りません。
学習があらぬ方向に暴走する可能性があります。
なので、よいアドバイザーを見つけて軌道修正してもらうとか、自身で定期的に振り返りをすることが大切です。
感覚派タイプの人
身体で覚えていくので実践の上達は早いのですが、理解が偏っている上、知識が伴わないので応用が効きづらい。成長に限界を感じる場合が出てきます。
そのため、ある程度技術が身についたら知識面などの学習をする必要があります。
それも、一人での知識学習は身につかないので、よい師(指導者)を探して指導してもらうことが望まれます。
思慮派タイプの人
知識を学び理解は深まりますが、実践力がなかなか身につかない場合があります。
また、知識が深くなるほど、そこに没頭するので学習が際限なく続いている状態に陥る可能性があります。
学んだことを実践する場作りやアウトプットに心がけるようにしたいものです。
経験派タイプの人
ベテランに教えてもらうのが上手なので、実践的な力は身につきますが、原理や原則を学ぶことがおろそかになることが多いので、やったことが無いことを前にすると立ち止まってしまう傾向があります。
知識を身につけるのをサポートしてくれるコーディメーターを選んでおくと良いでしょう。指導してくれる方は、思慮派の人を選ぶとスムーズに進む可能性が高いです。
あなた自身が学ぶときは、自分に合った学習スタイルを活用して、そのスタイルが持つリスクや限界に気をつけて、楽しく効率的に学んでいきましょう。
おわりに
利き脳と好みの学習環境で、4つの学習スタイルの類型化を行ってみました。
自分の特徴を理解することが、学習の効率や効果を高めるのにも役立ちます。
リスクや限界も認識しながら、上手に学習を進められことを期待しております。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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終わり