ダイエットは食事と運動の相関性から
理系がダイエットするなら理屈が欠かせませんね。
先週は消費エネルギーを取り上げました。
今週は、摂取エネルギーに関わるお話です。
体脂肪を減らす基本公式は、
摂取エネルギー<消費エネルギー → 体脂肪減
でしたね。
ここから、まねき猫流の摂取エネルギーの求め方や、食事と運動の関係を理系の視点で書いてみます。
興味を持たれたらご覧ください。
この記事は2018年8月10日の内容をリメイクしたものです。
2021年10月18日更新
消費エネルギーに関する記事はこちらです。
1.体脂肪について
始めてご訪問された方の為に、先週の内容を簡単におさらいします。
すでにお読みの方はスキップしてください。
ダイエットの基本は、
摂取エネルギー<消費エネルギーで、
体脂肪が減ります。実にシンプルです。
体脂肪は、1kg当たり約7200Kcalのエネルギーの塊です。
ここで扱う体脂肪は、正確には白色脂肪細胞のことです。
この白色脂肪細胞が肥大化するのは、例えば、1日の
摂取エネルギーが、2400kcalで
消費エネルギーが、2160kcalだったとすると
余剰エネルギーの
2400-2160=240(kcal)
が、油滴化して
240÷7200=0.033(Kg)
1日で約33g脂肪細胞内に蓄積することをいいます。
この状態が1ヵ月30日続くと…
30×0.033=約1kg
約1kgの体脂肪が付くことになります(;゜ロ゜)
消費エネルギーを効率的に増やし
摂取エネルギーを合理的に減らすことで
ムリなくムダなく進めていきたいものです。
まずは、まねき猫流摂取エネルギーの求め方です。
2.摂取エネルギーを求める
消費エネルギーを求めるのは比較的簡単でした。
紹介記事も沢山あります。
が、
摂取エネルギーを求めるのは、けっこう大変です。
毎日の食事や間食、飲料の内容と量を、メモしたり、しかるべきサイトなどで計算して求めていくことになります。
私のような「ものぐさ」は、こうした方法は長続きしません(^◇^;)
さらに、運動の記録や毎日の運動そのものがノルマのようになってくると…
3日目くらいで諦めてしまうことに…(;´д`)
そこで、摂取エネルギーを楽に求める方法を自分なりに工夫しました。
まねき猫流の体重変化を利用した方法です。
理系の方にお勧めです。
冒頭で書いたように
摂取エネルギー>消費エネルギー → 体脂肪増
でしたね。
これを逆に計算します。
体重変化=摂取エネルギー ー 消費エネルギー
やり方はシンプルです。
1週間分の自分の体重を測るだけ。
出来るだけ同じ時間に測ります。
朝1番や、寝る前がお勧めです。
例をお見せします。
仮にAさんとします。
月曜日の体重が65.3kgで、
日曜日が65.4kgでした。
この1週間の体重差は+0.1kgでした。
体重の増減が1kgと大きいですね。
実際、ジムで運動してサウナで汗を流せば、1kgくらいは見かけ上簡単に減ります。
また、宴会で、飲み過ぎると2kgくらいドンと増えてしまいます。
日々の変化は、けっこう激しいものがあります。
では、このデータをからどう求めるかというと統計の力を借ります。
(さすが理系)
このデータをエクセルでグラフ化して、
最小二乗法を選択して、近似線を求めます。
上の例では、近似式は、y=で示された所です。
そのxの係数0.0429を利用します。
近似線の係数0.0429は、1日の体重変化を示します。
そして、脂肪1kg当たりが7200kcalを当てはめればエネルギー量が求まります。
計算してみましょう。
0.0429×7200kcal≓309kcal/日
1週間平均の、1日の摂取エネルギーと消費エネルギーの差がこれです。
たとえば、消費エネルギーが2155 kcalであれば、
内訳(先週の記事を参照してください)
基礎代謝が1513kcal
DIT(食事誘発性熱産出)が214kcal
身体活動消費が428kcal
摂取エネルギーは
2155+309=2464kcal
であると予想できます。
摂取エネルギーの推定値が出せました(^^)
なお、データ期間が少ないと感じたら、体重測定の日にちを増やしてみましょう。
精度が向上します。
体重変化が無い場合の例も、参考までに載せておきます。
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3.食事の摂り方と運動の関係
ダイエットは、カロリー制限に目が向きがちです。
しかし、カロリーの減らし過ぎに注意しましょう。
たとえば、私の基礎代謝は1513kcalです。
普通の生活の消費エネルギーは2464kcalです。
1ヵ月で5kgのダイエットをしようとすると
5×7200=36,000kcalを1ヵ月で減らさないといけません。
これを食事だけでやると、36,000÷30=1200kcal
1日1200kcalも減らさなければなりません。
2464-1200=1264kcal
私の基礎代謝は1513kcalなので、1日の摂取エネルギーを1264kcalで生活したら、栄養バランスが保てず、身体もガタガタになります。
実は、昔1週間ほど絶食+野菜だけのダイエットをしたことがあります。
1週間で3kgぐらい落ちたのですが、歯茎から血が出るようになり中止しました。知識も無いままダイエットをし、身体に申し訳ないことをしました。
食事の摂り方
無理な制限をしない食事の摂り方がいいですね。
たとえば、ご飯などの炭水化物は半分に減らして
タンパク質や脂質はしっかり摂る
といった具合です。
たんぱく質は体重1kgに対し1gを摂るようにします。体重60kgの人なら60gですね。
肉類は重量の約80%が水分です。摂る食材のタンパク質は約20%と覚えておくと目安になります。
さて、
摂取エネルギーを減らす量は、消費エネルギーの10%程度に抑えるのが良いでしょう。
私の場合なら、摂取と消費がほぼイコールなので、減らすのは約240kcalになります。
摂取エネルギーが消費エネルギーより多い人は、その超過分も加味しましょう。
さて、減量は炭水化物を中心に減らしますが、その目安も見ていきます。
240kcalはおよそ、お茶碗一杯のご飯、食パンなら4枚切り1枚に相当します。
こうした食品の量を感覚的に押さえておくと減量が無理なく出来ますね。
ダイエットは血糖値の上昇に注意
ダイエット中の食事の仕方で、気をつけるのは血糖値の上昇です。
その理由を、血糖値の上昇とインスリンの関係から見てみましょう。
たとえば、ご飯を食べると小腸で吸収され血糖値が上がります。
特にご飯のような炭水化物は、血糖値の上がり方が急激です。
図からおわかりのように、血糖値が上がりやすいのは、ごはんやパン、果物、砂糖などの炭水化物の多い食品です。
次に、タンパク質の多い、肉や魚介類、卵、乳製品などです。
以外にも脂質は血糖値の上がり方が緩やかです。
例えば、ご飯を食べて
血糖値が上がると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌されます。
インスリンは、血管内のブドウ糖を筋肉や脳、脂肪細胞の取り込む働きがあります。
もし取り込んだブドウ糖が運動などで消費されず余剰になると、このブドウ糖はすべて脂肪に変わって貯め込んでしまいます(^_^;)
日ごろから、こうした血糖値の急激な上昇は避けた方がダイエットには有効です。
低GI食品
血糖値の上がり方に着目した指標にGI値があります。
GI値は、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略
血糖値の上がり方をブドウ糖の100を基準にして、各食品の上がり方の面積で相対的に比較した値がGI値と呼ばれます。
血糖値は、同じような炭水化物でも上がり方が違います。
具体的に見てみましょう。
下図は、基準のブドウ糖と精米・五穀米の血糖値の変化を測定したものです。
基準となるブドウ糖は吸収が早く急激に血糖値が上昇し下降もしていきます。
この推移が基準のGI値100となります。
精米(ご飯)を見てみましょう。
血糖値がかなり高く上がっています。しかも長時間続いています。
なので、腹持ちが良いのですね。
GI値は84です。
このように血糖値のピークが低い五穀米を食べる方がダイエットには効果的です。
GIが低い食品は、糖がおだやかに取り込まれ、血糖値の上昇もゆるやかになるため、インスリンも分泌しすぎることなく、糖も筋肉などが消費しやすくなります。
このように、おだやかに糖を取り込む低GI食品を理解しておくのは有効ですね。
主な食材のGI値を表にまとめてみました。
注:2021年10月18日改訂 ミルクチョコレートを削除、餅を追加
GI値が低くても、食べ過ぎは禁物です。カロリーも気をつけましょう(^_^;)
GI値については、以下の記事で詳細に書いています。参考になれば幸いです。
ダイエットは空腹時がベスト
ダイエットや筋トレをするときは、食事のタイミングにも気をつけましょう。
運動の目的によって食事の前か後かは効果に大きな差が生じます。
結論を先に言えば
ダイエットなら、食事前、お腹が空いていると感じている時に運動するのが最適です。
さきほど、食事後はインスリンが出て糖が筋肉などに取り込まれると話しました。
なので、逆に食事前は血液中の糖が不足しがちなので、脂肪細胞の油滴が代わりに放出されエネルギーに利用されやすくなります。
一方、筋肉をつけたいなら、食後およそ30分後くらいが最適となります。
この他、血糖値を上げない工夫としては
・野菜から先に食べる
・水を食前に飲む
・ゆっくり食べる
なども効果的です。
4.まとめ
・摂取エネルギー<消費エネルギーで体脂肪が減る
・摂取エネルギーは体重の変化を利用して推測可能
・摂取エネルギーの減らしすぎに注意すること
・食事の仕方で脂肪が付きにくくなる
・低GI値食品を上手に利用する
・食べ方の工夫でも血糖値の上昇を緩やかにできる
・ダイエットは、空腹時が最適
以上です。
何かの参考になれば幸いです。
こんな記事も書いています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
終わり