能力
今週は能力育成に関する若手・中堅・ベテランといった世代別能力別指導のポイントや、知識・技能・態度の3つの要素の保有状況からの指導ポイントを整理してみました。良かったらお付き合いください。
世代別の指導ポイント
現代は外部環境の変化が加速し、組織の多様化も進んでいます。そのため、さまざまな世代のメンバーが混在するチームにおいて、若手・中堅・ベテランのそれぞれに応じた指導のポイントを理解しておくことが重要です。
若手メンバーの指導ポイント
新入社員をはじめとする若手メンバーには、できるだけ早くチームの戦力になってもらうことが求められます。基本的な知識・スキル・態度を身につけることが重要です。
指導ポイント
・「目指す姿」を明確にする
たとえば、キャリアの初期段階での具体的な成功事例を共有する。「3か月でスキルを習得した先輩」などの実例を挙げるとイメージしやすいでしょう。
・基本的な行動基準を身につけさせる
ロールモデルとなる社員を紹介し、日々の行動や仕事の進め方を観察させる。といった方法があります。
・「褒める」を活用する
小さな成功体験を積み重ねてもらう。例:「5分早く出社して業務準備が整っていたね」と具体的な行動を指摘して褒める。
・コミュニケーション環境の配慮
フォーマルな場だけでなく、休憩時間やランチタイムの雑談を通じて接点を増やしたり、若手メンバーが話しやすいような自由に話し合える場を定期的に開くといった方法が考えられます。
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中堅社員への指導ポイント
仕事に慣れ、一定の成果を出せる中堅メンバーには、自立的にチームに貢献し、将来的な成長を目指してもらうことが期待されます。
指導ポイント
・期待を再認識させる
たとえば、「リーダー候補として期待している」と伝えることで、責任感とモチベーションを高めたり、面談の中で本人の役割を自発的に気づくよう誘導する。
・キャリアビジョンを描かせる
ワークショップ形式で自分の将来像を視覚化し、具体的なアクションプランを立てさせることや、本人が尊敬している先輩などのキャリアビジョンを紹介し参考にしてもらう。
・新たな挑戦を促す
得意分野を活かしたプロジェクトのリーダーを任せる。また、異業種交流セミナーに参加させることで視野を広げる。などが上げられます。
ベテランメンバーの指導ポイント
豊富な経験を活かし、チームに知識やノウハウを還元してもらうことが求められます。
指導ポイント
・知識の共有を促進する
定期的に「スキル共有会」や「成功事例発表会」を開催し、ベテランの知識や経験・ノウハウを発表してもらい、若手と交流する機会を設ける。
・新しいやり方への抵抗を和らげる
実際の成功事例を示しながら、新しいアプローチの利点を説明する。また、自身の意見が反映されるような形を工夫します。
・影響力を有する人物を介した指導
チームの信頼を集める人物が間接的にフォローアップを行うことで、ベテランメンバーが前向きに変化を受け入れるよう機会作りをする。
世代別の指導教育のポイントは、本人の気質や学習スタイルも考慮して、一人ひとりに有ったやり方を模索してみましょう。失敗してもアプローチを変えて成果が見えるまで粘り強く進めることが成功の秘訣です。
能力別指導のポイント
知識、技能、態度の3つの能力状況から、指導教育上のポイントを整理しました。ここで述べる能力の「有る・無い」は、対象のメンバーが担当する仕事に求められる水準を基準にして判断します。そのため、絶対的な評価ではなく、メンバー個々の状況に応じて異なることをご了承ください。
(詳細については、「能力とは」の章をご参照ください)
レベル0:能力が無く、やる気も無いメンバー
やる気(態度)が見られず、知識や技能が不足している状況のメンバーです。
3つのタイプがあります。
・「困ったちゃん」:すべての能力要素が不足している
・「頭でっかち」:知識はあるが他が不足
・「無気力」:技能はあるが他が不足
具体的な指導教育のポイントは、各タイプに応じた対処方法を図表から参照してください。
レベル1:能力はあるが、やる気が無いメンバー
知識と技能はあるが、やる気が不足している状態のメンバーです。
いわゆる「出し惜しみ」タイプとなります。
指導教育のポイントは、本人が興味を持つ仕事や目標を設定し、モチベーションを引き出すことが望まれます。
レベル2:能力が不足しているが、やる気は有るメンバー
仕事に前向きでやる気も高いが、知識や経験が不足している状態のメンバーです。
「的はずれ」タイプとなります。
指導教育のポイントは、知識を補うための教育や、技能向上を目指したロールプレイングの実施が有効です。
レベル3:能力があり、やる気もあるメンバー
態度が良好でやる気があり、知識や技能も保有している状態のメンバーです。
知識や技能の保有状況で3つのタイプに分かれます。
・「経験不足」タイプ:技能だけ不足している状態のメンバー
・「石頭」タイプ:知識が不足している状態のメンバー
・「理想」タイプ:全てが基準を満たしているメンバー
指導教育のポイント:タイプに応じた成長のためのアプローチについては図表をご参照ください。
おわりに
メンバーの指導教育のポイントを世代別と能力保有のケース別に分けて、整理してみました。
メンバーの能力や立場の状況は、この例のように単純では無いことの方が多いことでしょう。そうした状況でも、思い切ってケースを単純化して検討を始めて実線してみることをお勧めします。一歩踏み出して、育成をしている中で、修正点があれば進め方を軌道修正すれば良いのです。
お悩みの方の参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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終わり