高齢者こそ健康リスクを減らす
前期高齢者の私がもっとも気をつけていることは健康です。運動機能を維持しつつ、ぼけないため脳の健康にも注意しています。
脳を出来るだけ使う仕事を続けていくことと、脳機能の維持に必要な栄養素もしっかり摂っていきたいと思っています。
脳に必要な栄養素は、
炭水化物(ブドウ糖)や必須アミノ酸(トリプトファン)、脂肪酸(DHA)などです。
脳の健康に関心を持たれたら、ぜひお付き合いください。
1.脳に必要な栄養素とは?
高齢者の私が1番心がけているのは、健康寿命を延ばすことです。
最近の統計では、男性の健康寿命は、72.14歳だそうです。(2016年度)
女性は、74.79歳です。
私は、今66歳なので、あと6年しか健康で居られない?(^◇^;)
それは困まる。
参照:厚生労働省 厚生労働白書
URL: 図表1-2-6 平均寿命と健康寿命の推移|令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-|厚生労働省
健康寿命を延ばすため、
骨折をしないよう筋肉量を維持し、骨密度の低下も防ぐことを心がけています。
そして、「ぼけない」よう脳の健康にも気をつけています。
筋肉をつける為にタンパク質、
骨の為にカルシウムを摂るように、
脳に必要な栄養を欠かさないことです。
脳にとって、特に大切な栄養とは、
●ブドウ糖(炭水化物)
●必須アミノ酸(トリプトファンなど)
●脂肪酸(DHA)
●ビタミンB群
●リン脂質
●ミネラル
の6つになります。
今回は、この中から上の4つの栄養について、詳しく見ていきます。
2.ブドウ糖(炭水化物)
脳の主なエネルギー源はブドウ糖です。
食物として摂取した炭水化物が体内で分解・消化されて最終的にたどり着くのがブドウ糖です。筋肉のエネルギー源でもあります。
人間の脳の重さは約1,450gぐらいだそうです。
たとえば、私の体重は今64kgなので、全体の2%に過ぎません。
しかし、この脳が消費するエネルギーは、基礎代謝量の約20%と言われています。
標準体重の男性における基礎代謝は約1500Kcalくらいなので、
約20%ということは、約300kcalを脳が消費していることになります。
わずか重量2%の脳が、20%のエネルギーを消費しているというのはすごいですね。
なお、 女性の場合は、基礎代謝が1200kcalの時で、約240kcalとなります。
ブドウ糖は1Mol(180g)で679kcalの熱を発生させます。
つまり、1グラムで約3.8kcal。
300kcal÷3.8 = 79gのブドウ糖を毎日安静時でも消費していることになります。
ちなみに、300kcal前後の主な外食品なら以下のような感じです。
けっこうエネルギー食いな脳ですねぇ(^^)
脳にきちんとエネルギーを与えなければ機能不全や老化の進行が早くなるそうです。
朝食を抜くと、血液中のブドウ糖が不足して「頭が働かない。イライラする」などの症状が出ることがあります。脳がエネルギー欠乏を起こすと、頭がぼーっとしたり、怒りやすくなりそうです。
脳はエネルギーを貯蔵する仕組みを持っていません。
食事から提供できるのは、炭水化物や肉などが消化吸収するおよそ4時間程度です。
そのまま食事を摂らないと、肝臓などに備蓄したグリコーゲンからブドウ糖を作り、脳や各器官に供給します。しかし、グリコーゲンの備蓄量は約60g程度しかありません。
およそ8時間後ぐらいに切れてしまいます。
こうなると、いよいよ身体の脂肪を分解してブドウ糖を供給しますが、身体を動かす為にも利用するので、脳に対して十分な量が供給が出来ずに働きにくくなるそうです。
参照:東北大学 加齢医学研究所 脳に関する基礎知識を参照してまねき猫が作成
ブドウ糖は、炭水化物や糖分を消化分解して作られます。
ブドウ糖が不足してくると、脳が甘いものやご飯などの炭水化物を欲しがります。
これは、身体の自然な仕組みなので、炭水化物を適度に摂取するのは重要です。
とはいえ、
エネルギー源となる炭水化物には、消化吸収の早い物と、ゆっくりな物があります。
お勧めは、ブドウ糖を血液中にゆっくり放出する「スローリリース」な食品です。
スローリリースの代表は、
きのこ、豆類、全粒粉など
こうしたあまり精製されていない食品は、酵素によってブドウ糖がゆっくりと血液中に放出されていきます。
そのため、ブドウ糖の供給期間が長く取れます。
反対は、「ファストリリース」食品です。
食べた直後に血糖値を急上昇させる食品です。
白米などの精製したご飯や、チョコレートや糖分の多い炭酸飲料などです。
ブドウ糖が供給不足になっている場合は、便利な食品ですが、
普段の生活ではあまり食べない方が良いと言えます。
こうした血糖値の上昇を測る指標にGI値があります。
ここでは、詳しく説明しませんが、興味のある方は以下の記事を参考にしてください。
3.アミノ酸(トリプトファンなど)
脳は、多くの神経細胞が集まり、巨大なネットワークを形成しています。
神経細胞のシナプスが、ドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質を放出することによって情報の伝達を行っています。
放出されるドーパミンは、「快感」や「やる気」をもたらします。
また、学習能力や運動能力、記憶力を高める役割もあります。
そして、セロトニンは「精神の安定」や「安らぎ」をもたらします。
また、睡眠の質を高めます。
こうしたドーパミンが不足すると認知症の原因となり、
セロトニンが不足するとうつ病の原因になるといわれています。
人間の身体に必要なアミノ酸は20種類ありますが、このうち必須アミノ酸といわれる人体で合成できず食事から摂る必要がある必須アミノ酸が9つあります。
運動をしている人には、BCAAはよくご存じの必須アミノ酸でしょう。
この必須アミノ酸の中に、脳に重要なトリプトファンなどが含まれています。
身体が必要とする神経伝達物質を生成するには、体重1キログラムに対して1日約1グラムのタンパク質が必要だといわれています。
参照:PRESIDENT2016年10月3日号
脳の活性化「炭水化物だけ」はNG、カギは朝食にあり (2/3) | プレジデントオンライン
必須アミノ酸を含む良質なタンパク質を毎日摂ることが脳にはとても大事ですね。
この9種類の必須アミノ酸の含有を、アミノ酸スコアから読み取ることができます。
この数値が100のものは、必須アミノ酸をしっかりと摂ることができます。
代表的なスコアをいくつか表のまとめてみました。
豚肉ロースやあじ、鶏卵、牛乳、大豆などなスコア100の食品となります。
上手に摂取していきたいものです。
4.脂肪酸(DHA)
脳の活性化のためには、良質な脂肪も必要です。
たとえば、魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)は脳に欠かせない栄養です。
これは特に青魚に多く含まれています。
細胞膜に作用して脳細胞を柔軟にします。
脳の記憶装置である「海馬」に特に多く含まれ、これを増やすことは記憶力や学習力を増すのに非常に効果があります。
このDHAによって、記憶力や学習力が上がるという研究報告があります。
参考:PRESIDENT2016年10月3日号
脳の活性化「炭水化物だけ」はNG、カギは朝食にあり (3/3) | プレジデントオンライン
5.ビタミンB6
また、脳でブドウ糖が代謝されるときに必要な栄養素が、ビタミンB群です。
特に重要なのがビタミンB6とビタミンB1です。
ビタミンB6は、でんぷんの分解にも必要な成分で、鶏肉、マグロやカツオ、内蔵肉、ジャガイモ、果物などに多く含まれています。
B1はブドウ糖をエネルギーに変換するときに使われ、豚肉、ウナギ、タラコ、海苔、大豆などに含まれます。
脳の働きを高めるために必要な「栄養素」とは? | 富裕層向け資産防衛メディア | 幻冬舎ゴールドオンライン
こうしたビタミンもしっかり摂取していきたいものです。
食事だけでは、中々必要量が取れないので、私はサプリメントも利用しています。
6.終わりに
いつまでも健康な生活が出来るよう身体と脳をしっかりと維持していきたいものです。
特に脳が「ぼけない」ように適度な刺激と、必要な栄養素をきちんと摂取することを心がけたいと思います。
今日の要約
・脳の主なエネルギー源はブドウ糖
・ブドウ糖を血液中にゆっくり放出する
「スローリリース」する食品を摂る
・神経伝達物質の原料となるのは
トリプトファンなどの必須アミノ酸
・脳の活性化のためにはDHAなども取る
最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
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終わり