まねき猫の部屋

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夢を持つ

0-表紙-クランボルツの計画的偶発性-夢を持つ

藤井聡太さんの名人へのチャレンジ2戦目が始まりましたね。幼い頃の夢に向かって一直線につく進む聡太さんは凄いと思います。でも、同じ夢を持ちきれないのが多くの人の現実です。そんな夢の持ち方について思うことを書いてみました。お時間があったらお付き合いください。

 

目次

 

1.夢一直線の藤井聡太さん

藤井聡太さんが名人戦の初戦を勝利で飾り、4月27日から2戦目の戦いに入ります。
6歳の時に書いた「しょうぎのめいじんになりたい」という夢の実現を目指して邁進中ですね。

1-1-藤井聡太六冠が幼稚園と小学校で書いた夢-名人になりたい

小学校のときに書いた将来の夢も、「名人をこす」と書いています。将棋の名人になることにブレを感じません。天才は早熟ですね(^_^;)

こうした子供の頃に具体的な夢を描いて実現していく人が時々新聞を賑わします。でも、このように夢を実現していく人は多くはいません。

将棋の例で見ていきましょう。

2022年7月時点のプロの棋士は169人だそうです。その頂点が名人です。
(正確には、棋聖がタイトル順位の一位だそうですが…細かいことは別のお話しとしましょう)

プロ棋士になれるのは、原則奨励会で三段戦を制し四段になれた4人/年だけです。

そして、その奨励会に入会できる人も、難関試験を突破した限られた人だけです。

その全体像がこちらです。

1-2-将棋人口と名人までのステップ

現在のような実力制になったのが1935年からだそうで、初代木村義雄名人から現在の渡辺明名人まで延べ15名の名人が誕生しています。何期にも渡って名人のタイトルを保持する方がいるので、2022年までの87年間に名人になれた人はたった15名しかいないという厳しい世界です。

たとえば、現在の将棋人口は約500万人と言われているので、その頂点に立てるのは、0.00002%です。名人になる夢を実現することの難しさがおわかりになれるかと思います。

 

しかも、将棋のプロ養成機関、奨励会は、10歳から25歳までが所属できますが、年齢制限があります。たとえば、満26歳までに四段になれないと奨励会を退会しなければなりません。つまり、プロを断念しなければなりません。

さて、奨励会に入会できると、6級からスタートし、勝ち進んで昇段し、四段になれると正式なプロと呼ばれます。この奨励会に所属するのは、各県のトップレベルの実力者たちです。現在、東京・大阪の合わせて170人くらいが所属していますが、プロになれるのは、さきほど紹介したように1年間でわずか4人です。

ちなみに藤井聡太さんは10歳から通って、14歳2ヵ月で四段になりました。早い(^_^;)

こうしたある専門性を持った早熟の天才という人たちが色々な分野に存在します。

たとえば、私がまんが好きになったきっかけの漫画家の故石ノ森章太郎先生は、高校2年生でプロとして作品を連載しています。(二級天使)

また、金メダルを2度採ったスケートの羽生結弦さんも4歳からスケートを始めて、14歳でシニア大会、16歳でジュニアで優勝しています。

13歳で女流棋聖を獲得した囲碁の仲邑菫三段(なかむらすみれ)は話題となりました。


テニスの錦織圭選手は、小学校6年生で全国大会で優勝しています。

などなど、早熟の天才たちは早々に自分の将来をはっきりと定めて、夢の実現にまっしぐらという感じがします。

2.変化する夢

さて、こうした天才達のように夢に向かって一直線に進める人たちは、ごく一部です。

1-3-藤井聡太さんは夢に一直線



多くの人は、年と共に夢が変化したり、夢を実現できないと悩んでいます。夢を描けないという人もいるようです。

 

こうした夢の変化などについて、人のことは書けないので、たとえば、わたしの人生における夢の迷走ぶりをご覧ください(^_^;)

迷走しまくりです。

1-4-私の夢は年と共に変化していた

中学生の時は、漫画家に憧れていました。
(初恋の相手と石ノ森章太郎先生の影響です)
高校生の頃は、ドラマ作りと、半田ごてを握って毎日何かを作っていました。
それが乗じてエンジニアになったのですが、人生の中頃にはエンジニアは限界が見えて、ゼネラリストというか経営学などマネジメントに関心が向いていました。

その頃に中小企業診断士の資格を取り、会社人生の終盤では研修講師になりたいと思っていました。残念ながら実現せず、会社を辞めてからは、添削講師とコンサルタントをしています。

ぶれまくっていますね。

ただ、こうした年と共に変化する夢を弁証法で整理してみると、意外と「人に伝えること」が、私の夢なのかもしれないと思います。それに向かって右往左往していたのかもしれません。自分のことは意外と分からないモノです。棺桶に入るまで無理かなぁ…

1-5-変化する夢

 

3.クランボルツの計画的偶発性

一山主義から連山主義

さて、夢を追う上で、もう一つお伝えしたいことがあります。
私が夢について影響を受けた人のお話しです。

会社時代に、人事が主催したキャリアプランの講演で、藤原和博さんの話を聴きました。藤原和博さんは、リクルートから都内初の民間人中学校校長になった方です。

藤原和博さんは、今の人生は「連山主義」と説明されたのです。

かつて日本が右肩上がりの「成長社会」では、新卒で会社に入って定年まで勤め上げるのがサラリーマン人生の主流でした。これを「一山主義」というそうです。寿命も短いので、それでも十分な時代でした。

しかし、人生100年時代で定年後も何かしないと生きていけない時代になりました。しかも、終身雇用制も崩壊しかけています。これからの時代はいくつかの山を同時に登ったり(副業)、状況に応じて山を乗り換える「連山主義」が必要だと話されたのでした。

 

1-6-人生は一山主義から連山主義へ



 

なお、この本はKindle版なら、今無料で読めます。

この話を聴いて、私も会社を辞めて独立することや、副業を真剣に考えるようになりました。そして、会社にいながら、添削講師を副業として行う連山主義を実践することになりました。

 

人生は夢を追いながら変化する

私の就職した時代は、卒業したらサラリーマンになるくらいしか食べていける方法が思い浮かばなかった時代です。

しかし、現代は、寿命も延び、一つのことに縛られる時代ではなくなりました。

とりあえず食べて行くためのバイトなどの手段が選べて、夢を追う選択枝が広がっています。ある意味で人生は自由で自己責任の時代です。

まあ、1つの夢に絞り込めずにあれもこれもを求めている人も見かけます。

こうした時代だからでしょう。1999年辺りからキャリア教育が学校で導入され始めました。学生のうちから、自分のことを知り、仕事を知り、やりたいことを見定めて、人生設計を建てよ、という学習です。

こうしたキャリア教育には、夢とは努力すれば見つかるもの、という前提があります。

この前提においては、夢や将来の目標がないことは、努力が足りない、怠慢だとみなされます。キャリア教育の普及が、夢を持つことが是とされる、夢追い型になったようです。

しかし、一つの夢を追うのは、どの分野においても大変なことです。さきほどの将棋の世界と同様に、スポーツの世界も競争は厳しいです。今小学生に人気のYou Tuberも最近はオワコンと言われる時代です。

 

最近のAIが話題なるような時代では、未来の不確定性が高まり、早い内にやりたい職業を明確に決め過ぎても逆に危険な可能性も出てきました。

 

ある夢を追うと、次の夢が見つかる

天才のように早い内に具体的な夢を追って実現していく人もいます。

一方で学校などでなんとなく書いたキャリアプランしか持っていない状態であったり、現実ばなれした壮大な夢を描く人、貧困な故に生きていくことだけを夢とする人もいます。

 

ですが、どんな「夢」でも、まずは実現のために、行動してみることが良いそうです。夢を追う内に、次の夢が見えてくるからで、たぶん、私がその典型だったと思います。

途中で夢を変えることは悪いことではありません。

1-6-人生は夢を追いながら変化するもの

 

クランボルツの計画的偶発性理論

夢は実現しないと言った学者がいます。

1999年に発表されたキャリア理論の計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)です。提唱した心理学者のジョン・D・クランボルツ教授によると、ビジネスパーソンとして成功した人のキャリアを調べたところ、その成功したポイントの8割が、本人の予想しない偶然によるものだったことが見いだされたのです。

現代のようにコロナ禍で外部環境が、あっという間に変化する時代です。また、ChatGPTの出現で第4次AIブームが起こるような変化の激しい世の中です。

 

未来に何が起こるのか予想することが難しい時代になってしまいました。夢の実現は、色々な要因で計画したとおりにいかないことがさらに増えてくる時代だといえます。

そうした時代では、「何かの目的に固執すると、目の前の想定外のチャンスを見逃しかねない」とクランボルツ先生の理論は警鐘を鳴らしたのです。

 

予期せぬ出来事が起きた際に行動できるだけの準備をしたり、偶然の出来事に遭遇すべくフレキシブルに行動したりすることで、チャンスが生まれるらしいです。

 

 

4.おわりに

夢を追うことで、偶然の出来事に出会え、次の夢が見つかるそうです。


自分のとりあえずの方向性を決めるために何かの夢を描いてみては?
という提案でした。

そして、その夢に向かって行動(アクション)を起こすことが、偶然に出会える機会を増やし、結果あなたの真の夢に近づく可能性が高まるようです。

老人のお節介なお話しにお付き合いいただきありがとうございました。

 

 

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終わり