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ロジックツリーのテンプレートを作って見よう

ロジックツリー

ロジックツリーWhyツリーHowツリーWhatツリー

説得力のある資料や文章を書く上では、論理的な図表が欠かせません。例えば,上司に新しい商品開発の必要性を説明するシーンであれば、やりたい商品の良さや他社の状況、利益・メリットなどを、分かりやすく伝える図表が入っていると効果的です。

こうした図表作りをする上で、活用したいテクニックの1つがロジックツリーです。今回は、ロジックツリーの種類や、作り方のポイントをご紹介します。お時間があったらお付き合いください。

 

目次

 

以前の記事で、部品・テンプレートを用意しておくと資料作成が高速化できることをお伝えしましたが、このロジックツリーもテンプレートとして活躍が期待できます。
あなたのテンプレートをぜひ用意してみましょう。

 

その記事はこちらです。

 

www.my-manekineko.net

 

1.ロジックツリーとは

ロジックツリーとは、ある事象間を論理によってツリー状に展開していく手法を指します。世の中の出来事は、樹木のような分岐構造を持つことが多く、系統図法の1つとして論理的なまとめをする方法として活用されています。

たとえば、結果に対してその原因を掘り下げていく原因追求型のWhyツリーや、ある目的を実現するための手段を具体化していくために用いる問題解決型のHowツリー、ある構成物を要素に展開していく要素分解型のWhatツリーなどがあります。

ロジックツリーは、考えられるモノを全て抽出することを目指すため、モレなく、ダブリなく項目を挙げていくことを目指し、MECEというフレームワークを利用することになります。MECEの概念は、後半で解説します。

まずは、3つのロジックツリーの概要をご覧ください。

 

1-1-ロジックツリーの種類-WhyツリーHowツリーWhatツリー

 

主題(1番左の項目)や、求める内容、思考の方向性が異なることがわかります。

 

では、1つずつ内容を見ていきましょう。

 

原因追求型ツリー(Whyツリー)

原因追及型ツリーは、Whyツリーとも言われ、問題の根本的な原因を突き止めるときに役立つロジックツリーです。 例えば、「売上が未達」という問題があった時にその原因を深掘りしていくのに用います。

事例として、A社の売上計画と実績の差が1.9億円あったとした例で見ていきましょう。
こちらが、A社の1.9億円のギャップについての数字概要とグラフになります。

 

1-2-ロジックツリーWhyツリーの事例-A社の売上計画と実績

 

これだけを眺めていても、原因はなかなか分かりにくいですね。差異分析を日頃からやっている方ならお手の物かもしれません(^_^;)

 

そのため、普通は原因追及型のWhyツリーを使って分析します。まとめた例がこちらです。

 

1-2-ロジックツリーWhyツリーの事例

 

このようにまとめると、主要な原因は、A社の売上が計画に届いていないためと推定できます。そして、販売先のA社に対して売り方に問題があった点が要因として大きいことが読めてきます。さらに、進捗管理のルールにも要因がありそうなことが分かります。

こうした原因追及型のWhyツリーは、トヨタの製造現場では「なぜなぜ分析」とか「なぜなぜ5回」といった呼ばれ方をしています。また、多くの製造現場でも「なぜなぜ分析」という言葉は耳にする手法の1つではないでしょうか?こうした原因追及の手法で用いられロジックツリーの中ではポピュラーな存在です。

 

問題解決ツリー(Howツリー)


問題解決ツリー(Howツリー)は、解決したい問題を目的として、その解決手段の抽出や着手順位を明らかにするを狙いとしたロジックツリーです。課題解決型のロジックツリーとも言われます。

解決したい目的に対して「どのような解決方法があるか?」と問いかけ、枝状に解決策を分けて具体化していきます。そして、具体的な取組にまで展開出来たら、それに優先順位を決めて着手する解決手段を決めていきます。


たとえば、家計が赤字で収支を改善するしなければならないときの例で見てみましょう。「収支をプラスにする」という解決すべき課題でロジックツリーをまとめてみました。

1番左の「収支をプラスにする」の、収支を分解すると、「収入-支出」となります。そこで、「収入を増やす」と「支出を減らす」に解決策を展開できます。さらにそれぞれの解決策に対して、具体的な策下位に書いていきます。

こうして書き出した解決策に、自分なりの評価項目を決めて優先順位を付けてみます。評価の高いものを着手する手段として選ぶことになります。

問題解決型ツリー(Howツリー)の例(収支をプラスにする)

 

1-3-ロジックツリー問題解決型ツリー(Howツリー)の例

 

優先順位づけは、○△×といった順位尺度で評価する方法もありますが、会社の資料では、金額などに換算して定量的に評価する方法も用いられます。(絶対尺度)

 

 

要素分解ツリー(Whatツリー)


要素分解ツリー(Whatツリー)は、自分が対象にしている物事の要素を、網羅的に把握しやすくするためのロジックツリーです。


例えば、要素分解をしやすい家庭ゴミの例で仕分けをやってみましょう。

「市町村が回収する家庭ゴミ」を構成する要素を分解していきます。最初の水準Ⅰには、「無料で回収」と「有料で回収」の2つに分解できます。これは、お金を分類の基準にして分けた例ですね。そして、「無料で回収」する家庭ゴミをさらに要素分解していくと、水準Ⅱの「資源ゴミ」と「資源ゴミ以外」に分けられます。こちらは、回収のされ方で分けています。さらに、「資源ゴミ」を要素分解すると、水準Ⅲの「紙類」「プラスチック類」「金属類」など各市町村で決めている資源ゴミの材料による違いの要素にたどり着くことになります。

このように抽象度が、左から右へ展開するほどに具体的になっていことを、抽象水準Ⅰ→Ⅱ→Ⅲといった具合に示すことになります。

 

要素分解型ツリーWhatツリーの事例(市町村が回収する家庭ゴミ)

 

1-4-ロジックツリー要素分解型ツリーWhatツリーの事例

 

このような要素分解型のロジックツリーは、色々な資料の中で、目にすることが多いと思われます。

 

たとえば、私のブログの記事でもこうした書き方で利用しています。

 

1-4-ロジックツリー要素分解型ツリーWhatツリーのその他の例

 

2.書き方のポイント

ロジックツリーを作成する上でのポイントは以下の4つです。

MECEに分ける
・クライテリアを合わせる(分類基準)
・ディメンジョンを統一する(抽象水準)
・論理の飛躍を防ぐ


MECEに分ける

論理的に思考を整理する上で欠かせないのが、「MECE」です。
MECE:Mutually Exclusive Collectively Exhaustiveの略です)
ある事柄や概念を、ダブリなく、モレのない集まりの集合で捉えることを言います。

たとえば、購入するお客様をMECEで分ける身近な例としては、「男女で分ける」「年齢別に分ける」といった人口統計学的な分類を用いる方法があります。アンケートなどの冒頭に回答する部分などは、このMECEで分けるために設定している問いです。

また、人口統計学的な分かりやすい分類に他には、先人が色々なMECE的な考え方として考えてくれたものがあります。

たとえば、先ほどの売上でしたら、売上=販売数×価格×期間といった分解をしていますが、これは商品の事例に活用できる方法です。一方、飲食店などの売上では、売上=客単価×売上人数といった具合に因数分解したほうが、解決策や原因にたどり着きやすいと言われています。こうした因数分解の方法は、「ググる」と沢山出てくるのでそれを参考にするのも良いでしょう。

 

ロジックツリーのポイント1-MECE的な因数分解の方法

 

また、要素分解型ツリーWhatツリーでは、フレームワークを用いることも多いです。

フレームワークとは、分析や問題解決を楽にするための考え方を言います。

たとえば、製造現場では、4M(人、機械、材料、方法)というフレームワークをよく利用します。トラブルの原因に分解するときであれば、問題の原因を、「人が行う作業やスキルに問題があったのか」「機械の不具合か」「材料が基準通りでは無かったのか」「あるいは「方法に問題があったのか」などと分解していく例になります。

 

2-1-MECEの例-フレームワークを利用する

このようにロジックツリーではMECEで分けていくことは有効ですが、厳密なMECEを作ることは難しいことや限界があることも理解しておく必要があります。

たとえば、マーケットにいる人を、人口統計学的変数(デモグラフィック変数)を使って年齢や性別で区分すれば、MECEになります。しかし、「20代」という分類が、ビジネス上本当に意味があるとは言い切れない可能性があります。29歳から30歳の誕生日を迎えたと同時に消費行動が変わるわけではありません。

また、消費行動として「主婦」「OL」と区分して分析するやり方はあるでしょうが、現実には、「主婦でOL」という方もおられます。このようにMECEで分けることは早々簡単ではないことも承知しておくと行き詰まらなくてすみます。
私がそうでした(^_^;)。しかも、OLなんて言葉はすでに死語ですね(;。;)

 

衣料品マーケットの購入者をMECEで分けて見ると…

2-2-たとえば衣料品マーケットのMECE

 

クライテリアを合わせる(分類基準)

クライテリア(分類基準)とは、分類の目的に合った基準を考えることを言います。
たとえば、利益の拡大を展開する場合の下位に来る解決策は、「売上の拡大」であり、その対となるのは、「コストの削減」です。どちらもお金という基準で分類していうます。この点は、さきほどご説明したMECEの概念からご理解いただけると思います。

 

2-3-問題解決のロジックツリーの例-クライテリアを合わせる

 

クライテリアは、判断の軸という意味合いも持ちます。たとえば、こうした利益などの経営的な展開をしている場面に、心情的なことが書かれていたら聞く側(受け手)は違和感を覚えると思います。そうした論理的な軸をきちんと合わせておくことを意識していくことも大切です。

ディメンジョンを統一する(抽象水準)

ディメンジョンとは、要素の深さや次元の位置を意味します。ディメンジョンを統一するを例から、理解してみましょう。

例えば、「一泊旅行に行くなら大阪とディズニーランドのどちらがいいですか?」という質問は、「一泊旅行」という問いに対して抽象水準が一致していません。大阪は都市の名ですが、ディズニーランドは遊ぶ場所です。この2つは抽象水準がずれています。もし聞くなら「一泊旅行に行くなら、大阪と千葉」から入るべきでしょう。その上で、大阪の下位に「ユニバーサルスタジオジャパン」と書いて、千葉の下位に「ディズニーランド」と書かれていれば比較しやすくなります。

 

さきほどの「利益の拡大」のロジックツリーであれば、赤枠の中が抽象水準Ⅰ、Ⅱ、Ⅲとディメンジョンを統一した部分になります。

 

2-3-問題解決のロジックツリーの例-ディメンジョン2

3.メリット・デメリット

ロジックツリーを説明に用いるメリットとデメリットを簡単にまとめておきます。

メリット

MECEでまとめるので、モレやダブリが少ない
・展開が論理的なので、受け手が理解しやすい
・見当違いの解決策や要因・原因が減らせる

 

デメリット

・論理的な故に、創造的な問題解決には向かない
・展開が平凡になりやすい
・作業に熟練しないとMECEで完成しない

 

 

4.まとめ

論理的な資料作りには、ロジック・ツリーが欠かせません。ロジック・ツリーは,物事の全体像を俯瞰的に把握する上でに役立つツールです。また、物事の原因と結果を論理的に表現できる手法です。

ぜひ、自分なりのロジックツリーを用意して資料づくりに役立ててみましょう。

 

 

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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終わり