まねき猫の部屋

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「教える」から「導く」へ移行するタイミングを考える

育成アプローチ

教えるから導くへ

部下や後輩を指導・育成する上で、悩むことが色々あります。その中で、特に難しいことの1つに「教える」から「導く」へ移行するタイミングの取り方があります。今回は、そのポイントを考察してみたいと思います。ショート記事です。良かったお付き合いください。

 

目次

 

 

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1.導く段階を考える

人を指導・育成するアプローチには、

1.知らないことを知る状態にする「教える
2.知ったことを応用出来るようにする「導く
3.出来る力を主体的な活動につなげる「励ます

などがあります。


メンバーの成熟度に応じて、アプローチを使い分けていくことになります。

成熟度に応じた育成能力と育成アプローチ

 

こうした各段階は分かりやすいのですが、実際に「教える」から「導く」段階に移行するタイミングを、どう見極めるかは中々難しいものがあります。

たとえば、「教える」段階をクリアしたメンバーに、再度知識教育をしようとして、いやがられた経験はありませんか?

逆に、まだ知識不足のメンバーに支援的な導きをしたばかりに、大切な商談を逃してしまったことはないでしょうか?

改めて、タイミングについて考えてみましょう。

 

守破離」で考える

守破離」とは、江戸時代中期の江戸千家の宋匠「川上不白(江戸時代中期・後期の茶匠)」の言葉と言われています。茶道の修行段階を教えたものでしたが、転じて日本のさまざまな武術や技芸の世界で、修行の段階を説明する言葉として使わるようになったものです。

守破離の各修行段階

修行の段階は、「守」→「破」→「離」と進みます。

それぞれは、
「守」は、師の教えを忠実に学び、型や作法、知識の基本を習得する段階
「破」は、教えを土台としながらも自分なりの真意を会得する段階
「離」は、教えられた事を離れて、自分独自の「型」を創り上げる段階

となります。

この修行段階は、冒頭の「教える」→「導く」→「励ます」と同じステップを踏んでいることが分かります。つまり、さきほどの問い(教えるから導くに移行するポイント)は、「守」から「破」へ移行する段階となります。

 

能動的なメンバーの場合

「守」の段階を卒業したヒントは、そのメンバーが学んだ基本から自分なりの真意を問うようになる点が上げられます。学んだ型と自分の身体の特徴や考え方の志向とのギャップから生まれるものです。

そうしたメンバーは、たとえば、


「この動きはこうした方がいいのではないか?」
「この解き方は、この方法でもいいんじゃないか?」


といった問いを発するようになります。

このように部下や後輩が、問いを発言するようになったら「教える」から「導く」段階に移行してもよさそうです。

「教える」はティーチングのテクニックを用いますが、「導く」は、コーチングのテクニックを利用します。コーチングでは、「答えはその人自身の中にある」と言われます。基本が出来るようになると、自分に合ったやり方が自身の内側から溢れてきます。それを、引き出すお手伝いをするのが指導者の「導き」です。

現代は、忙しいのでつい答えを与えすぎる傾向にあるようです。しかし、外部環境の変化のスピードが激しいこの時代では、与えられたものはすぐに役に立たなくなります。変化する環境に合わせて自分なりにやり方を見つけ出す人のほうが結果的には時代に適応しやすくなります。

 

さて、
あなたの部下や後輩が、

「このやり方は、こうした方が良くないですか?」

などと聞いてくるのは、そのメンバーが能動的な場合です。

問いを発したら、移行のチャンスです。
質問をしてみましょう。

「君が、こうした方が良いと思った訳を聞かせてくれませんか?」

こうした質問の仕方を開いた質問といいます。
(オープン質問とも言います)
開いた質問は、そのメンバーの考えを引き出す質問の仕方です。

一方「はい」「いいえ」とか、「AですかBですか?」と選択肢のある問いは、閉じた質問と言います。

導く段階に入ったら、指導者は聞き役に徹して、開いた質問を活用したいものです。

 

質問の仕方の詳細は、以下の記事からどうぞ

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受動的なメンバーの場合

メンバーが問いを立てるような場合は、すごく分かりやすいです。しかし、こうした能動的なメンバーばかりではありません。問いを発しない受動的なメンバーもいます。

そうした部下の移行タイミングを、「ジョハリの窓」的に考えてみましょう。「ジョハリの窓」は、自分と他人のそれぞれから見た自己理解の様子をモデル化した心理学の手法です。

その「ジョハリの窓」を応用して、指導者から見て、その仕事が「出来るはず」か「出来ないだろう」に二分し、その本人の意識から「出来るはず」と「出来ないかも」に分けると4つの窓が出来ます。そこから「導く」ヒントが見えてきます。

図にした方が、分かりやすいかもしれません。

指導者が出来ると認識し本人は出来ないと思っているときは導いてあげる

指導者も本人も「出来る」と考えているときは、迷わずに、その仕事を「任せる」ことが適切です。

一方、指導者は「出来るはず」と認識しているのに、本人が「出来ないかも」と感じていると気付いたら、その仕事に手をつけるよう「導く」アプローチをしてみたいものです。

受動的なメンバーは、新しいことを一人ですることに不安を持ちます。なので初めは具体的な指示を出して、仕事に慣れてくるに従って指示を減らしていき、支援的なアドバイスに変えていくと良いようです。

そのメンバーの仕事のスタイルをよく観察しながら、そのメンバーに合った任せ方を検討しておくことが大切ですね。

 

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2.おわりに

 

・「教える」から「導く」に移行するヒントは、メンバーの問いにある。

受け身的なメンバーは「問い」を発しないケースもある。
 そうした時は、指示を多くしてやらせながら、徐々に任せていくと良い。
・メンバーの仕事のスタイルに合わせた導き方を日頃から考えておきましょう。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

こうした記事も参考になれば幸いです。

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終わり