暑い
暑い日が続きますね。我が家のエアコンはフル稼働で電気代もうなぎ登りです。こうなると、どうして夏は暑いのかを再確認したくなります。(意味不明です(^_^;) 昔、理科の時間に習ったことの復習をしてみます。グダグダと書いております。お暇でしたらお付き合いください。
1.暑い夏
暑い日が続いています。
今年は、久しぶりに6月中の梅雨明けとなりました。梅雨の間は、比較的に気温も穏やかでしたが、6月24日辺りから30°を超える日が多くなりました。7月に入って戻り梅雨のような日もありましたが、また30°を超える日が続いています。
こちらは、東京都の気温を6月1日から7月25日までプロットしたものです。
こうした暑い日が、しばらく続くのでしょうね。
昨年の東京都の月別気温推移がこちらです。
昨年は、8月にピークが来ています。今年もまだまだ暑くなりそう。
あ~、我が家の電気代も増加しそうです(^_^;)
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2.夏が暑い理由
日本は四季折々の季節が体験できる貴重な位置にあります。その四季を織りなし、冬が寒いのも、夏が暑いのも地球の自転軸が傾いているためです。
現在は、約23.4°傾いているそうです。
この傾きの影響で、夏至の頃の太陽は天空高く長い時間日が照ることになります。
反対に、冬至の頃はお日様が低い軌道で日の射す時間も短くなります。
夏至と冬至の太陽軌道との角度差と日照時間の差で
冬は寒く
夏は暑くなるのでしたね。
これ小学校高学年で習うんだそうです。
こんな図を授業で習った記憶はありませんか?
地軸(地球の自転軸)が、23.4度傾いているので、
北半球の日本の場合、
例えば、東京は北緯35度にありますので・・・
冬至の頃は、太陽が真南に来る時でも、
90°-35°-23.4°=31.6°
約32度の角度で太陽光が差しこんできます。
一方、夏至の頃は、90°-35°+23.4°=78.4°
ほぼ直角的な角度で太陽光が差しこんできます。
図で書くとこんな感じです。結構差し込む光の量が異なることが分かります。冬は、日が直下にある場合の53%程度しか日射量がありません。夏は98%とほぼ満額です(^_^;)
今年の夏至は6月21日(火曜日)でした。しかし、この時期はまだ梅雨で雨の日も多いので日差しが高いことを認識しずらいですね。そこで、晴天だった6月30日の東京の太陽高度と気温や日射量の変化を時間単位でプロットしてみました。日光が地面を温め、それがまわりの大気を温めるといった具合に気温上昇には時間がかかるので。気温は太陽高度よりやや遅れてピークを迎えます。
一方、日射量は、太陽高度とほぼ同じカーブを描くことが確認できます。
(その日の雲のかかり方などで多少変化します)
データ引用:気象庁
この夏はコロナウィルスの第7波もやって来たので、おとなしく家にいるのが良さそうですが、電気代は覚悟した方が良さそうです。
少しでも電気代が減るように、早く電力会社が変更にならないかなあ~(^_^;)
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3.ミランコビッチサイクル
ここからは、自分の備忘録です。興味の無い方は読み飛ばしてください。
少し前に、太陽黒点の記事を書いたら、昔のお友達がそれに反応してくれて、ミランコビッチサイクルの話題になりました。
そこで、改めてミランコビッチサイクルについておさらいをしてみようかと思った次第です。ちなみに自分の関心事が中心なので、書き足りない部分が多々あります。あしからず。
夏が暑いのは、自転軸の傾きという説明をしましたが、こうした地球と太陽の位置関係から氷河期の発生の謎に生涯をかけて挑戦したのがミランコビッチ先生です。
先生の名を取ってミランコビッチ・サイクルと言いますが、地球公転軌道の離心率、自転軸の傾き、地軸の歳差からなる太陽エネルギーの到達量の変化と地球気温変化の関係性を明らかにした理論です。
氷期と間氷期の気候変動には10万年、4.1万年、2.3万年の周期変動が認められており、こうした地球の公転軌道の揺らぎに伴った日射量の変化が原因とされています。
これらのデータをグラフ化したのがこちらです。
図参照:NASAearth obsertoryより
「On the Shoulders of Giants(Milutin Milankovitch, 1879-1958)」
この図からすると、しばらくは太陽放射は安定的だと見えます。しかし、地球環境の変化は複雑系なので未来のことは中々分からないようです。
とはいえ、参考に出来ることは学んでおきたい。
地球の公転軌道の離心率
地球は、太陽の周りを楕円の軌道で回っています。
2022年の場合は、1番遠い時は、7月の初旬の1.0167倍です。一方、1番近い時は、1月に初旬で0.9833倍程度です。
平均的な地球と太陽の距離は、約1億4960万kmです。現在は、段々その差が少ない真円に近い状態に向かっています。
エネルギーは距離の二乗に反比例するので、遠近で3%程度のエネルギー量の差になります。
たとえば、最も遠い時のエネルギー減少量を計算すると
1/1.0167×1/1.0167=0.967です。
つまり、約3%減です。逆に近い時は約3%増えることになります。
こうした公転軌道の変化と、南極の気温の変化には、図のようにゆるい相関性が認められています。多少の時間的なずれがあり、その原因はまだ不明です。
こうした変化の周期性を見ると、今後寒冷化するのではないかと想像してしまいます。しかし、今の地球温暖化が加速している事象とは矛盾した意見です。学者さんの議論も同様に意見が割れている状況にあるようです。
地球の自転軸の角変化
夏が暑い理由でも書きましたが、自転軸の傾きが日本の四季を織りなし、夏を暑くするのは、この自転軸の傾きによるものです。
この傾きは、24.5°から22°の間を約4.1万年の周期で変化しています。
現在は24.5°から22°に向かっていく途中です。
傾きが22°に近づくと、夏と冬の温度差が縮まることになります。
図から分かるように角度が22°になると、冬は4%弱日射量が増えます。一方、夏は1%弱日射量が減ることになります。
こうした自転軸の傾きによる日射量の変化はそう大きくはありません。しかし、この傾きの変化は、偏西風や暖流などの蛇行の状況も変えるようです。そのため、気象への影響は見た目以上に大きいと言われています。
最近、世界各地で異常気象が頻発しているのも、こうした傾きの変化の兆候なのかもしれません。
自転軸の歳差運動
自転軸の傾きは、コマを回した時のように、歳差運動をしています。
歳差運動についてGIFの動画を作ってみました。
この運動は、1周するのに約2.3万年かかります。
今は、夏の時に公転軌道は遠い位置にあります。逆に冬は近い位置にあります。つまり、日射量的には寒暖の差が縮まる関係にあります。
そして、この歳差運動の影響で、約1万年後には、自転軸の向きが今と逆になるので、夏は太陽に近づきかつ北半球が太陽面を向くので暑い夏になります。逆に冬はよりいまより寒くなります。つまり、寒暖の差が激しくなる方向です。
これまで説明したミランコビッチサイクルの理論に沿った地球の色々な変化が、地質調査の結果から、寒冷化する時期と一致していることがわかってきています。
例えば、東南極の氷河の動きから、ミランコビッチサイクルの裏付けデータが取れています。
また、日本でも水月湖の海底の地層をボーリングした結果、同様の変化が検証されています。この点を書籍にまとめた「人類の気候の10万年史」を読むと地球の気候がとても変化していたことがよく分かります。
引用:人類の気候の10万年史p156より
さて、長々書きすぎてしまいました。今日はこのくらいで終わりにしておきたいと思います。
4.おわりに
日本の夏は、地球の自転軸が傾いているからだと改めて確認できました。
こうした変化の動向を、多くの学者の方々が色々な面から研究してくれています。が、まだ不明な点も多いのが現状です。ミランコビッチサイクルと太陽日射量の関係がふたたび注目される時期が来たら要注意かもしれません。
今日は、なんとなく記事を書いてしまいました。
お付き合いいただきありがとうございました。
こうした記事も読んでやってください。
終わり