まねき猫の部屋ーブログ

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論文やレポートの段落と字下げを考える

論文やリポートの体裁を整える

論文やレポートの段落と字下げについて考える

 

 バイトで大学の兼任教員をしています。手書き課題レポートの添削が主な仕事です。そうした添削で気づいたことを書いてみたいと思います。

 論文やレポートの基本となる段落と字下げの現状と作法についてです。

 よかったらお付き合いください。

 

目次

 

  

 こんな記事も書いています。  

www.my-manekineko.net

 

 

1.課題レポートの現状

 最近、学生さんからの課題レポートの書き方が整っていないと感じることが多くなりました。たとえば、800字程度のやや長い論述問題で、ほとんどの方が冒頭の「字下げ」をしていないのです。

 しかも、文中の文の終わりと思われる所でも、段落をせず書き続けているケースが多いです。

 このことは2年前にも記事にしています。 

www.my-manekineko.net

 

 当時の記事で取り上げた読売新聞では、

     (2017年2月1日夕刊の11面)

 「改行後のマナー危機」

 「若者は1字下げない」

と大見出しで書かれています。

 

 記事には、願書の志望動機などで、1字下げをしていない人が83人のうち42人いたそうです。およそ半数の人がしていないことになります。この傾向は2016年くらいから目立つようになったとあります。

 

 文部科学省の学習指導要領では、文章の改行は3,4年生で学ぶが、1字下げは「必要性の評価が定まっていない」として明示していないそうです。

 

  このブログ記事では、私が添削したWスクールの学生さんの状況も書いています。提出された15名全員が、「1字下げ」をしていなかったのです。Wスクールの学生なので20歳前後ですかね。

 読売新聞の記事の書かない年齢の時期とも大体合うようです。

 

 そして、同じ頃に届いた社会人の学生さんは、8名中5名「1字下げ」が出来ていました。社会人になると色々な報告書やレポートなどを書くことが多いので身についていくのでしょうね。

 なお、公用文では「1字下げ」を要領に記載しています。なので、官庁に提出する資料では字下げがされているはずです。こうした先に報告書を出す部署にいる人や役所の方は、この作法を習得しているのでしょう。

 

「1字下げ」引用:公用文作成の要領p.7より

注 1. 文の書き出しおよび行を改めたときには 1 字さげて書き出す。
  2. 句読点は,横書きでは「,」および「。」を用いる。
   事物を列挙するときには「・」(なかてん)を用いることができる。
  3. 同じ漢字をくりかえすときには「々」を用いる。

https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/sanko/koyobun/pdf/yoryo_ver02.pdf

 

 

この他気になることをいくつか書いてみます。

 

・字数を守らない

 800字程度書くこととあるのに、500字程度しか書いていないレポートも1割くらいあります。また、反対にマス目をオーバーして余白に何行も続けている字数オーバーのケースも時々見かけます。

 800字程度と言うときは、800字の±10%程度に納めます。なので720字~880字が目安となります。

 その分量に届かないと言うことは、伝えるべき論点が不足しているケースです。また、字数がオーバーしているケースは、内容に重複があったり、ムダな記述があるということです。

 こうした不足やムダは、下書きをすればほぼ防ぐことができるはずですが…

 

 

・「。」が少ない

 もう一つ多いのが「。」句点が少ない文章です。延々20行(200字)以上も続く文章な読むのも理解するのはすごく大変です。

 人は、一度に50字~100字程度の内容しか把握できません。そのくらいで、「。」を入れてくれると読みやすくなるのですが、書いているときは、そうしたことに気が利かないのでしょうね。

 

 

 では、段落や字下げのルールの基本的なことを確認してみましょう。

 

 

 

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2.段落と字下げの基本

ここでは、最小の約束事として、次の二点を確認してみます。


 ①書き出し、行を変えた時は字下げをする
 ②「。」を適切に入れる

 

 

  ①書き出し、行を変えた時は字下げをする

 まずは、お約束事にそった記述例を見てみましょう。

 文の最初に空白が1つ入っています。これが「一字下げ」つまり「字下げ」です。

 そして、最初の段落の終わりで行を変え、次の段落の冒頭を「字下げ」しています。

論文レポートの字下げと段落の例

 「字下げ」のお約束事は、これだけです。

 加えて、段落を形成する文を50~100字程度でまとめられると申し分ないでしょう。

 

 余談ですが、「字下げ」というのは、縦書きのころの名残です。

 下の図を見ると分かりやすいと思います。縦書きの書き出しは、正に一字下げています。こうしたことから「字下げ」と言われているそうです。

 

字下げは縦書きで書いていたときの名残-一字下げるから来ている

 

 さて、こうした「字下げ」をしていない文章も見てみましょう。

 

論文とリポートの作法で段落も字下げも無い例

 

 2つのことが書いてありますが、文の区切りが無いので、わかりにくいですね。また、文がベターとした印象を受けます。

 

 

 次は、文頭だけ字下げをして例です。

論文とリポートの作法で文頭だけ字下げをした例

 

 なんとなく体裁は整いましたが、内容の読みにくさは改善されません。

 

 改めて、字下げと段落をした文章を見てみましょう。

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 如何でしょうか、伝えたいことが、構造的に分かりやすい感じられませんか?

 このように字下げや段落をするのは、読み手への思いやりなのですね。

 

 

 

 ②「。」を適切にいれる

  ①で字下げや段落をする上で欠かせないのが「。」句点の存在です。「。」を適切に入れないと段落もできません。

 

 まずは、「。」が最後だけの長い文章の例を見てみましょう。

「。」をなかなか使わず長くなってしまった文章の例

 

 言いたいことが1つ終わったら「。」を入れると、段落も出来て文が理解しやすくなります。途中に「。」をいれて分けた例を改めて見てください。

長い文を「。」をいれて分けた例

 「。」が適切に入れば、段落も字下げもし易くなります。

 

 こうした「。」や「、」などの記入のお約束ごとも示しておきます。 

論文とリポートでは「、」「。」 「は一文字使う

 

  一方、行の終わりに「。」や「、」が来たときは文字と一緒に入れます。

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 これも、読み手への読みやすさへの配慮だと分かりますね。

 難しいルールではないので覚えておきたいものです。 

 

 

 

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3.SNSなどでは

 論文やレポートの基本的な作法である段落や字下げのことを見てきました。

 一方、最近はSNSでの情報発信もさかんになりました。

 このはてなブログのように、SNSでなんらかの発信をされている方も増えました。

 こうしたWebでの「字下げ」の様子も確認しておきましょう。

 最近のスマホなどを用いたSNSソーシャル・ネットワーキング・サービス)においては、字下げをしないのが主流です。

 むしろ、大切なのは、行間を開けることのほうだという意見が多いです。

 

 たとえば、はてなブログにおけるブログの書き方紹介画面はこんな感じです。

はてなブログのページから-ブログの書き方

参照: 記事を書こう | はてなブログの使い方 - はてなブログ アカデミー

 

 「字下げ」はしていませんね。

 行間を空けて読みやすさを工夫しています。

 また、レ点のような、インデックスをつけ、重要語にはマーカーもされています。

 

 ネットでの情報発信は、多様な表現ツールが可能ですし、文字制限などもほぼありません。こうしたネットにおける表現作法は論文やレポートとは違うものだと認識した方が良いようです。

 SNSなどの新しい表現手段と、論文やレポートのような形式的な表現手段は使い分けながら、どちらの表現手段も利用できる力を身につけておくことをお勧めします。

 

 

4.おわりに

 スマホの利用者拡大により、SNSソーシャル・ネットワーキング・サービス)の普及で短文に慣れて「字下げ」をしない書き方が広まったという見解があります。

 「字下げ」するのが当たり前としていることは、論文やレポートに限られる世界の話しと理解しておいたほうが良いようですね。 

 とはいえ、公用文の書き方が指定されているように、旧来のこうした字下げや段落の作法は、身につけて置いた方がよい技術です。 

 添削を通じて指導する学生には、卒論など論文を書く機会もありますし、卒業後ビジネス社会でレポートを提出する場合もあるでしょう。そうした受け取る側や評価する立場の人は、「字下げ」を論述の品として扱うであろうと考えます。

 なので、心得えとして身につけてほしいと思っています。

 今後も、できる限り「字下げ」をしていないレポートには、「字下げ」や「段落」を促すようコメントをしていこうと思っています。読み手の読みやすさや論述の品を高めていこうと。

 

 なお、今回の記事は字下げして記述してみました(普段をしない)

 どうだったでしょうか?

 

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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 こうした記事も読んでやってください。

 

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終わり